監督:ジョバンニ・ピスカーリオ
制作:2018年 イタリア 2019年日本公開
この映画は美術史の中でも最も偉大な画家の一人とされるフィンセント・ファン・ゴッホと彼の作品の最大の個人コレクターとして知られるヘレーネ・クレラー=ミュラーの人生のドキュメンタリーです。
ゴッホはご存じの通り1890年、37歳でピストル自殺によってこの世を去ります。当時は無名の画家でした。そして死後もやはり無名でした。
この無名の画家ゴッホの絵に惹かれたのがヘレーネでした。ヘレーネはオランダ有数の資産家で4人の子持ちでした。娘が通う絵画教室で評論家のヘンク・ブレマーと出会い絵画のコレクションを始めます。その時にゴッホの作品とも出会います。ここから彼女のゴッホ作品の収集が始まります。そしてその数は300点にも上ります。
そしてヘレーネは美術館を造ることを決めますが、金銭的に無理があり一時は断念します。しかし諦めきれないヘレーネは別荘とコレクションをオランダ国に寄贈する代わりに美術館を建設することを取り付けます。そして1938年、森の中にオランダ国立『クレラー=ミュラー』美術館が完成し、ヘレーネは初代館長に就任します。しかし、その5か月後に彼女は亡くなります。
生涯出合うことのなかった二人でした。皮肉なことに共に死後に高い評価を得ました。
案内役は女優で映画監督のヴァレリア・ブルーニ・テデスキです。
ゴッホが画家を目指したきっかけや作風の変化、精神を病んでいく経緯などを膨大な手紙類から紐解いていきます。
私自身それほどゴッホに対する知識があるわけでは無かったので、今まで知らなかったゴッホの絵の秘密めいた謎が解けたようで興味深く観れました。あの独特なタッチが生まれた経緯なども理解できました。
映画『ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝』予告編
それでは今日はこの辺で。