Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ『サーカスの唄』

今日の「聴き比べ」は『サーカスの唄』です。

またまた懐メロで恐縮です。

この歌はてっきり小林旭の唄だと思っていました。ところがこれは松平晃という歌手が歌ったヒット曲だったのです。松平晃は1911年、佐賀市の生まれで、東京芸術大学を中退し、戦前戦後に活躍した歌手でした。私などはその名前も知りませんでした。

松平は苦学生として声楽を学んでいましたが、家の窮状で学費を稼ぐために流行歌手のアルバイトをするようになりました。当時はそのような学生が少なからずみられたようです。有名なところでは藤山一郎などもそうでした。松平も多くの変名でレコーディングをしていたようです。そのレコーディングが学校にバレて問題となり、松平は流行歌手の道を選びました。

この『サーカスの唄』はコロムビア古賀政男の作曲で、当初は藤山一郎に歌わせるつもりでしたが、藤山がビクターに入社してしまったために、その代わりとして松平に白羽の矢が立ちました。1933年のことでした。これがヒットし、翌年には松平は正式に「松平晃」を名乗り、コロムビアと専属契約を結びました。1961年、49歳で亡くなっています。知るはずがありませんね。

 

f:id:lynyrdburitto:20191011111541j:plain

 

サーカスの唄

作詞:西条八十

作曲:古賀政男

 

旅のつばくら 淋しかないか

おれもさみしい サーカスぐらし

とんぼがえりで 今年もくれて

知らぬ他国の 花を見た

 

昨日市場で ちょいと見た娘

色は色白 すんなり腰よ

鞭の振りよで 獅子さえなびくに

可愛いあの娘は うす情

 

あの娘住む町 恋しい町を

遠くはなれて テントで暮らしゃ

月も冴えます 心も冴える

馬の寝息で ねむられぬ

 

朝は朝霧 夕(ゆうべ)は夜霧

泣いちゃいけない クラリオネット

ながれながれる 浮藻(うきも)の花は

明日も咲きましょ あの町で

 


サーカスの唄 松平晃

 

1962年、小林旭が映画『さすらい』でこの曲を歌いました。もっともこの映画を観たのももっともっと後になってからでした。もうすでに石原裕次郎と共に日活の看板俳優になっていた小林旭のムード・アクション映画でした。旭のサーカス・アクションが見物でした。

「映画 さすらい 小林旭 画像」の画像検索結果

監督:野口 博

主演:小林 旭、松原智恵子

制作:1962年 日活

 

主題歌はもちろん、「夜がまた来る・・・」の「さすらい」でした。この「サーカスの唄」は挿入歌という形でしたが、「さすらい」とともにヒットしました。

f:id:lynyrdburitto:20191011113217j:plain

 


小林旭「サーカスの唄」

 

裕ちゃんも歌っています。


サーカスの歌 石原裕次郎、古賀メロディーを歌う!

 

美空ひばりも歌っています。


美空ひばり「サーカスの唄」

 

どれも素晴らしいの一言です。

 

いつのコンサートか忘れましたが、岡林信康もカバーしていました。ちょうど演歌に転向した頃だったと思います。

 

それでは今日はこの辺で。