今日の「この人の、この1枚」はマンフレッド・マンズ・アース・バンド(Manfred Mann's Earth Band)の『静かなる叫び(The Roaring Silence))』です。
マンフレッド・マンズ・アース・バンドはマンフレッド・マン(Manfred Mann)が1971年に結成したイギリスのバンドです。
この結成の経緯は少々複雑になります。元々はマンフレッド・マン(個人名)が1962年に盟友マイク・ハグ(Mike Hugg)と結成したバンド、マンフレッド・マン(バンド名)がスタートとなっています。このバンドはポップ・ロックとして多くのヒットを飛ばしました。このバンドには途中クリームのジャック・ブルース(Jack Bruce)なども在籍しました。
しかし、マンフレッド・マンはバンドのスタート時からのスタイルだった、ジャズやR&Bを忘れることができませんでした。そして1969年、メンバーチェンジを機会にマンフレッド・マン・チャプターⅢを結成しました。ここで本格的にジャズ・ロックを演奏しました。しかし時代はジャズ・ロックからは離れていました。2枚のアルバムを残し解散します。ここで長年苦楽を共にしたマイク・ハグと別れ、マンフレッド・マンズ・アース・バンドを結成したのです。
メンバーはマンフレッド・マン(Manfred Mann,key,vo)、ミック・ロジャース(Mick Rogers,g,vo)、コリン・パッテンデン(Colin Pattenden , b)、クリス・スレイド(Chris Slade ,ds, vo, perc)の4人でした。
1972年から1975年までに6枚のアルバムをリリースしますがいずれもヒットには至りませんでした。
そして1976年に発表したのが『静かなる叫び(The Roaring Silence))』です。ミック・ロジャースが抜けて、クリス・トンプソン(Chris Thompson, vo, g)とデイヴ・フレット(Dave Flett , g)が加わりました。
Side A
1.Blinded by the Light
2.Singing the Dolphin Through
3.Waiter, There's a Yawn in My Ear
Side B
1.The Road to Babylon
2This Side of Paradise
3.Starbird
4.Questions
ゲストでミック・ロジャースが参加しています。またサックス奏者のバーバラ・トンプソンも参加しています。
A1はブルース・スプリングスティーンのデビューアルバムからの曲です。彼の曲は前作でも取り上げていましたが、これが全米1位になる大ヒットをもたらしました。アルバムも全米10位と大健闘でした。
A2はマイク・ヘロンの曲です。
このアルバムではそれまでのジャズやフュージョンばかりでなく、あらたにクラシックの要素も取り入れるということにチャレンジしました。
アース・バンドはこの後もヒットアルバムを出し続けますが、メンバーチェンジも頻繁に行われ、1987年以降しばらく活動休止状態になりました。
1991年にはジェスロ・タルのメンバーだったクライヴ・バンカーなども加わって活動を再開し、現在も新たなメンバーで活動中です。
50年以上に及ぶキャリアで唯一人、バンドを率いてきたマンフレッド・マン。現在79歳。どうなっているのでしょう。
Manfred Mann's Earth Band - Singing the dolphin through.wmv
Manfred Mann's Earth Band - The Road to Babylon
それでは今日はこの辺で。