今日の「この人の、この1枚」はシャーマン(Shaman)の『リチュアル(Ritual)』です。
2000年にアングラ(Angra)をあっさり退団した今は亡きアンドレ・マトス(Andre Matos)はメンバーのルイス・マリウッティ(Luís Mariutti,b)、リカルド・コンフェッソーリ(Ricardo Confessori,ds)を引き連れて、さらにルイスの弟、ヒューゴ・マリウッティ(Hugo Mariutti,g)を加えて、新バンド、シャーマン(Shaman)を結成します。
アルバム『リチュアル(Ritual)』は2002年の彼らのデビュー・アルバムになります。
アンドレ・マトスは実に落ち着きのない人でバンドを次から次へと作っては退団を繰り返します。原因はメンバーとのトラブルです。逆に言えばそれだけ上昇志向が強いということでしょう。ヴァイパー(Viper)、アングラ(Angra)、シャーマン(Shaman)、ヴァーゴ(Virgo)、アンドレ・マトス(band)、シンフォニア(Symfonia)と、次々とバンドやプロジェクトを結成しては辞めています。一つ所では収まらない、多彩な才能の持ち主だったのでしょう。
2019年6月8日、最後のステージの6日後に心臓発作で亡くなりました。47歳でした。まだまだやりたいことがいっぱいあったでしょう。残念です。
01.Ancient Winds
02.Here I Am
03.Distant Thunder
04.For Tomorrow
05.Time Will Come
06.Over Your Head
07.Fairy Tale
08.Blind Spell
09.Ritual
10.Pride
メンバーは
Andre Matos - Vocal, piano
Hugo Mariutti - Guitar
Luís Mariutti - Bass
Ricardo Confessori - Drums
ゲストは
Tobias Sammet (Edguy) - vocals on "Pride"
Sascha Paeth (Heavens Gate)- guitars on "Pride"
Marcus Viana - violin on "Over Your Head"
Derek Sherinian (Black Country Communion)- keyboard solo on "Over Your Head"
プロデュースはSascha PaethとShaman です。
ヴァーゴでプロジェクトを組んだヘヴンズ・ゲイト(Heavens Gate)のサーシャ・ピート(Sascha Paeth)がプロデュースとギターで参加しています。エドガイ(Edguy)のトビアス・サメット(Tobias Sammet)やブラック・カントリー・コミューン (Black Country Communion)のデレク・シェリニアン(Derek Sherinian)も参加しました。
いきなり壮大なクラシック風な楽曲から始まり、続いては疾走感あふれるスピード・メタル。アルバム全体は神秘的で壮大なトータル・アルバムとなっています。
シャーマンはこの後、2005年にセカンド・アルバム『リーズン(Reason)』をリリースします。このアルバムも前作に引けを取らない好アルバムとなりました。
ところが、アンドレ・マトスは再びマウリッティ兄弟を引き連れて退団してしまいます。残されたリカルドは急遽メンバーを集め、バンドを継続させます。
そして2007年、2010年に2枚のアルバムを残します。『インモータル(Inmotal)』『オリジンズ(Origins)』です。マトスがいなくなって、もうだめかと思われましたが、意外や意外、頑張りました。現在はリカルド以外はバンドを辞めてしまっています。
アンドレ・マトスはこの後、アンドレ・マトスという自分の名前を付けたバンドを立ち上げます。
機会があったらその辺りを書いてみます。
それでは今日はこの辺で。