Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

訃報:マイク・ネスミス & 葉真中 顕の『絶叫』を読む

昨日、マイク・ネスミス(Mike Nesmith)が亡くなったとの知らせがありました。78歳でした。

マイク・ネスミスはイギリスのビートルズに対抗して1964年に結成されたザ・モンキーズのギター・ヴォーカル担当でした。解散後は自身のカントリー・バンド、『マイケル・ネスミスとファースト・ナショナル・バンド』を結成しました。「シルバー・ムーン」が大ヒットしました。この曲を聴いた時には、あ~、こんなバンドをやりたかったんだな、なんて思いました。

中学生のころ、毎週テレビ放送されたモンキーズ・ショウ』が楽しみでした。デイビー・ジョーンズが2012年に、そして2019年にはピーター・トークが逝きました。残るはミッキー・ドレンツただ一人になりました。寂しい限りです。

謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。

 

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さて、久しぶりの読書記事です。

読書は毎日欠かしませんが、歳のせいか読後に内容を憶えていることはほとんどありません。最近では前日に読んだ内容も忘れて、少し読み返してから始めるという始末です。従って読書記事を書こうと思っても、書く段になると既に思い出せないのです。他に書く記事があって後回しにしていると、完全に忘れます。ということで読書記事は極端に少なくなりました、

同じ本を何度も買ったりして、その度ブック・オフに持っていきます。CDも同様です。重症です。

 

今日書くのは今読み終わったばかりの本です。忘れないうちに書いておきます。

作者は葉真中顕。タイトルは『絶叫』です。

 

この作家の本は以前に1冊読んでいました。『ロスト・ケア』という作品でした。内容は全く覚えていません。本棚にあったので多分読んだのでしょう。ペラペラとページをめくってみると確かに読んだ記憶がありました。

 

今回の『絶叫』は文庫本600ページの大作です。

内容は鈴木陽子という極々平凡な女性が陥った地獄のような半生を描いた作品です。

地方都市の平凡な家庭に生まれ、平凡に育った女性が、父親の借金を残しての失踪から人生が狂いだします。売れない漫画家との結婚・上京そして離婚、コールセンターの派遣社員、生保レディ、不倫、枕営業、解雇、デリヘル嬢、情婦、そして保険金殺人へ。まるで転がる石のように転落していきます。

 

事件の始まりは国分寺のマンションの鈴木陽子名義の部屋で腐乱死体が発見されます。その死体は十数匹の猫によって食い荒らされ原型を留めていません。猫もすべて餓死しています。身元確認もできない状態ですが、鈴木陽子が住んでいたのはまちがいありません。警察は鈴木陽子の足跡を洗い出し始めます。

 

小説は作者があなた(鈴木陽子)に話しかける形で進みます。そして一方では鈴木陽子の経歴を辿る刑事・奥貫綾乃の捜査状況が並行して進んでいきます。この女性刑事も鈴木陽子の人生に自分の人生を重ねるおもいで捜査を続けます。

 

鈴木陽子の転落人生に胸苦しくなり、そして最後の大どんでん返しに驚きます。鈴木陽子は1973年生まれの団塊ジュニア世代。両親は団塊の世代。短大卒で就職するころにバブルがはじけ、就職氷河期にあたります。そういった社会背景が節目節目で挿入され、彼女の人生に少なからず影響を及ぼしていることも何か現実味を帯びているのです。誰でもこのような人生に陥ってしまう可能性があるのではないでしょうか。読み応え十分でしたが、読後感は悪いです。

 

読んでいて、ふと山田宗樹の『嫌われ松子の一生』を思い出してしまいました。

 

それでは今日はこの辺で。