今日の「この人の、この1枚」はスマイリー・ルイス(Smiley Lewis)の『I Hear You Knocking』です。
ニューオリンズ・R&B発展の中心的ミュージシャン、スマイリー・ルイス。
彼は1913年ルイジアナ州デクインシーで生まれました。昔の解説資料によると1920年、ルイジアナ州ユニオンの生まれとなっていますが、どうやら誤りのようです。本名はオヴァートン・エイモス・レモンズ。10代の頃にニューオリンズに移り住み、音楽活動を始めた模様です。
1947年にデラックスというレーベルからレコード・デビューを果たしますが、これは不発でした。
1950年にインペリアル・レコードと契約し4曲をレコーディング。中で「Tee-Nah-Nah/Low Down」が少し売れました。その後も何曲かレコーディングし、次第に名前も知られるようになりました。
そして1952年の「Bells Are Ringing」がビルボードのR&B部門で10位となるヒットとなりました。さらに1955年の「I Hear You Knocking」のヒットが決定的となりました。この曲はR&B部門の2位になる大ヒットでした。この時期がスマイリー・ルイスの全盛期となりました。
その後はレコーディングからしばらく遠ざかり、1961年からオーケー、ドット、ロマ、と各レコード会社でレコーディングするも、かつての勢いは取り戻せず、1966年に66歳で亡くなりました。
そんな彼の全盛期だったインペリアルでの録音を集めたレコードが『I Hear You Knocking』です。これは日本のユナイト・レコードが「R&B歴史的名盤コレクション」と銘打って発売したシリーズの中の1枚です。オリジナルは1961年にリリースされています。
Side A
1.The Bells Are Ringing
2.Standing On The Corner
3.Blue Monday
4.Down The Road
5.Last Week
6.Real Gone Lover
Side B
1.Bumpity Bump
2.I Hear You Knocking
3.I Can't Believe It
4.Hey Girl
5.One Night
6.Nothing But The Blues
タイトル曲にもなっている「I Hear You Knocking」はゲイル・ストームがカバーして大ヒット、さらにニューオリンズR&Bの巨頭ファッツ・ドミノによってもカバーされました。そしてイギリスのデイヴ・エドモンズがラヴ・スカルプチャーを解散してソロ・デビューでカバーし大ヒットしました。
スマイリー・ルイスのオリジナルは朴訥で泥臭く、それがまたいい味なのです。
「One Night」は大ヒットしたプレスリー盤の原曲です。
当時、このLPでしか聴けない曲も収録されており、非常に貴重なアルバムになっていました。
The Bells Are Ringing by Smiley Lewis 1952
Smiley Lewis - I Hear You Knockin'
1st RECORDING OF: One Night - Smiley Lewis (1956)
それでは今日はこの辺で。