先日のキネ旬シアターは『モダンタイムズ』でした。
またまた「フォーエバー・チャップリン~チャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。
監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン
製作:1936年 アメリカ合衆国
ご存じ、チャップリンの傑作。『街の灯』に続くユナイテッド・アーティスツ社での5作目です。基本サイレントですが、一部セリフが入るパート・トーキーです。チャップリンの歌声による肉声が初めて聴かれた映画でもあります。
資本主義経済や機械文明を痛烈に批判した映画で、チャップリンはこの映画のおかげで共産主義者ではないか、と疑われたようです。当時、ナチス国家だったドイツでは上映禁止になりました。工場で働くシーンはあまりにも有名です。このシーンは大量生産・大量消費による人間喪失をコメディー・タッチで見事に表現しています。腹を抱えて笑えるのですが、その奥に機械と化してゆく人間の哀れさが見てとれるのです。
また、ラストシーンは機械化された現代文明とは真逆の、何もないだだっ広い草原のどこまでも続く一本道をチャップリンが少女と共に笑顔で胸を張って歩いていくのです。
世界恐慌の悲惨さから、チャップリンは既に資本主義が抱える矛盾を映像によって表現していたのです。なんという先見性でしょうか。
それでは今日はこの辺で。