今日は『リトル・エンジェルス』でいってみたいと思います。
低迷が続いた1980年代のブリティッシュ・ハードロックに復活の予感を感じさせて登場してきたのがリトル・エンゲルスでした。バンドの結成は意外と古く、1984年に『ゼウス』というバンド名で発足しました。
メンバーは
トビー・ジェプソン(Toby Matthew Jepson,vo)
マーク・プランケット(Mark Plunkett,b)
ブルース・ジョン・ディキンソン(Bruce John Dickinson,g)
ジミー・ディキンソン(Jimmy Dickinson,key)
マイケル・リー(Michael Lee,ds)
です。
彼らはライブ活動をこなし実力をつけ、1988年にポリドールと契約し、翌1989年にバンド名をリトル・エンジェルスと変え、ファーストアルバム、『Don't Prey For Me』をリリースします。
いきなりロバート・プラントなみのシャウトで始まるこのアルバムは、まさにブリティッシュ・ハードの復活を思わせる正統派のハードロックです。このアルバムからは3曲がシングルカットされいずれもヒットしました。
続く1991年にはセカンドアルバム『Young Gods』がリリースされます。
このアルバムも前作同様、ゴリゴリのハードロックンロールです。そこにアコースティックナンバーを織り交ぜるという、オーソドックスな手法ですが、それが実によく嵌っています。曲作りは前作もそうですがトビー・ジェプソンとディキンソン兄弟が半々づつぐらいになっています。いずれにしてもオリジナルです。
翌年、3作目の『Jam』が発表されます。
ここでドラマーがマーク・リチャードソン (Mark Richardson)に替わります。ここではキンクスの曲もカバーしています。ポップな面が出てきた気がします。このアルバム『Jam』は全英1位を記録します。シングルも「Woman Kind」が全英12位に入ります。「Too Much Too Young」などとてもポップで聴きやすくなっています。
続いて1994年に『Little Of The Past』がリリースされます。
これは未発表音源を含むベスト盤です。
そして、やはり1994年、『Too Posh To Mosh, Too Good To Last!』が発売されます。
これはアルバムデビュー前のEPと再録の組合せです。
そして1994年の7月にロイヤル・アルバート・ホールでラスト・コンサートを開催して、成功裏のうちに解散を表明しました。
バンドとしての音やその盛衰はクワイアー・ボーイズと共通するものが有ります。
ブリティッシュ・ハードロックの復活と期待しましたが、やはり時代の波には逆らえず表舞台からは退場してしまいました。約10年の活動で彼らのコメントは「疲れ切ってしまいました」という事でした。
2008年に前のドラマー、マイケル・リーが39歳の若さで亡くなり、その葬儀でかつてのメンバーが顔を合わせ、友情が再燃したと報じました。
Little Angels - Too Much Too Young
Little Angels - 'I Ain't Gonna Cry'
それでは今日はこの辺で。