Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ 泉谷しげるの『眠れない夜』

今日の「聴き比べ」は泉谷しげる『眠れない夜』です。

 

この曲は1974年にシングル発売された曲です。アルバムは『黄金狂時代』に収録されました。

この頃の泉谷さんはロック色を打ち出し、まさに絶頂期でした。アルバムにはサディスティック・ミカ・バンドが参加していました。

翌年には吉田拓郎井上陽水小室等とともにフォーライフ・レコードを設立しました。フォークからニューミュージックへの移行期でした。

彼のライヴは毒舌で楽しく、またその後は役者としても成功しました。現在も活躍中です。

 

眠れない夜

作詞:泉谷しげる

作曲:泉谷しげる

 

眠れない夜 風が窓をたたき

手招きして誘い水をまく 眠れない夜

金色のネオン ピンク色の壁

都会の暮らしは底無しで眠れない夜

憧れにつられてやってきたら

自分だけがただ憧れてる

眠れない夜がいつまで続くやら

北の汽車から南の船へ乗り急いだよ

ぼくの足はこんな所で疲れた

 

めずらしい見世物はすぐあきて

自分だけが珍しくなってく

眠れない夜がいつまで続くやら

Ah 手紙も書いた 日記もつけた

だけど宛名はすべてぼくのところ

眠れない夜 眠れない夜

眠れない夜 眠れない夜

 

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拓郎さんがカバーしています。フォーライフの関係でしょうか。

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それでは今日はこの辺で。

 

 

涙雨か? 一周忌

全く個人的な話で恐縮です。

昨日は冷たい雨の中、一周忌の法要に行ってきました。亡くなったのは私の一つ年上の従兄とその母親、つまり私にとっての叔母です。

 

昨年の2月、亡くなった従兄が「ちょっと腸の具合が悪いので入院することになった」と言って入院しました。膀胱癌の罹患者なので今回も心配していました。近々飲む約束をしていたので突然の入院で驚きました。

 

そして3月に腸の手術をしたと連絡があり、しばらく入院するとのことでした。それが最後の連絡でした。4月に入って亡くなったとの連絡が入りました。呆気にとられました。何かの間違いではと。しかし現実でした。コロナ禍の中見舞も出来ませんでした。病名は大腸癌でした。しかし、手術後1ヶ月で亡くなる癌なんてあるのでしょうか。私は医療ミスを疑ったくらいでした。

 

彼は膀胱癌の時もそうでしたが、我慢に我慢して病院に行くのが遅れて膀胱全摘になってしまったように、今回も末期になるまで我慢してしまったのかもしれません。多分病院に行くのが怖かったのでしょう。そういう一面がありました。私も似ています。!

 

この間、従兄の母親、叔母は運悪く肺炎で入院中だったのです。こちらもコロナ禍でなかなか見舞いは出来ず、まして高齢なので心配はかけたくないとの配慮から家族は従兄の入院を伏せていました。

 

しかし、従兄が亡くなってしまったので、いつまでも伏せておくわけにもいかず、とうとうその死を告げました。すると叔母は気丈に応えたそうです。しかし、その後間もなく亡くなりました。気力が尽きたのでしょう。一時はかなりの回復を見せたのですが、息子の死は生きる気力を奪ったのでしょう。

 

亡くなった従兄は従兄弟連中の中でも一番歳が近く幼い頃から親しくしていました。音楽のことなども彼から受けた影響が大きかったのです。楽しかった想い出がたくさんありました。酒もたくさん飲み交わしました。実の兄のように思っていました。叔母にも沢山可愛がってもらい、私は迷惑ばかりかけていました。

 

彼にとってのせめてもの救いは亡くなる直前に初孫が生まれ、その写真をベッドの上で見れたことでしょう。それでも息子に先立たれた叔母の気持ちを思うとなんとも計り知れない気持ちで一杯でした。

 

そして、1年近く経過してようやく自分の気持ちにも整理が付き始めた時の母子の一周忌でした。当日は生憎の雨でした。それまでのポカポカ陽気が嘘のように寒い1日でした。そして今日も嘘のように晴れ渡りました。昨日はまさに母子の涙雨だったのでしょうか?

 

そして、間もなく母の13回忌です。

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

映画『ライムライト』を観る

先日のキネ旬シアターは『ライムライト』でした。

「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム、バスター・キートンシドニーチャップリンジェラルディン・チャップリン

製作:1952年  アメリカ合衆国 1953年  日本公開

 

ユナイテッド・アーティスツ社での最後の作品で、アメリカで製作された最後の作品です。盟友のバスター・キートンも出演しています。そしてシドニーチャップリンをはじめチャップリンの子供たちも出演しています。ジェラルディン・チャップリンが子役として初めて映画に出演しました。

チャップリンは久しぶりに政治性のない映画を製作したのです。しかしアメリカでのチャップリンに対する批判は止まず、この映画の公開前にチャップリンがイギリスへ渡った直後に国外追放としたのでした。

テーマソング「テリーのテーマ」のメロディを聴けば誰も一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

 

映画のほうは、かつて一世を風靡しましたが、今は落ちぶれた老人の道化師と、自殺を図った若きバレリーナの恋愛物語です。

若きバレリーナ・テリーは足の麻痺から踊れなくなってしまっかことに悩み自殺を図りました。その彼女を老道化師のカルヴェロが偶然助けたのです。カルヴェロはかつては人気を誇った道化師でした。しかし今は落ちぶれてすさんだ生活を送っていました。

 

カルヴェロは彼女が立ち直るまで献身的に面倒を見、彼女は立ち直りバレエダンサーとして活躍し始めました。一方、カルヴェロはカムバックできずに逆にテリーに励まされる始末です。テリーはバレエの若き作曲家ネヴィルに愛を告白されますが、カルヴェロへの思いが強くテリーの方からから結婚を申し込みます。カルヴェロは歳の差や今の自分の立場から考えてありえないと一笑に付し、彼女の元から姿を消します。

 

やがてネヴィルも出征し、テリーはヨーロッパ各地で公演し絶賛されます。ネヴィルが帰国してからテリーに再び愛を告白しますが、テリーは未だにカルヴェロのことが忘れられません。そしてある日、街でカルヴェロと再会し彼を大舞台に立たせるよう段取りを組んだのです。そしてカルヴェロはその舞台に立つのですが・・・。

 

チャップリンはこの時63歳でした。映画で素顔を見せたのは初めてだそうです。この頃の63歳にしては軽妙な動きです。

この映画は日本でも人気があったようです。これまでの政治的に過激な映画とは一変して、ラブ・ストーリーになっています。

見ものはなんといっても最後の舞台でのチャップリンバスター・キートンの競演でしょう。二人の競演はこの映画が最初で最後でした。

 

 

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それでは今日はこの辺で。

 

ウォルター・トラウト(Walter Trout)の『Ride』を入手

ウォルター・トラウト(Walter Trout)の最新盤『Ride』をゲットしました。

 

『Ordinary Madness』以来、約2年ぶりのアルバムです。彼も72歳になりました。一時期は肝硬変により肝移植をして生死が危ぶまれましたが、その後回復してアルバムを出し続けています。恐れ入ります。

1960年代後半ばからブルース界で活躍し、一時はジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズやキャンド・ヒートにも在籍しました。

その後は自身のグループで第1線で活躍し続けています。

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Ride

 

01.Ghosts

02.Ride

03.Follow You Back Home

04.So Many Sad Goodbyes

05.High Is Low

06.Waiting For The Dawn

07.Better Days Ahead

08.Better Days Ahead

09.I Worry Too Much

10.Leave It All Behind

11.Hey Mama

12.Destiny

 

レコーディング・メンバー

Lead Vocals, Guitar - Walter Trout

Bass - Jamie Hunting

Drums - Michael Leasure

Keyboards - Teddy Andreadis

Rhythm Guitar - Anthony Grisham

Violin, Viola - Eric Gorfain

Backing Vocals - Thomas Ross Johansen

Backing Vocals - Eric Corne

 

Producer - Eric Corne

 

全く衰えを見せません。得意のマイナー・ブルースも健在です。サザン・ロック風なカントリー・ロックも聴けます。06など聴いていたら涙が出てきます。

頑なにブルース・ロックをやっている人が少なくなってきている昨今で貴重な存在です。何故か日本では全く人気が無く、CDも発売されたことは無いんじゃないでしょうか。嘆かわしい!

まだまだ頑張ってほしいミュージシャンです。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ 陽水の『風のエレジー』

今日の「聴き比べ」は井上陽水『風のエレジーです。

 

1981年発売のシングルです。アルバムは『あやしい夜をまって』に収録されました。陽水さんに関してはこれまでにもたくさん聴き比べましたが、この曲を忘れていました。

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この曲はテレビドラマの主題歌だったと思うのですが、そのタイトルがどうしても思い出せません。

作詞は阿木燿子さんです。大好きな曲でよく口ずさんでいました。

 

風のエレジー

作詞:阿木燿子

作曲:井上陽水

 

ヒュルル ヒュルルー

ヒュルル ヒュルルー

ヒュル ヒュルルー…

 

つなぎとめたいお方がいても

私の足にも重たい鎖

動くことすらままならない

風に想いをたくすだけ

 

ヒュルル ヒュルルー

ヒュルル ヒュルルー

ヒュル ヒュルルー…

 

飛んでゆきたい故郷あれど

私の翼は悲しみのため

力も尽きてただいたずらに

空をかすめて落ちるだけ

 

ヒュルル ヒュルルー

ヒュルル ヒュルルー

ヒュル ヒュルルー…

 

もう一度会いたいお方の為に

私が見つけた路傍の花は

その色ゆえに心にしみる

この世に咲いた赤い花

 

真紅の恋の花 ヒュル ヒュルルー…

風の中で揺れる花 ヒュル ヒュルルー…

 

ヒュルル ヒュルルー

ヒュルル ヒュルルー

ヒュル ヒュルルー…

 

ヒュルル ヒュルルー

ヒュルル ヒュルルー

ヒュル ヒュルルー…

 

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なぜか森進一さん。

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それでは今日はこの辺で。

 

映画『ラーゲリより愛を込めて』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターはラーゲリより愛を込めて』でした。

 

原作:辺見じゅん『収容所から来た遺書』

監督:瀬々敬久

出演:二宮和也北川景子松坂桃李、寺尾聡、安田顕

製作:2022年  日本

 

第二次世界大戦後、シベリアに抑留され、強制収容所ラーゲリ)で死んだ山本幡男の遺書を彼の仲間たちが、驚くべき方法で日本に持ち帰り、遺族に届けた、という実話です。

この映画の原作は随分昔に読んだ記憶がありました。ほとんど忘れかけていましたが、この映画によって蘇りました。確かテレビドラマにもなったと記憶しています。

 

私の義父がシベリア抑留からの帰国者で、酒を飲むとよく当時の話をしていました。面白おかしく話をするので、何やら悲惨なイメージから離れてしまう瞬間もあるのですが、実態は想像を絶する状況だったのが、この本をよくとを読むと伝わってきたのです。

 

ロシアのやることは戦前も現在も変わりません。第二次世界大戦下の日ソ中立条約の一方的破棄、そして捕虜のシベリア抑留、強制労働。

現在、ウクライナへの一方的な侵攻、捕虜や一般住民の強制連行、そして強制労働。まるで現在の映画を観ているような気になりました。

最初から最後まで涙が止まりませんでした。観客も皆ハンカチで目頭を押さえていました。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

映画『殺人狂時代』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターは『殺人狂時代』でした。

またまた「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

原案・オーソン・ウェルズ

出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、イソベル・エルソム

製作:1947年  アメリカ合衆国、1952年  日本公開

 

前作『独裁者』から7年を経て公開されたチャップリンユナイテッド・アーティスツ社での7作目です。

この映画はこれまでのドタバタ喜劇とはちょっと変わって、ブラックでしかもシリアスな内容となっています。チャップリンもこれまでの善人役から悪人役に変身しています。

 

内容はチャップリン演ずる銀行をリストラされた銀行員が家族を養うために殺人に手を染めていくという物語です。その銀行員は次々と裕福な中高年女性を騙し金を奪って、殺していくのです。

しかし、世界恐慌の煽りで妻子を亡くし絶望します。そしてある女性との再会から進んで逮捕され、死刑場へと向かいます。

 

この銀行員の言葉、『戦争や紛争、これは全てビジネス。1人の殺害は犯罪者を生み、100万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する。』

「1人を殺せば悪党だが、100人殺せば英雄だ」。なんとも凄いセリフです。

この映画の上映後、チャップリンアメリカを追放されました。チャップリン共産主義者として赤狩りの対象となってしまったのです。アメリカでこの映画が評価されるようになったのはベトナム戦争反戦運動が盛んになってからのことでした。

 

100万人殺せば英雄、これは現代にも通ずる言葉です。現にロシアのプーチンは英雄気取りです。

 

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それでは今日はこの辺で。