Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ デイヴ・クラーク・ファイヴ(The Dave Clark Five)の『ビコーズ(Because)』

今日の聴き比べはデイヴ・クラーク・ファイヴ(The Dave Clark Five)「ビコーズ(Because)」です。

 

1964年のデイヴ・クラーク・ファイヴの大ヒット曲です。当初は『カッコいい二人(Can't You See That She's Mine)』のB面でしたが、アメリカでA面として発売するとこれが大ヒットしました。

アルバムでは3枚目の『American Tour』に収録されました。

 

1985年にはジュリアン・レノン(Julian Lennon)がカバーしヒットしました。

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アメリカン・ツアー

アメリカン・ツアー

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Because

By Dave Clark, Mike Smith

 

It's right that I should care about you

And try to make you happy when you're blue

It's right, it's right to feel the way I do

Because, because I love you

 

It's wrong to say, "I don't think of you"

'Cause when you say these things

You know it makes me blue

 

Give me one kiss and I'll be happy

Just, just to be with you

Give me, give me a chance to be near you

Because, because I love you

 

Give me one kiss and I'll be happy

Just, just to be with you

Give me, give me a chance to be near you

Because, because I love you

 

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ジュリアン・レノン

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スプリームス(The Supremes)もカバーしています。

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それでは今日はこの辺で。

映画『風が吹くとき 日本語(吹替)版』を観る ネタバレあり

先日のキネ旬シアターは風が吹くとき 日本語(吹替)版』でした。

 

原作・脚本:レイモンド・ブリッグズ

監督:ジミー・T・ムラカミ

音楽:ロジャー・ウォーターズピンク・フロイド

主題歌:デヴィッド・ボウイ「When The Wind Blows」

日本語吹替版

監督:大島渚

声の出演:森繫久彌、加藤治子

 

この映画の原作はレイモンド・ブリッグスが1982年に発表した漫画で、1986年に映画化されました。

日本では1987年に一部の映画館や公共施設で公開されました。日本語版は大島渚が監修し、主人公の声を森繁久彌加藤治子が吹き替えをしています。

音楽はロジャー・ウォーターズ、主題歌はデヴィッド・ボウイの曲です。

今年になってリバイバル公開されました。

 

物語の方は、イギリスの片田舎に住むジムとヒルダという年金暮らしのごく平凡な夫婦の話です。

二人は二度の大戦も潜り抜け、子育ても終わり、田舎に引っ越しのんびりと暮らしていました。ところがある日、東西両陣営による新たな世界戦争が勃発したというニュースがラジオから流れてきました。ジムとヒルダは政府が発行しているパンフレットに従いシェルターを作り始めます。

そして突然、ラジオで核ミサイルが3分後に飛んでくると知らされます。二人は慌ててシェルターに飛び込み、かろうじて被害を避けられましたが、爆風で家は大きな損害を受けます。瓦礫の中で二人はやはり政府の指示通りに狭いシェルターで暮らし始めます。外に出ては風に吹かれ、雨に打たれます。しかし、まだまだ希望は捨てていません。

二人は政府の救出を信じながら日常生活を送りますが、二人とも被爆しており、次第に衰弱してゆきます。食料も水も尽きてどん底の生活になってゆきますが、それでも二人は救出を信じ続け待ち続けます。ジムはヒルダを元気づけようと祈りを捧げますが、上手く言葉を思い出せず、ヒルダはうんざりしながらお祈りを止めてと言いますが、ジムは続けます。しかし、ジムの声は次第に弱くなり、ヒルダも優しくもういいのよ、と言うのです。そしてスクリーンは真っ暗になり二人の死を暗示させるのでした。

ショッキングな映画でした。政府の言う事を100%信じるジム。役に立ちそうもないシェルターもせっせと作り、必ず救出に来てくれると頑なに信じています。

ロシアと連合国による第三次世界大戦の勃発です。ロシアは核ミサイルを発射します。しかし老夫婦は政府が守ってくれると信じてやみません。放射能被害の現実も知らされていません。したがって体の不調の原因もわかりません。国民を見捨てる国家。歴史は繰り返します。なんとも哀れで、腹が立ってなりません。

 

この映画、絵空事ではありません。というより、より現実感が湧いてきます。映画公開時は冷戦が続いていましたが、現在の世界状況も冷戦時に近い状況になりつつあります。世界中が保守的になり右傾化し、核の使用をちらつかせ世界を恐怖に落とし入れています。

 

恥ずかしながら、この映画の存在を知りませんでした。35年たった今でも、まるでままもなく世界戦争が起こるかもしれないという恐怖を感じてしまいました。アニメだからこそ描ける原爆の惨状。今になってリバイバル上映の理由もこのあたりにあるのではないでしょうか。



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それでは今日はこの辺で。

トランプルド・アンダー・フット(Trampled Under Foot)/『Wrong Side of the Blues』入手

先日紹介したトランプルド・アンダー・フット(Trampled Under Foot)にノックアウトされ、早速彼らの2011年の4枚目のアルバム『Wrong Side of the Blues』を入手しました。

 

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このアルバムは『Badlands』の前の作品になります。こちらも完璧にブルースロックです。どうしてこんなにいいバンドが解散してしまうのでしょうか。

このアルバムにもマイク・フィニガンがゲスト参加しています。

ここでもダニエルのヴォーカルが光ります。バラードもいいです。

これ以前のアルバムも欲しいのですがAMAZONでも品切れみたいです。このアルバムも私が購入して、その後は入手不可になりました。残念です。その内出てくるかもしれません。それまで待ちましょう。あとはダニエルのソロ・アルバムを買いましょう。

Wrong Side of the Blues

Wrong Side of the Blues

  • Tuf Records/VizzTone
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Wrong Side of the Blues

01.Get It Straight

02.Bad Woman Blues

03.Wrong Side of the Blues

04.She's Long, She's Tall, She's Gone

05.Goodbye

06.Heart on the Line

07.The Fool

08.Have a Real Good Time

09.Just Tell Yourself

10.Evil Train

11.It Would Be Nice

12.The Better Life

 

メンバーは

Bass, Vocals – Danielle Schnebelen

Drums, Vocals – Kris Schnebelen

Guitar, Vocals – Nick Schnebelen

 

Keyboards – Mike Finnigan (tracks 5, 7, 8, 9, 11, 12)

Harmonica – Kim Wilson (tracks 4)

Guitar  – Johnny Lee Schell(track10)

Producer  – Tony Braunagel

 

曲は01~06、08、12がプロデューサーのTony Braunagel。

07がニック・シュネーベレン

09がダニエル・(ニコル)シュネーベレン

10、11がボブ・シュネーベレン(3人の父親)。

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それでは今日はこの辺で。

 

 

 

映画『九十歳。何がめでたい』を観る

先日のキネ旬シアターは『九十歳。何がめでたい』でした。

 

監督:前田哲

脚本:大島里美

出演:草笛光子唐沢寿明清水ミチコ三谷幸喜

制作:2024年  日本

 

直木賞作家・佐藤愛子の同名エッセイの映画化作品です。

100歳現役作家を90歳女優が演じる痛快コメディ。

 

数々の文学賞を受賞した佐藤藍子は断筆宣言をし執筆活動を止め、新聞やテレビをボーっと見ながら鬱々とした日々を送っています。同じ家に住む娘や孫には彼女の気持ちは伝わりません。

 

その同じ頃、大手出版社の編集者・吉川は昭和オヤジのパワハラ・セクハラ問題で謹慎処分になって、これまた悶々とした日々を送っています。そんなある日、吉川の編集部で佐藤藍子の連載エッセイの噺が持ち上がります。そして愛子を説得する役に吉川が選ばれました。

 

吉川は何度も通って愛子を説得しますが、愛子は頑なに断ります。しかし吉川のしつこさに折れて、渋々引き受けることになりました。引き受けたものの中々筆が進みません。そして、やけくそになって世の中に対する不満を書き綴るのでした。ところがこのエッセイが評判を呼び、愛子と吉川の人生は大きく変わっていくのですが・・・。

 

佐藤愛子さん、今年100歳になったそうです。昔々、北杜夫遠藤周作と一緒に面白い話をたくさん聞かせてくれたのを思い出します。二人ともすでにこの世にはいませんが、佐藤愛子さんは今でも書き続けています。このエネルギーはどこから来るのでしょう。いつまでもお元気で!


草笛光子さん、昨年90歳になりました。相変わらず元気いっぱいで驚きです。彼女の映画はこれまでもたくさん見せてもらいました。とてもおきれいな方でした。まだまだ映画やテレビでがんばってください。

二人とも旭日小綬章受章者でした。


映画館は老婦人でいっぱいでした。何やら敬老会の催しに迷い込んだような錯覚を起こしました。と言う、自分も敬老会の仲間のようなものですが・・・(笑)。

 

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それでは今日はこの辺で。

聴き比べ 拓郎とムッシュの『シンシア』

今日の「聴き比べ」はよしだたくろうかまやつひろし『シンシア』です。

 

「シンシア」とは『17才』でデビューしたアイドル南沙織ちゃんのことです。吉田拓郎さんがラジオから流れてきた彼女の『早春の港』を聴いて感動し、アンサーソングとして作ったのこの曲だと言われています。

この頃親交のあったムッシュことかまやつひろしさんがどうしても拓郎さんと競演したいということで出来上がったこの曲を一緒に歌うことになったようです。発表は1974年でした。

 

南沙織さんは1978年、24歳で突然引退。翌年には篠山紀信と結婚。驚きましたね。篠山紀信が亡くなって彼女はどうしているのやら。

 

 

シンシア

作詞:吉田拓郎

作曲:吉田拓郎

 

なつかしい人や町をたずねて

汽車を降りてみても

目に写るものは 時の流れだけ

心がくだけて行く

 

帰って行く場所も無いのなら

行きずりのふれ合いで

なぐさめ合うのもいいさ

 

シンシア そんな時 シンシア 君の声が

戻っておいでよと 唄ってる

 

君の部屋のカーテンやカーペットは

色あせてはいないかい

 

人ごみにかくれて 肩をすぼめて

自分を見つめた時

過ぎ去った夢がくずれ落ちる

長い夜が終わる

 

夜空は町に落ち

人々が笑いながら通りすぎる

あの日と同じ所を

 

シンシア そんな時 シンシア 君の声が

戻っておいでよと 唄ってる

 

君の部屋に僕一人居てもいいかい

朝を待つのがこわいから

 

シンシア 帰る場所も シンシア 無いのなら

シンシア 君のうでで シンシア 眠りたい

シンシア オー シンシア 君の部屋へ

シンシア オー

 

よしだたくろうかまやつひろし

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拓郎さんのライブ

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ムッシュのライブ

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ライブ

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南沙織さんの『早春の港』

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それでは今日はこの辺で。

 

ブルース・ピルズ(Blues Pills)/『Holy Moly!』入手

ブルース・ピルズ(Blues Pills)の今のところの最新盤『Holy Moly!』を入手しました。

 

2020年のリリースでスタジオアルバムとしては前作『Lady In Gold』から4年ぶりとなります。2014年にファースト・アルバムをリリースしてこれが3枚目ですからかなり寡作なバンドです。

今作からベースでクリストファー・スシャンダー(Kristoffer Schander)が参加し、ザック・アンダーソン(Zack Anderson)はギターに専念しています。ジャニス・ジョプリンばりのヴォーカル、エリン・ラーソン(Elin Larsson)がとにかくカッコいい!特にバラード風の曲で顕著です。

今回のアルバムはこれまでの2作に比べると、より一昔前のアヴァンギャルドなハードロックになったような感じがします。いずれにしても新しい形のブルース・ハードロック・バンドです。

日本盤にはEP盤が付属していたようですが、今回購入したのは外国盤でししたのでついていませんでした。残念でした。

 

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Holy Moly!

Holy Moly!

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Holy Moly!

01.Proud Woman

02.Low Road

03.Dreaming My Life Away

04.California

05.Rhythm In The Blood

06.Dust

07.Kiss My Past Goodbye

08.Wish I'd Known

09.Bye Bye Birdy

10.Song From A Mourning Dove

11.Longest Lasting Friend

 

メンバーは

Elin Larsson – vocals

Zack Anderson – bass, guitar

André Kvarnström – drums

Kristoffer Schander – bass

 

Producer – André Kvarnström, Elin Larsson , Zack Anderson

 

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それでは今日はこの辺で。

 

 

映画『あんのこと』を観る ネタバレあり

先日のキネ旬シアターは『あんのこと』でした。

 

監督・脚本:入江悠

出演:河合優実、佐藤二朗稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子

製作:2024年  日本

 

2020年6月の新聞に実際に掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て、実話を元に映画化された作品だそうです。

 

主人公となる女性・香川杏は母子家庭に生まれ、幼いころから母親に壮絶な虐待を受け、小学校で不登校、12歳で売春を強要され、薬物依存症になった21歳の女性です。当時は東京のボロ団地のゴミ屋敷に住み、ホステスの母親と足の不自由な祖母と暮らしていました。

 

2018年秋のある日、杏は薬物の容疑で逮捕され、取り調べの刑事の多々羅と知り合います。多々良は杏に生活保護や多々良が主催する更生自助グループを紹介します。それまで大人を信用していなかった杏は次第に心を開いてゆきます。紹介されたシェルターに入居し、小さな老人ホームで仕事も初め、夜間中学にも通い始めます。仕事を紹介してくれたのは自助グループを3年前から取材する雑誌記者の桐野でした。

 

しかし、2020年の新型コロナウィルスで非正規雇用だった杏は解雇され、夜間中学も休校となってしまいました。さらに、多々羅が逮捕されます。理由は自助グループの女性に性的関係を強いたという容疑でした。その原因となる記事を書いたのが桐野でした。桐野は多々羅の様子をずっと伺っていたのです。2人を失った杏は再び希望をなくしてゆきます。

 

そんなある日、シェルターの隣人である三隈沙良が訪ねてきます。沙良は幼い息子・隼人を強引に預け、失踪してしまいます。杏は止む無く隼人と暮らすことになり、困惑しますが、やがて隼人の世話をするうちに愛情が生まれ、生きがいとなっていくのです。

 

ところが、母親が杏の居所を突き止め訪ねてきます。母親は隼人と共に団地に連れ帰ります。そして再び売春を強要します。クタクタになって家に戻ると隼人の姿がありません。杏はパニックになり、母親に問いただすと児童相談所が連れていったという。杏は母親に包丁を向けますが祖母に制されます。シェルターに戻った杏は覚せい剤を打ち、ベランダから飛び降り自殺を図るのでした。記者の桐野は「自分があんな記事を書かなければ杏ちゃんが死ぬことはなかった」と呟くのでした。

 

とてもとてもショッキングな映画でした。こんな悲惨な人生もあるんだ、そして世の中にはこんな毒親が存在するんだ、という現実を突きつけられました。暴力による虐待、覚醒剤を打つ、売春を強要する、とてもじゃないが考えられません。

しかし、ある人物達との出会いによって娘は更生してゆきます。根は素直な娘だったのでしょう。年寄りには優しく、幼い子供にも愛情を注ぎます。しかし、それも長くは続きませんでした。信頼した人物に去られ、見つけた生きがいからも引き離され、全く希望を失った娘は死を選ぶしかなかったのでしょう。

 

この新聞記事は記憶にないところを見ると多分読んでいないのでしょう。どのような記事だったのかはわかりませんが、ドキュメンタリー風の映像にすることによって、よりリアルになったのではないかと思います。

 

やさぐれ刑事の多々羅は性的加害で逮捕されますが、杏への気持ちに偽りはなかったと信じたいです。多々羅役の佐藤二朗と主役の河合優実の演技が見事でした。

 

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それでは今日はこの辺で。