先日のキネ旬シアターは『ビヨンド・ユートピア 脱北』でした。
監督:マドレーヌ・ギャヴィン
製作:2023年 アメリカ合衆国 2024年 日本公開
北朝鮮から韓国に亡命しようとする家族と、彼らに協力する人々に密着したドキュメンタリー映画です。
韓国で脱北者を支援する牧師のキム・ソンウンはこれまでに1000人以上の脱北者を支援してきました。その彼の今度の使命は自分は韓国に住み、17歳の息子を脱北させるという母親の依頼、そしてもう一つは幼い子供2人と80台の老人を含む5人家族を一度に脱北させるという危険な仕事でした。
キム牧師は各地に潜む支援者50人ものブローカーと連携し、中国、ベトナム、ラオスを経由して韓国を目指すという決死の脱出作戦が開始されます・・・。
17歳の息子の脱北は失敗します。そしてもう一組の家族は中国からベトナム、そしてラオスのジャングルを通過して無事にタイに入国し、韓国へと移送されました。
北朝鮮の実態や脱北のことは何冊かの書籍を読んである程度の知識はありましたが、映像で見るとその過酷さが伝わってきます。この映像はブローカーのカメラで撮影隊が同行したわけではありません。スマホの映像もありました。それらがかえって迫力のある映像になっています。
脱北した人たちのインタビューでは一様にできるのなら故郷に居たかった。故郷が大好きだと述べています。その彼らに故郷を捨てる決意をさせる政治とは一体なんだろう、との疑問が湧きます。彼らの生活は経済的には勿論どん底、思想的には抑圧され、拘束されれば拷問。その映像も衝撃的です。
北朝鮮の解放はいつになるのでしょうか?
それでは今日はこの辺で。