Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『チャップリン・レヴュー』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターはチャップリン・レヴュー』でした。

チャップリンの没後45周年を記念して「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」がKADOKAWAの提供で開催されました。

チャップリンの代表作が上映されます。代表的な長編作品に加えて、短編映画が何作か上映されるようです。『チャップリン・レヴュー』はその中の一つで、3本の作品がまとめて上映されました。

『犬の生活』『担え銃』『偽牧師』の3本です。

いずれも1918年から23年までのファースト・ナショナル社時代の作品です。

 

チャップリンと言えば『街の灯』や『モダン・タイムス』『独裁者』『殺人狂時代』などの長編映画が有名ですが、その以前の短編映画がとっても面白いのです。

私の子供時代にテレビでよくチャップリンの短編映画が放送されていました。それを見ながら大笑いしたことをよく憶えています。もちろん子供ですから、映画の深い意味やタイトルなどは憶えていませんが、サイレント映画ですから、その動きを見ているだけで楽しくなります。

やがて、チャップリン映画は短編映画から長編映画へと、そしてサイレントからトーキーへと変わり、そして内容も政治的な指向へと変わっていきました。時代は第1次世界大戦から第2次世界大戦へ、ファシズムの台頭、こうした時代背景の中でチャップリンは危機感を感じ戦争へと突き進む政治や資本主義を映画の中で強烈に批判しました。結果、チャップリン共産主義者呼ばわりされ、アメリカを追放され、スイス移住を余儀なくされました。

1960年代になるとチャップリン映画はアメリカでも見直され、高い評価が与えられるようになり、数々の映画賞を受賞しました。1977年、脳卒中で亡くなりました。88歳でした。日本にも4度の来日を果たしました。

 

そんなチャップリンが1959年に自身の映画の所有権を獲得し、再上映することを試みました。その一環として3本の短編をまとめて『チャップリン・レヴュー』として再編成し上映したのです。自身のナレーションや作曲した音楽も新たに追加したのです。但し、これはサイレント時代と動きが変わったため、あまり評判がよくなかったようです。

『犬の生活』は貧乏人の放浪者・チャップリンがいじめられている犬を助け、売れない歌手と幸せに暮らす、というお話。

『担え銃』は新兵のチャップリンが巻き起こす騒動。早くも戦争批判。

『偽牧師』は脱獄囚のチャップリンが牧師の服を盗んで着替えたことから、思わぬ展開に。

 

どの作品もチャップリンの動きに思わず笑ってしまいます。そして風刺もよく効いています。

 

チャップリンサイレント映画が劇場で観られたことはラッキーでしたが、観客は僅かに3人でした。寂しい!

 

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それでは今日はこの辺で。