先日のキネ旬シアターは『わるい仲間/サンタクロースの眼は青い』でした。
『わるい仲間』
監督:ジャン・ユスターシュ
出演:アリスティド・ドメニコ、ダニエル・バール、ドミニク・ジャイール
製作:1963年 フランス
『サンタクロースの眼は青い』
監督:ジャン・ユスターシュ
出演:ジャン=ピエール・レオ、ジェラール・ツェメルマン、ルネ・ジルソン
製作:1966年 フランス
「ジャン・ユスターシュ映画祭」と銘打って上映された2作品です。
ジャン・ユスターシュはご存じの通り、ポスト・ヌーヴェルヴァーグの旗手として騒がれた監督です。ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリフフォーなどからも熱狂的な指示があり、将来を嘱望されていましたが、1981年、僅か42歳でピストル自殺を図り亡くなりました。
彼の代表作『ママと娼婦』が4kリマスターでパリやニューヨークで上映されると、再評価され他の作品もまとめて上映されることになったようです。
ジャン・ユスターシュは長編映画は僅か2本でその他は短・中編です。そしてその他にドキュメンタリー作品が2本。これだけの作品なのですが、その短い生涯における奇行や破滅的な最期が合わさってこれだけの人気監督になっているのでしょう。
『わるい仲間』
パリの街をうろつく、品位に欠けた若者2人組。やがてある女性と知り合ったものの口説くことに失敗し、腹いせに彼女の財布を盗んでしまう。彼らは逃げ、戦利品を折半します。そして再び悪行を繰り返そうとパリの街へ出かけるのです。
『サンタクロースの眼は青い』
ゴダールが映画『男性・女性』で使わなかったフィルムを提供して出来上がった作品。
定職を持たないダニエルはダッフルコートが欲しくなり、街角でサンタクロースの恰好をして写真を撮影される仕事を引き受けます。するとこの恰好が女の子をナンパするのに都合がよいことに気がつくのです。
両作品とも女の子をナンパすることしか考えていないパリの若者たちの行動をドキュメンタリー・タッチで描いた作品です。
これらの作品を観るのは初めてでしたが、映像を観ているだけで高校・大学生時代に夢中で名画座の古いヨーロッパ映画を観漁っていた頃を思い出しました。この映像の美しさは、まさに60年代フランス映画、とくにヌーヴェル・ヴァーグそのものと言えるのではないでしょうか。懐かしさがこみ上げてきました。
フランス映画にはタバコがよく似合います。
それでは今日はこの辺で。