先日のキネ旬シアターは『ライムライト』でした。
「フォーエバー・チャップリン~チャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。
監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム、バスター・キートン、シドニー・チャップリン、ジェラルディン・チャップリン
製作:1952年 アメリカ合衆国 1953年 日本公開
ユナイテッド・アーティスツ社での最後の作品で、アメリカで製作された最後の作品です。盟友のバスター・キートンも出演しています。そしてシドニー・チャップリンをはじめチャップリンの子供たちも出演しています。ジェラルディン・チャップリンが子役として初めて映画に出演しました。
チャップリンは久しぶりに政治性のない映画を製作したのです。しかしアメリカでのチャップリンに対する批判は止まず、この映画の公開前にチャップリンがイギリスへ渡った直後に国外追放としたのでした。
テーマソング「テリーのテーマ」のメロディを聴けば誰も一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
映画のほうは、かつて一世を風靡しましたが、今は落ちぶれた老人の道化師と、自殺を図った若きバレリーナの恋愛物語です。
若きバレリーナ・テリーは足の麻痺から踊れなくなってしまっかことに悩み自殺を図りました。その彼女を老道化師のカルヴェロが偶然助けたのです。カルヴェロはかつては人気を誇った道化師でした。しかし今は落ちぶれてすさんだ生活を送っていました。
カルヴェロは彼女が立ち直るまで献身的に面倒を見、彼女は立ち直りバレエダンサーとして活躍し始めました。一方、カルヴェロはカムバックできずに逆にテリーに励まされる始末です。テリーはバレエの若き作曲家ネヴィルに愛を告白されますが、カルヴェロへの思いが強くテリーの方からから結婚を申し込みます。カルヴェロは歳の差や今の自分の立場から考えてありえないと一笑に付し、彼女の元から姿を消します。
やがてネヴィルも出征し、テリーはヨーロッパ各地で公演し絶賛されます。ネヴィルが帰国してからテリーに再び愛を告白しますが、テリーは未だにカルヴェロのことが忘れられません。そしてある日、街でカルヴェロと再会し彼を大舞台に立たせるよう段取りを組んだのです。そしてカルヴェロはその舞台に立つのですが・・・。
チャップリンはこの時63歳でした。映画で素顔を見せたのは初めてだそうです。この頃の63歳にしては軽妙な動きです。
この映画は日本でも人気があったようです。これまでの政治的に過激な映画とは一変して、ラブ・ストーリーになっています。
見ものはなんといっても最後の舞台でのチャップリンとバスター・キートンの競演でしょう。二人の競演はこの映画が最初で最後でした。
それでは今日はこの辺で。