Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画 『満天の星』を観る

先日のキネ旬シアターは『満天の星』でした。

監督:星葦澤恒、寿大聡

出演:寿大聡、中島高男、平良啓子、仲田清一郎

製作:2024  日本

 

太平洋戦争下の1944年、784人の子供たちが命を落とした対馬丸事件を追ったドキュメンタリーです。

1944年、子供たちを乗せた沖縄からの疎開船『対馬丸』はアメリカに撃沈され、一夜にして乗船者1484人、内784人の子供たちが命を落としました。当時この事件は箝口令が敷かれ長い間闇に包まれていました。

ところが当時甲板員だった中島高男は7名を救助し生還を果たしました。しかし、厳しい情報統制を受け苦しみ続けました。そんな中島高男を祖父にもつ俳優の寿大聡が祖父の死をきっかけにその足跡を辿っていきます。


映画は生存者たちによってその悲惨な状況が語られていきます。監督の寿大聡は祖父の遺志を引き継ぎ対馬丸の悲劇を忘れ去られないよう語り継がなければと思うようになり、その方法を考えた末、自身が俳優であることから祖父になりきることを思い付き、祖父の語る姿を真似て語りを始めるのです。

 

戦争において民間人を狙った攻撃は当然ながら戦争犯罪に該当するはずです。アメリカによる原爆投下、各地への無差別爆撃、そしてこの対馬丸事件も人道に対する犯罪に該当するでしょう。しかし、現実はそうはなりませんでした。戦勝国は罪を問われないのです。

ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ爆撃、いずれも多数の民間人、子供たちが犠牲になっています。ガザはまさにジェノサイドです。しかし、何のおとがめもありません。国連の存立意義はなんなのか?、こんな不条理が世の中には存在するのです。

 

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それでは今日はこの辺で。