Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『マルティネス』を観る

先日のキネ旬シアターは『マルティネス』でした。

監督・脚本:ロレーナ・パディージャ

出演フランシスコ・レジェス 、ウンベルト・ブスブスト マルタ・クラウディア・モレノ

製作:メキシコ合衆国

 

老いと孤独をユーモアで描いたメキシコ人の女性監督の異彩を放つデビュー作、とのことです。

メキシコ映画を観るのは『アンダルシアの犬』や『忘れられた人々』で有名なルイス・ブニュエル監督がメキシコ時代に撮ったいくつかの作品を学生時代に名画座で観て以来のことだと思います。それ以後は記憶にありません。

 

メキシコで暮らすチリ人のマルティネスは偏屈で人間嫌いの60歳の男。会計事務所に勤め、決して日々のルーティーンは崩しません。しかし、ある日マルティネスは人事部から雇用契約の終了を言い渡されます。そして後任者のパブロが赴任してきました。


マルティネスは契約終了に納得できず雇用延長を申し出、検討するとの返事をもらいます。人事部からは後任のパブロの勤務状況を聞かれますが、マルティネスは「彼は無能力だ」と答えてしまいます。


同じ頃、アパートの階下の住人アマリアが孤独死をしていたことが判明します。彼女とは近所付き合いもなかったのですが、彼女の遺品からマルティネスへのプレゼントがあったことがわかり、彼は彼女の処分されそうになっている遺品をすべて持ち帰り、彼女が集めたアクセサリーや装飾品を自分の部屋に飾りだし、写真や手紙、日記などを通して彼女の行動を真似したりして、次第に彼女への想いを募らせていくのです。


マルティネスはアマリアへの想いを募らせると共に回りの人たちへの態度も変わって来ました。特に後任のパブロに対しては友情を感じ始めます。そんな時に人事部から呼び出され雇用延長が承認されました。代わりにパブロは解雇することになりますが、マルティネスは何も言えませんでした。


パブロは解雇になったことをマルティネスに告げ、今までありがとうと感謝の気持ちと、田舎に帰るので遊びに来てくれと伝え去っていくのでした。

しばらくして、マルティネスの姿はパブロの田舎にありました。会社は辞めていました。そしてパブロに「これからの人生は旅行だ」と言って旅に出るのでした。


マルティネスは朝起きると腕立て伏せをして、同じ時間に出勤。休みの日はプール。ほんとに規則正しい生活を送っています。そして人との会話はほとんどありません。いつも独りです。そんな彼が話をしたこともない女性からのプレゼントで人生観が変わっていく。ありでしょうか?うーん、唸ってしまいます。

いや、マルティネスは自分の型にはまった生活や性格に比べ自由奔放なアマリアやパブロの行動を目の当たりにして、自分の型通りの生活を変えてみたくなったのでしょうね。

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それでは今日はこの辺で。