Flying Skynyrdのブログ

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映画『プラハの春 不屈のラジオ報道』を観る

先日のキネ旬シアターはプラハの春 不屈のラジオ報道』でした。

監督・脚本:イジー・マードル

出演:ヴォイチェフ・ヴォドホツキー スタニスラフ・マイエル タチアナ・パウホーフォヴァー オンドジェ・ストゥプカ

製作:2024年  チェコスロバキア 2025年  日本公開

 

1968年、チェコスロバキアで起こった民主化運動『プラハの春』で市民に真実を伝えようとしたラジオ局員たちの行動を伝えた、実話に基づいたドラマです。

 

チェコスロバキアの中央通信局に技術者として勤務するトマーシュは亡き両親に代わって弟のパーヤの面倒を見ています。ある日トマーシュは上司に呼び出され国営ラジオ局の国際報道部への異動を命じられます。それは学生運動に参加している弟を見逃す代わりに自由な報道を目指しているため、国家保安部に目をつけられている国際報道部の監視をするためでした。スパイとしての派遣です。


トマーシュは命令に従いますが、徐々に報道部で働く仲間達の真実を伝えようとする情熱に打たれ、弟の安全との間で気持ちが揺れ動きます。そんな中、国民の社会民主化運動は高まり、ついにラジオ曲も言論の自由を勝ち取ることができたのです。いわゆる『プラハの春』の到来です。


しかし、これをソ連が黙って見過ごすはずがありません。ついにソ連ワルシャワ条約機構チェコスロバキアに攻め込みます。あっという間にプラハは占領され民主化は潰えるかに見えたその時に、ラジオ局のメンバーの捨て身の活躍が始まり、国民に真実を伝えようとするのですが・・・。

兄と弟のヒューマンドラマという一面もありますが、なんといっても国民の民主化運動の盛り上がりと、政権とラジオ局上層部の圧力にもめげず真実を伝えようとする局員達の奮闘に心が揺さぶられます。ソ連侵攻後の緊迫感も見所です。


プラハの春』は私がまだ中学生の頃の出来事でしたので、まだその意味もよく理解出来ていませんでした。しかしながら、世の中が何か動き出したなという感覚があったことを覚えています。

この出来事は民主主義の波及を恐れるソ連の軍事介入という形で終焉を迎えますが、その影響はやがて東欧の民主化に繋がり、フランスの五月革命、日本でも東大闘争など学生運動の激化、そしてソ連の崩壊、アジアの『ソウルの春』や中国の『天安門事件』、中東・北アフリカの『アラブの春』へと繋がっていったのです。当時の歌の世界でも関西フォークを中心としたプロテストソングが世間を席巻しました。その歴史を辿ることでこの『プラハの春』の意味がよく分かってくるのです。

 

現在もアメリカを中心として世界中で独裁政治が蠢きだしています。独裁国家が民主主義国家を上回ったというニュースもあります。今の日本も何やらきな臭い空気が流れています。この動きに対し、マスコミの対応は如何に?忖度報道で戦前の過ちを繰り返さないよう、願いうばかりです。

この映画のような報道機関を期待するのは酷でしょうね。

 

追伸 アメリカが民主国家だなんて日本人が勝手に描いた幻想だったのでしょう。

 

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それでは今日はこの辺で。