Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『暗い日曜日』を観る 付・訃報ミレーユ・ダルク

昨日の自宅シアターは『暗い日曜日』でした。

 

その前に、本日、フランスの女優ミレーユ・ダルクの訃報が入りました。

長年アラン・ドロンの恋人として知られていました。ゴダールの『ウィークエンド』

アラン・ドロンの『ジェフ』『ボルサリーノ』『愛人関係』にも出演していました。79歳でした。

ご冥福をお祈りします。

 

それでは、

監督:ロルフ・シューベル

主演:エリカ・マロジャーン、ヨアヒム・クロール、ステファノ・ディオニジ、ベン・   ベッカー

2002年公開(日本)ドイツ・ハンガリー制作

 

またしても、ドイツ・ナチスが絡んでくる映画でした。

舞台はハンガリー・ブタベストのレストラン・サボー。ドイツの実業家、ハンス・ヴィークが80歳の誕生日に、家族と共にレストランを訪れます。懐かしさに浸るハンスはピアニストに「暗い日曜日」をリクエストします。その演奏中、ハンスは突然苦しみだし、亡くなります。

話は一気に60年前に遡ります。恋人同士のイロナとユダヤ人のラズロ・サボーはレストランの開店を控え、ピアニストを募集します。そこに現れたのがアンドラーシュです。アンドラーシュは合格します。イロナは彼に一目ぼれします。そしてアンドラーシュも好意を抱きます。ラズロは内面は苦しみますがそれを許します。奇妙な三角関係が生まれます。

レストランの常連客にドイツ人のハンスがいました。彼もイロナに恋をしていて、ドイツに帰国するという日に、将来大実業家になる夢を語りイロナに結婚を申し込みますが、あっさりと断られます。ショックを受けたハンスは川に飛び込み自殺を図ります。危ういところでラズロに助けられ、二人に友情が生まれます。

アンドラーシュはイロナのために曲を作りました。「暗い日曜日」という、哀愁漂う、美しいメロディーを持った曲です。この曲をレストランで演奏すると、すぐ評判になりました。しかし、常連の画家は曲を聴いた後、「いい曲をありがとう」とメッセージを残し自殺してしまいます。ある日、レコード会社の重役たちが来店しているときに、この曲を聴き、是非レコード化したいと申し出ます。ラズロが交渉の末、好条件でレコード化が決定しました。レコードが発売されると、この曲を聴いた人々が次々と自殺するという評判が立ちました。アドラーシュは悩み自殺を考えます。しかし、ラズロとイロナに説得され、自殺のために用意しておいた、心臓を止める薬はラズロに預けます。

3年の月日が流れます。ドイツ・ナチスが台頭してきていました。ブタペストにもその勢力は及んできました。ドイツに帰国したハンスはナチスの隊長となって帰ってきました。ラズロも喜びました。しかし、ナチスはブタペストのユダヤ人を全員殺害する計画を持っていました。そのことを彼はイロナに話しました。ハンスは結婚しているにもかかわらず、イロナに未練がありましたから、君たちは絶対助けると約束しました。イロナはラズロに危機が迫っていることを話し、ラズロは店の名義をイロナに変えて、危機を凌ごうとします。ラズロは国を出ることを考え、ハンスに出国許可証を依頼しました。ハンスは了解する代わりに、ユダヤ人を助けるためには金が要ると、賄賂を要求します。こうしてハンスは私腹を肥やし、国に送金してました。

 ある日ハンスが店に来て、アンドラーシュに「暗い日曜日」を演奏しろと強要します。アンドラーシュは弾きません。いらつくアンドラーシュ。たまらずイロナが「私のために弾いて」とかれがこの曲のために作詞した歌をイロナが歌い始めました。合わせるアンドラーシュ。演奏が終わった直後、ハンスの銃を使ってアンドラーシュは自殺してしまいます。

哀しみに暮れるイロナとラズロ。そうした中、ラズロにナチスの手が伸びます。ラズロは逃げ、遺書を残して自殺を決心します。が、寸前で捕まってしまいます。連行されるラズロを見て、イロナはハンスのもとに駆け付け、助けてほしいと懇願します。彼は了解しますが、体を求められます。応じたイロナ。しかし、ラズロは助からず収容所送りになってしまいます。レストランに戻ったイロナは彼の遺書を発見します。そこには「アンドラーシュの『暗い日曜日』に込めた思いが、わかった。それは人間の尊厳を捨ててまで生きていてもしょうがない、ということだ」と書かれてありました。

時はたち、アンドラーシュの墓の前で、彼女は誓います。腹には子供が宿っていました。

現在に戻ります。レストランはイロナの長男が経営しています。そして、ハンスはラズロが残したアンドラーシュの自殺のための薬で毒殺されたのです。遺体が運ばれて、報道関係者も去った後、長男は店の奥で洗い物をする母親に、二つのワイングラスを持って「誕生日おめでとう」と長い長い復讐を祝福します。

 

暗い日曜日」という曲は1933年、ハンガリーで発表された歌で、作曲はシェレッシュ・レジェー、作詞はヤーヴォル・ラースローです。

曲を聴いて自殺するというのは都市伝説らしいですが、アメリカでは実際に一時放送禁止にされたそうです。

 

ラズロという男は実に寛容な男ですね。だからアンドラーシュにもハンスにも友情が生まれるのでしょう。ハンスは許せない人物ですが。しかし、戦後ハンスは大実業家の顔の他にユダヤ人を救った人道家として褒めたたえる報道がなされるシーンがあり、その本心は分かりませんが、戦後の著名人にも戦時中何をやってきたかわからない人物はたくさんいるのでしょう。

 

一つ疑問点が残りました。イロナの長男は誰の子なのでしょうか、ということです。素直に考えれば、ラズロ。ひねくれて考えるとハンス。時期的にアンドラーシュはなさそうです。

 

全く予備知識なしで観ましたが、十分に楽しめました。

 

 

それでは今日はこの辺で。

 

懐かしのメロディー 「海外ポップス」編 2

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今日は、昨日に引き続き懐かしのメロディー「海外ポップス」編の2回目です。前回同様、1人1曲です。難しいですが、10曲に絞ります。

なお動画がパソコンでは見られますが、スマホ等で見られない場合があるようです。その場合はそのまま「YouTubeで見る」をを押していただければ、別画面で視聴可能です。理由は分かりません。無知なもので申し訳ありません。ご迷惑をお掛け致します。よろしくお願いいたします。

 それでは。

 

『デイドリーム/ザ・モンキーズ

ビートルズに対抗したアメリカのグループ。大人気でヒット曲多数。毎週テレビで「ザ・モンキーズ・ショウ」を放映。毎週観ていました。


The Monkees - "Daydream Believer" (Official Music Video)

 

『恋はみずいろ/ヴィッキー』

ヴィッキーの大ヒット曲。日本でも大人気に。ジェフ・ベックもやっていました。


Vicky Leandros - The Loves is Blue - 1967 (L´amour est Bleu)

 

『魔法/ルー・クリスティ』

アメリカのシンガー・ソングライター。独特の声

www.youtube.com

 

『トレイン/1910フルーツ・ガム・カンパニ―』

バブルガム・ポップの代表選手。


1910フルーツ・ガム・カンパニー★THE TRAIN(シングルバージョン)★

 

『西暦2525年/ゼーガー&エバンス』

いつでもラジオから流れていました。

www.youtube.com

 

『青春の光と影/ジュディ・コリンズ』

映画「青春の光と影」の挿入歌。これもジョニ・ミッチェル作。いい映画でした。これもポップス編に入れました。


Judy Collins 映画「青春の光と影」 Both sides now

 

『雨/ジリオラ・チンクエッティ』

ヒット曲多数、日本でも大人気。


雨 [日本語訳付き]  ジリオラ・チンクエッティ

 

夢のカリフォルニア/ママス&パパス』

いい曲です。ママキャス・エリオット、まだ動いています。この映像は珍しい。

 


California Dreamin` (夢のカリフォルニア) / THE MAMAS & THE PAPAS

 

『カリフォルニアの青い空/アルバートハモンド

カリフォルニア続きです。いかにもという感じですね。


Albert Hammond - It Never Rains In Southern California (1973) HD 0815007

 

『夢見るシャンソン人形/フランス・ギャル

フランス・ギャルです。名前からして凄いです。日本でも弘田三枝子でヒットしました。


フランス・ギャルFrance Gall/夢みるシャンソン人形 Poupee de Cire Poupee de Son (1965年)

 

 

おまけ

『天使のらくがき/ダニエル・ビダル

フランス人形のようでした。

www.youtube.com

 

懐かしのメロディー「海外ポップス」編を2回にわたってお贈りしましたが、なにか物足りませんね。なんでしょう。忘れ物があるようでモヤモヤしています。

 

それでは今日はこの辺で。

 

懐かしのメロディー 「海外ポップス」編

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先日、NHKテレビの「思い出のメロディー」という番組を観ていて、最近民放やBSで懐メロの番組が非常に多いなと感じていました。そこで私も嫌いじゃないので自分なりの懐かしのメロディーでも作ってみるかということを思いつきました。早速やってみます。

といっても、ちょっと思いついただけで相当な数がありそうで収拾がつかなくなる恐れがあります。そこで、「海外ポップス編」とか「映画音楽編」とかというようにある程度ジャンルを分けて、取り上げていきたいと思います。

今日は「海外ポップス編」ということで1回で終わるかどうかわかりませんが、やってみます。ロックとポップスって何が違うの、となりそうですが、私の頭の中では比較的明確になっていますので、私の規準で選曲します。

基本1歌手1曲に限定します。順不同です。あくまでも私の個人的な好みですのでよろしくお願いします。なるべくオリジナル音源を載せます。

 

『悲しき鉄道員ショッキング・ブルー

ショッキング・ブルーといえば「ヴィーナス」ですが、こちらもいいですよ。当時珍しいオランダのグループ。大人気でしたね。


悲しき鉄道員 [日本語訳付き]  ショッキング・ブルー

 

『ミスター・マンディ/オリジナル・キャスト』

カナダのグループ。日本でも売れました。他にもありますがこれが1番売れたと思います。


ミスター・マンディ/オリジナル・キャスト Mr.Monday/The Original Caste

 

『悲しき天使/メリー・ホプキン

ビートルズのアップルレコードからデビュー。イギリスの女性歌手。日本では森山良子の歌でヒット。ロシア民謡


♪悲しき天使 メリー・ホプキン

 

ミセス・ロビンソンサイモン&ガーファンクル

言わずと知れた、映画『卒業』の挿入歌。映画とは離れてヒットしました。


Simon & Garfunkel - Mrs. Robinson (Audio)

 

『霧の中の二人/マッシュ・マッカ―ン』

日本でも大ヒット。ポップ・グループかなと思っていましたが、どっこい、『フェスティバル・エクスプレス』のDVDを観ていたら、ジャニス・ジョップリンザ・バンドグレイトフル・デッド、フライング・バリットなどと一緒に出演し本格ロックを演奏していてびっくりした記憶があります。なんで「霧の中の二人」なのでしょう。


As The Years Go By (霧の中の二人) / MASHMAKHAN

 

『花のサンフランシスコ/スコット・マッケンジー

「モンタレー・ポップ・フェスティバル」のテーマソング。さわやかです。アメリカのフラワームーヴメントの象徴です。


Scott McKenzie - San Francisco 花のサンフランシスコ

 

ローズ・ガーデンリン・アンダーソン

アメリカのカントリー歌手。大ヒット。これで「I Beg Your Pardon」の意味が分かりました。


Rose Garden (ローズ・ガーデン) / LYNN ANDERSON

 

 

 

『哀しみの兵士/シルヴィー・バルタン』

『アイドルを探せ』のフランスの歌手。ヒット曲多数ですが、あえてこれを。かっこいい。


悲しみの兵士Les Hommes/シルヴィ・バルタンSylvie Vartan

 

サークル・ゲームバフィー・セントメリー』

「いちご白書の」主題歌。ジョニ・ミッチェルの作品。震えているような声がいい。これも映画音楽の範疇かとも思いましたが、この歌単独で売れたということで、ここに入れました。


サークル・ゲームThe Circle Game/バフィー・セントメリーBuffy Sainte-marie

 

『うわさの男/ハリー・ニルソン』

映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌。フレッド・ニール作。ニルソンがこの映画のために作った「孤独のニューヨーク」は残念ながら使われませんでしたが、この曲でニルソンは一躍スターに。この曲を入れた理由も上と同じです。


ニルソンNilsson/うわさの男Everybody's Talkin' (1969年)

 

まだまだたくさんあるのですがこの辺にしておきます。また、「海外ポップス編」の第2弾をお送りします。

 

それでは今日はこの辺で。

レコードジャケット、お気に入り 第13弾

レコードジャケットシリーズも13回目です。今日は前回までに出てきた名前でちょっと思い出した人たちを載せてみようかと思います。その他これまで出ていなかった人たちにもスポットを当てたいと思います。例によってボケと帯はご容赦願います。それではいきましょう。

まず、懐かしいところを少し。ピート・シーガーとかバフィ・セント・メリーとか出てきましたのでそれらを。いかにも反戦フォークという感じ。バフィーは「サークル・ゲーム」が出るまえです。古いなあ。

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ついでにPPM。「パフ」でギターを憶えました。それとジョニー・リバース。

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これまた懐かし、モンキーズ。毎週見ていました。

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久しぶりにジェスロ・タル

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ジミー・バフェットです。どうしているのやら。

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デイヴ・エドモンド。好きでした。ラブ・スカルプチャーは以前に載せたはず。昔、捜し歩いてようやく手に入れた盤です。左右で微妙に違います。

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と、思ったら勘違いでした。ラブ・スカルプチャー。それとホワイト・ブラザース。クラレンス・ホワイト在籍。

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エル・チカノは初めて。とボー・ブラメルズは2回目です。

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次は、バート・ヤンシュです。初出場。名盤です。

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ジェイムス・ギャングは2回目。

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カウボーイとアロー・ガスリー、共に2回目。このカウボーイはいいですよ。

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レオ・コッケは3回目。マルコム・マクラレンは初、どこへ行ったやら。

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トニー・コジネック。どうしているでしょうか。

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ホット・ツナは3回目。ジャックがいいね。

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ジョニ・ミッチェルは2回目。

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トッド・ラングレンは2回目の登場。

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ニッティ・グリッティ・ダート・バンドも2回目。

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ジーン・クラークも2回目。残念ながらボケてます。ホワイト・ライトは最高の名盤です。

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スパイク・ジョーンズとコパーヘッド何の脈絡もありません。コパーヘッドはジョン・シポリナの幻のバンド。

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リチャード&リンダ・トンプソン、夫妻では初めて。

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キャンドヒートの表と中、おもしろい。

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ドゥービー・ブラザースの表と中。びっくりです。

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チッキンシャック。不気味。

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グレイトフル・デッド。デッドはいくらでも面白いのがあります。

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チキン・シャックとカントリー・ジョーです。

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もう、どれを掲載したのかわからなくなってきました。やめます。

 

最後はこれで締めます。パティ・ラブレス

 

それでは今日はこの辺で。

 

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『シルクロード』 をご存じですか?

シルクロード』というグループをご存じでしょうか、ご存じの方でも憶えているでしょうか。『シルクロード』といっても喜多朗ではありません。ヴォーカルに長南百合子という女性を配した、2ホーンのブラス・ロック・バンドです。私も当初知らなかったのですが、私の大学時代の友人・T君が「今度このバンドのメンバーになるから」と聞かされて、初めて知りました。1978~9年頃だったと思います。彼は学生時代からロックグループを組んで活動していましたが、卒業後はスタジオミュージシャンなどをやって、このグループ参加しました。

このグループは昔でいうペドロ&カプリシャスのようなバンドです。長南百合子はハスキーヴォイスで歌が上手いです。ラテンミュージックを取り入れながらの演奏はなかなか聴かせます。彼がこのグループに参加したというのは、ちょっと意外でしたが、「ライヴをやるので是非見に来い」と誘われ、今は亡きロックの殿堂「新宿ルイード」に大学時代の仲間達や嫁さんと何度か足を運びました。長南百合子嬢の歌に惚れ惚れしたのを憶えています。

そうこうしているうちにアルバムが発表されました。

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これは『シルクロード』にとって3枚目のアルバムです。私はそれまでこのグループの存在さえ知らなかったのですが、なんと嫁さんが知っていて、なおかつセカンドアルバムを持っていました。それがこれ『終章』です。いやー、びっくりしました。洋楽ばっかり聴いていたので、国内は疎かになっていました。このセカンドの時は、まだT君は在籍していませんでした。嫁さんに言わせるとこれは名曲揃いだと、私も同感です。

 

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さて、このサードアルバム『情熱の花』のオープニングはあのザ・ピーナッツで有名な「情熱の花」のリバイバルですが、歌詞は違います。その他に当時流行っていた映画『スーパーマン』のテーマ曲「スーパーマン 愛のテーマ」をなかにし礼が訳詞した曲も歌っています。

その他、「南の風はジンクス通り」「愛のルミエール」「パークサイドマンション707」「ワン・モア・チャンス」など名曲が目白押しです。

にもかかわらず、アルバムの売れ行きは芳しくなく、T君もグループを離れ、『シルクロード』も解散したと思います。その後、長南百合子嬢の噂も聞かなくなり、『シルクロード』は歴史の渦の中に飲み込まれてしまいました。

せめて映像が無いものかと探しましたが、『情熱の花』時代のものはありませんでした。わずかにライヴでよく演っていた「堕ちる女」の音源だけがありましたので載せてみます。T君はいません。カプリシャスのようです。アルバムには入っていませんがライヴでは必ず最後に演奏する「バイ・バイ・バイ」という曲もお気に入りでした。


堕ちる女

さらに、CD化されているか探しましたが、わずかに『終章』だけがCD化されたようですが。現在廃盤です。

 

いい曲が出来ても即売れるものではない、当たり前のことです。が、ヒットするというのは曲、詩、編曲、演者、プロデュース、プロモーションなどなど、いろいろな要素が組み合わさって出来るものですが、そこに偶然という計り知れないものが結びつかないと生まれてこないという事なのでしょう。

 

それでは今日はこの辺で。

 

映画 『顔のないヒトラーたち』を観る

昨日、録画撮りしていた映画を自宅で観ました。キネマ旬報シアターの年間パスポートが終了したので、映画館に行く機会も減るでしょう。その代わりにこれまで撮り貯めしていた数多くの映画を消化していくことにします。その中にはかつて私が観て、名作と思われる作品を永久保存版としてDVD化しているものも含まれていますが、未鑑賞の映画がたくさん眠っています。なかなか家でじっくりDVDを観るという機会がないのですが、なるべく暇を見つけて観るようにします。

 

さて昨日観たのは『顔のないヒトラーたち』です。

 

監督:ジュリオ・リッチャレッリ 

主演:アレクサンダー・フェーリング

2015年公開 ドイツ製作

 

この映画は、ナチスによるホロコーストに関わった親衛隊員たちをドイツ人自身の手で裁いた1963年のフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判が開催されることになるまでの検事たちの苦難を描いた実話です。

 

ストーリーは1958年のフランクフルトが舞台の始まりです。検察庁に新聞記者のトーマス・グルニカが、アウシュビッツ強制収容所で親衛隊員だった男が学校の教師になっているという情報を持ち込んできました。当時親衛隊員は公職にはつけないという法律があったため、それを問題視しろと言ってきたのです。検事たちは知らぬふりです。その中で、交通違反専門の駆け出し検事のヨハン・ラドマンだけがそのことに興味を持ちました。上司からは「手を出すな」と釘を刺されていたのにも関わらず独自に調査を始めました。そして、それが事実であることを確認しました。上司に相談しても埒が明かず、検事総長に相談しました。検事総長バウアーは「やれ」とGOサインを出しました。当時のドイツでは一般の戦争犯罪は時効になっていました。ただし、殺人に関する犯罪は例外でした。

ヨハンはグルニカと共に調査を開始しました。ある日グルニカからパーティーに誘われ、そこに行くと、交通違反を裁いた時の被告人の女性マレーネがいました。ヨハンとマレーネは急速に恋仲になりました。その場にはもう一人、グルニカに情報をもたらしたアウシュビッツ強制収容所に収監されて生き延びたシモンがいました。グルニカとヨハンはシモンから情報を聞きだそうとしますが、シモンはなかなか話しません。彼にはつらい過去があったのです。双子の娘たちを医師のメンゲレに残酷な人体実験の末殺害されていたのです。ヨハンはシモンにメンゲレを必ず法廷に引っ張り出して裁くと約束します。

そして検事たちの調査が始まります。膨大な数の親衛隊員の名前、居所などを探すだけで気の遠くなるような作業でした。さらに警察や国の非協力的態度で操作は難航します。

そうした中メンゲレの居所がわかりました。ブエノスアイレスでした。これでは手が出せないとあきらめかけたところに、父親の葬儀で帰国しているとの情報が入り、自宅に向かいますが、彼はいませんでした。検事総長の独自の調査でアイヒマンとメンゲレの居所がわかりましたが、イスラエルアイヒマンを裁く代わりにメンゲレは逃がしてしまいました。

喪失感に陥ったヨハンに、母親からヨハンが尊敬する父親ナチスだったと聞かされ、さらにグルニカも小学校の頃、アウシュヴィッツで見守りをしていたと聞かされ、絶望します。恋人マレーネにも悪態をつき、別れを宣言されてしまいます。そしてとうとう検事総長には辞表を提出してしまいました。

ヨハンはグルニカはもう一度やってみてくれと説得され、病床のシモンからもアウシュビッツで祈りを捧げてくれと懇願され、再び検事に戻る決意をします。そして元親衛隊員を次々と起訴しついに裁判の開催にこぎつけます。

裁判の結果、起訴された20人のうち終身刑が6人、無罪3人、最長14年の懲役刑が11人でした。メンゲレは1979年にブラジルにて心臓発作で死亡。

 

実はこの1年間にナチスヒトラーに関する映画を、この作品を含めて5本見たことになります。

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』

ヒトラー暗殺、13分の誤算』

帰ってきたヒトラー

ヒトラーの贋札

lynyrdburitto.hatenablog.com

この他にもその前に観た『ハンナ・アーレント』もやはりアイヒマンに関連する映画でした。

今日の作品を含めて、4本が2015年公開です。何かあったのでしょうか。

 

それにしても当時のドイツ国民は、アウシュヴィッツの実態やホロコーストに関してほとんど知らされていませんでした。この裁判とイスラエルで行われたアイヒマン裁判がきっかけで、ナチスが行ってきた数々の愚行を知り、そして憎悪が目覚めたようです。それまではドイツ国内でも元ナチス党員が幅を利かせていました。今また一部でナチス復活、極右の台頭などがとりざたされています。

それでもドイツは自身の手で戦争犯罪人を裁きました。決してニュールンベルク裁判で終わりにはしなかったのです。

日本はどうでしょう。A級戦犯でも、釈放後は総理大臣、政治家、財界の大物、フィクサーとして戦後を引っ張てきました。そして東京裁判は間違い裁判だったと主張します。この違いはどこから来るのでしょう。もっともドイツでもバウア―検事総長やヨハン・ラドマンのような人物がいなければ、ホロコーストも闇の中に埋もれてしまっていたのかもしれません。

それとアウシュビッツに関しては大事な作品を忘れてはなりません。私がホロコーストについて知ったきっかけとなった作品です。

アラン・レネ監督の『夜と霧』です。短編ですが衝撃的作品です。一度是非。

 

それでは今日はこの辺で。

 

リバプールの星 『ザ・コーラル(The Coral)』

今日は昨日紹介しました『ザ・ズートンズ』の兄貴分にあたる『ザ・コーラル』について書きます。兄貴分といっても、音楽性はだいぶ違っていますが、60年代を思わせるサウンドは共通点があるかもしれません。

以前の記事で少し触れています。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

結成は1996年、リバプール出身です。

メンバーは、

ジェイムズ・スケリー(James Skelly,g,vo)

イアン・スケリー(Ian Skelly,ds)

ニック・パワー(Nick Powerkey)

ポール・ダフィ(Paul Duffy,b)

リー・サウザー(Lee Southall,g)

ビル・ライダー・ジョーンズ(Bill Ryder-Jones,g,trumpet)

途中でリーとビルが脱退して、替わりに『ズートンズ』のポール・モウリー(Paul Molloy,g)が加入します。

彼らはみんな幼馴染だそうです。2001年から2002年にかけてEPを4枚出しています。日本ではこのEPの2枚目と3枚目を収めた編集盤『The Coral』が2002年に発売されます。

これを聴いた瞬間、あっ、グループサウンズだと思ってしまいました。そのくらい60年代を彷彿とさせるサウンドとメロディーです。サイケデリックとフォークロックを混ぜた音楽にノックアウトさせられました。暗めのマイナー調の曲が続きます。ドアーズにも通ずる暗鬱たるメロディと突然のシャウト、たまりません。本国イギリスではいきなりナショナル・チャート初登場で5位を記録しました。

 

翌2003年にセカンドアルバム『Magic and Medicine』をリリースします。

セカンドアルバムもファーストの延長線です。ヴォーカルのジェイムズ・スケリーの声がドアーズのジム・モリソンに若干似ていることもあって、暗めのメロディを聴いていると一瞬ドアーズかななんて思ってしまいます。アコースティカルなフォークロック調も健在でいうことなしです。このアルバムは全英初登場1位を獲得しました。

 

次にコーラルは2004年、わずか2週間で録音したミニアルバム『Nightfreak and the Sons of Becker』を発表します。

これはサイケデリック・ロックアルバムです。コーラルの曲作りは全曲ジェイムズとニックの共作か単独ですが、実質二人のバンドといえます。このアルバムは次のサードアルバムを制作するにあたっての多分に実験的アルバムといえるのではないでしょうか。

 

2005年に実質サードアルバム『The Invisible Invasion』をリリースします。

 前のミニアルバムから打って変わって、メロディアスになりフォークロック調に戻ります。暗く沈んだ曲は相変わらず健在です。ラストの「Late Afternoon」などは物悲しさでいっぱいです。このアルバムは全英3位になりました。

 

続いて2007年に4枚目のアルバム『Roots & Echoes』をリリースします。

もう、これでもかとレトロサウンズ。グループサウンズです。そこにちょっとアメリカ的なカントリーフォーク調の曲があったりして私の好みに合っています。ヴォーカルのジェイムズ・スケリーの声がとても甘く感じられるようになりました。アコースティカルで地味ですが傑作だと思います。とにかくメロディーがきれいです。全英8位。ビル・ライダー・ジョーンズが曲作りにも参加するようになりますが、翌2008年に脱退します。

 

2008年にベストアルバム『Singles Collection』が2枚組で発売されます。

これは単なるベストではなく、新曲、未発表曲、ライブを含む凄い内容です。全英チャートで初出場でいきなり1位をとったアルバムです。

 

続いて2010年、5枚目『Butterfly House』をリリースします。

 長年活動を共にしたビル・ライダー・ジョーンズが去り、5人での活動になりましたが、いい出来です。コーラスもきれいで、ジェイムズ・スケリーの声も曲によって様々に変えているようで、バーズのようなママス&パパスのような60年代のウェストコースト・ロックを思わせるよな曲が増えています。これまでのように暗さ一辺倒ではなくなってきています。ハーモニーはまるでCSN&Yかバッファロースプリングフィールドのようです。全体的にアメリカナイズされてきました。

 

順風満帆に見えたコーラルでしたがこのあと長い活動休止期間があり2016年に6枚目のアルバムとして『Distance Inbetween』がリリースされるのですが、残念ながら未購入です。

 

弟分の『ザ・ズートンズ』が6年でわずか3枚のアルバムしか発表できなかったのに対し、兄貴は頑張っています。

そういえばズートンズポール・モウリーとコーラルのイアン・スケリーが『Serpent Power』なるバンドを結成して、2015年にアルバム『Serpent Power』を発表しています。コーラルの最新アルバムと併せて購入すべく努力します。まず、無いでしょうね。

 

コーラルの映像を探してみました。


The Coral - Dreaming of You (Live at Teenage Cancer Trust 2007)


The Coral - Jacqueline

 

それでは今日はこの辺で。