今日の「聴き比べ」は『南国土佐を後にして』です。
この曲については、私などはペギー葉山さんの歌でよく知っていました。ところが調べてみるとそのずっと以前、戦前の歌だったのです。
元々は中国大陸中部に出兵した陸軍朝倉歩兵236連隊(鯨部隊)内で自然発生的に生まれ、歌われていた曲とされています。途中で土佐の民謡「よさこい節」が挿入されます。戦後、復員兵によって高知県にもたらされ定着しました。これを武政英策が採譜、整理、改編し、歌詞も少し変えました(ウィキペディアより)。
南国土佐を後にして
武政英策:作詞・作曲
南国土佐を あとにして
都へ来てから 幾年ぞ
思い出します 故郷の友が
門出に歌った よさこい節を
土佐の高知の 播磨屋橋で
坊さん簪 買うを見た
月の浜辺で 焚火を囲み
しばしの娯楽の 一時(ひととき)を
わたしも自慢の 声張り上げて
歌うよ土佐の よさこい節を
みませ見せましょ 浦戸をあけて
月の名所は 桂浜
国の父さん 室戸の沖で
鯨釣ったと いう便り
わたしも負けずに 励んだ後で
歌うよ土佐の よさこい節を
いうたちいかんちや おらんくの池にゃ
潮吹く魚が 泳ぎよる
この曲を最初にレコーディングしたのは丘京子さんという方でした。1953年、日本マーキュリー・レコードからシングル発売されました。
次に1955年に鈴木三重子さんがテイチク・レコードからシングル発売しました。鈴木三重子さんはテレビで観た記憶は残っていませんが、歌は「愛ちゃんはお嫁に」を聴いたことがあります。残念ながら映像がありません。
そして1958年にペギー葉山さんが歌って大ヒットしました。ペギーさんは当初自分はジャズ歌手なので歌謡曲など歌いたくないと拒んだようですが、どうしてもという説得に負けて高知のテレビ番組で歌ったところ大反響で、これにはペギーさんも驚きそれ以降進んで歌うようになったとのことです。
翌年には小林旭主演で映画化もされました。
旭とルリ子、いいですね。この映画がきっかけとなって『渡り鳥シリーズ』が生まれました。
それでは今日はこの辺で。