ドン・ドッケン(Don Dokken)とジョージ・リンチ(George Lynch)との確執が絶えなかった『ドッケン(Dokken)』はとうとう1988年に解散します。
メンバーのドン・ドッケンはジョン・ノーラム、ピーター・バルテス、ミッキー・ディー、ビリー・ホワイトと共に『ドン・ドッケン』を結成(ドッケンの名前は使えない為)。
ジェフ・ピルソンは『War & Peace』を結成するも、すぐ解散し、『DIO』に参加します。
そしてジョージ・リンチとミック・ブラウンが『リンチ・モブ(Lynch Mob)』を結成します。
リンチ・モブはエレクトラと契約し、1990年に早速デビューアルバムを発表します。 タイトルは『Wicked Sensation』です。
01.Wicked Sensation
02.River Of Love
03.Sweet Sister Mercy
04.All I Want
05.Hell Child
06.She's Evil But She's Mine
07.Dance Of The Dog
08.Rain
09.No Bed Of Roses
10.Through These Eyes
11.For A Million Years
12.Street Fightin' Man
メンバーは
ジョージ・リンチ(George Lynch,g)
オニ・ローガン(Oni Logan,vo)
アンソニー・エスポジート(Anthony Esposito,b)
ミック・ブラウン(Mick Brown,ds)
です。
プロデュースはオジーオズボーン、メガデスなどのマックス・ノーマン(Max Norman)とリンチ・モブです。
ジョージ・リンチがやりたかったことは、このアルバムに凝縮されているのでは、と思わせるくらいに素晴らしいアルバムです。まさに正統派アメリカン・ヘヴィ・メタル・ハードロックです。そして70年代のブルース臭のするハードロックまで持ち合わせています。ヴォーカルのオニは良く知りませんでしたが、ジョージ・リンチのカミソリ・ギターによく合っています。
ドン・ドッケンが哀愁を帯びたメロディーを得意とするのに対し、こちらはあくまでもアメリカンハードのノリのいいロックンロールを聴かせてくれます。しかもメロディアスな曲も忘れていません。ちょっとサービスしすぎでは、と思っちゃいます。
1992年にはセカンドアルバム『Lynch Mob』をリリースします。
ヴォーカルが変わりました。ロバート・メイソン(Robert Mason,vo)です。プロデュースもあのキース・オルセン(Keith Olsen)に変わりました。グレン・ヒューズがゲスト参加しています。
そのせいなのかだいぶポップで聴きやすくなったような気がします。前作のブルージーで荒々しさが後退したようです。それでも水準以上のハードロックアルバムです。
ここでリンチ・モブは活動を休止します。ジョージ・リンチはドッケンの再結成に参加します。しかし再びドン・ドッケンとのいざこざがあり脱退、ソロ活動に入ります。
その後はソロとリンチ・モブを並行して活動しているようです。
2009年のアルバム『Smoke and mirrors』では久しぶりにオニ・ローガンが復帰しています。
また、昨年の最新作『The Brotherhood』でも前作同様オニ・ローガンの曲が全12曲中11曲を占めるという成長ぶりを見せています(前作では全曲参加)。
現在はミック・ブラウンはドッケンに復帰、ドラムスはジミー・ダンダ(Jimmy d'Anda,ds)。ベースはドッケンからショーン・マクナブ(Sean McNabb,b)が加入しています。
ドッケンの解散にショックを受けた多くのファンはリンチ・モブに救われたのではないでしょうか。正統派ハードロックは健在でした。
Lynch Mob - She's Evil But She's Mine
Lynch Mob - For a Million Years
それでは今日はこの辺で。