『アティテューズ(Attitudes)』はジョージ・ハリソンのアルバム『Extra Texture』のレコーディングに参加していた、デヴィッド・フォスター(David Foster,key)、ジム・ケルトナー(Jim Keltner,ds)、ポール・ストールワース(Paul Stallworth,b,vo)の3人にダニー・コーチマー(Danny Kootch Kortchmar,g,vo)が加わって、1975年にジョージ・ハリソンが設立したダーク・ホースレーベルからデビューしました。
いわゆるセッションマンの集まりで、当時はブルーアイドソウルなどと呼ばれていましたが、その後のAORの奔りだったかもしれません。
デビューアルバムは『Attitudes』です。
Side A
1.Ain't Love Enough
2.Street Scene
3.A Moment
4.You and I Are So in Love
5.Squank
Side B
1.Lend a Hand
2.Chump Change Romeo
3.First Ballad
4.Honey Don't Leave L.A
5.In the Flow of Love
参加ミュージシャンとしてジェシ・エド・デイヴィスの名前も見られます。
プロデュースはリー・キーファー(Lee Kiefer)とメンバー全員参加です。
この4人は名だたるスタジオミュージシャンで、
ポールはジョージやリンゴ・スター、ロジャー・マッギン、キース・ムーン、J.D.サウザーなどのアルバムに参加しています。
ジム・ケルトナーは数え切れないほど、有名ミュージシャンのレコーディングに参加しています。メンバーとしてもスティーヴ・ミラーやデラニー&ボニー、スティーリー・ダンなどにも参加しています。
デヴィッドはキーボードプレイヤー以外にも作曲家、プロデューサーとしても後々手腕を発揮した有名人です。
そしてダニー・クーチ・コーチマーは(実はこの人が参加したので、このバンドのレコードも買ったのです)ジェイムス・テイラーやキャロル・キングなどと活動したり、ファッグス(The Fuggs)やジョー・ママ(Jo Mama)への参加、1972年にはリランド・スクラ―、クレイグ・ダーギ、ラス・カンケルとセクション(Section)なるバンドを結成し、3枚の隠れた名盤を残しています。それ以外にもニルソン、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタッド、ニール・ヤング等々数々のミュージシャンとのレコーディングや曲の提供をしています。さらに2枚のソロアルバムもリリースしています。1973年の『Kooch』と1980年の『Innuendo』です。
フュージョンに近いファンキーなギター&ヴォーカルアルバムです。
アルバム『Attitudes』は予想通りの、ファンキーなリズムと爽やかなポップ感覚あふれるアルバムです。ハードロックやブルースロック、カントリーロックとも違う新たなサウンド、それがこういう音楽だったのでしょう。これ以後、さらに発展してAORとなってボズ・スキャッグスやフリートウッド・マック、クライマックス・ブルース・バンドなどもこの路線に向かいます。またTOTOやボビー・コルドウェルなどが現れてい大ブームを築き上げます。
アティテューズはこの後1977年にセカンドアルバム『Good News』をリリースし、その後あっさりと解散します。セッションマンの集まりですから当然と言えば当然だったのでしょう。
このバンドが語られることはあまりありませんが、ロックミュージックの時代の分岐点を映し出す貴重なバンドだったかもしれません。
ATTITUDES - AIN'T LOVE ENOUGH Feat. DAVID FOSTER
Attitudes - Honey Don't Leave L A
それでは今日はこの辺で。