Flying Skynyrdのブログ

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「ヨーロッパ」じゃない! 『ジョン・ノーラム(Jhon Norum)/Face The Truth』

1964年、ノルウェー生まれのジョン・ノーラムは1歳の時にスウェーデンに移住します。音楽好きの一家に育った彼は13歳の頃からギターを始め、いくつかのバンド活動の後、ジョーイ・テンペスト(Joey Tempest,vo)と共にフォースなるバンドを結成します。これが後の『ヨーロッパ(Europe)』の前身です。ジョン・ノーラムはゲイリー・ムーア(Gary Moore)の信者のようになっていました。

フォースはヨーロッパとバンド名を変更し、1983年にファーストアルバム『Europe(幻想協奏詩)』をリリースします。続く翌年には『WIngs Of Tommorow(明日への翼)』をリリース、スウェーデンの代表的バンドになりました。

 

 

1986年にはメジャーのEPICと契約を結び、第3弾『TheFainal Countdown(ファイナル・カウント・ダウン)』を発表します。

 

しかし、ここで問題が発生します。ジョン・ノーラムが完成したマスターテープを聴いて憤りました。「ギターの音が聞こえない!」。ヴォーカルとのバランス上ギターのヴォリュームを下げざるを得なかったのが原因ですが、ギターソロに自身をもっていたジョンは怒りが治まらず、来日公演の後にバンドを退団してしまいます。

皮肉にもこのアルバムは全世界で大ヒットし、ヨーロッパは世界的なバンドとして名を馳せました。

ちょうど先日記事にしたゲイリー・ムーア信奉者のジョン・サイクスホワイトスネイクで「サーペンス・アルバム」を発表した後、解雇されたのと似た運命を感じます。

 

ヨーロッパを退団したジョン・ノーラムは念願のソロアルバムの制作に取り掛かります。そして1987年に『Total Control(トータル・コントロール)』をリリースします。

ここには元マディソンのゲラン・エドマン(Goran Edman,vo)と元イングヴェイ・マルムスティーンのライジング・フォースのマルセル・ヤコブ(Marcel Jacob,b)が参加しています。その他にピーター・ヘルマンソン(Peter Hermansson,ds)パー・ブロム(Per Blom,key)も参加しています。

プロデュースはジョンとトーマス・ヴィット(Thomas Witt)です。

ヴィニー・ヴィンセントとシン・リジィの曲をカバーしています。

ヨーロッパでのフラストレーションを爆発させるようなギター炸裂のアルバムです。

 

このままソロ活動を続行するのかと思っていたところに、ドン・ドッケン(Don Dokken)から連絡があり、ドン・ドッケンのがドッケンとは別にソロアルバムを作るというので手伝って欲しいということだったのですが、結局ドン・ドッケンというバンドを結成し、そのメンバーになってしまいました。このバンドにはビリー・ホワイト(Billy White,g)も加入しました。そしてアルバム『Up from the Ashes』を発表します。1990年です。

しかし、このアルバムは評判も悪く、この1枚で解散することになりました。

 

ソロに戻ったジョン・ノーラムは再びソロアルバムの制作に取り掛かります。

そして1992年にセカンドソロアルバム『Face the Truth(フェイス・ザ・トゥルース)』をリリースします。

01.Face the Truth

02.Night Buzz

03.In Your Eyes

04.Opium Trial

05.We Will Be Strong

06.Good Man Shining

07.Time Will Find the Answer

08.Counting on Your Love

09.Endica

10.Still the Night

11.Distant Voices

 

参加ミュージシャンは

ジョン・ノーラム(John Norum,g,vo)

グレン・ヒューズ(Glenn Hughes,vo)

ピーター・バルテス(Peter Baltes,b)

ヘンポ(Hempo,ds)

です。

ゲストミュージシャンとして

ジョーイ・テンペスト(Joey Tempest,vo on 05)

ビリー・ホワイト(Billy White,rhythm g on 07)

ミッキー・ディー(Mikkey Dee,ds on 11)

ジョン・シュライナー(John Schereiner,key)

アンディ・ローバー(Andy Lorber,backing vocal)

 

プロデュースはジョンとウィン・デイヴィス(Wyn Davis)です。

 

何といっても大きいのはグレン・ヒューズの参加です。グレン・ヒューズと言えば何といっても第3期ディープ・パープル(Deep Purple)です。『Burn』から『Come Taste The Band』まで在籍しました。リードも執ったこともあります。今は『ブラック・カントリー(Black Country Communion)』というジョー・ボナマッサとのプロジェクトでも活躍しています。ジョンのギターにグレンのヴォーカルのコラボレーションはそれまでの多くのブリティッシュロックのコラボにも引けを取らないものです。

不仲と思われていたジョーイ・テンペストが参加しているのも注目です。それとドン・ドッケンでツインギターを執ったビリー・ホワイトの参加も色を添えます。

 

伝統的なハードロックとメロディアスなメロディー、ジョン・ノーラムはヨーロッパを辞めて良かったと思わせる作品です。

 

この後、1995年に『Another Destination(アナザー・デスティネイション)』をリリースします。

ここではヴォーカルがブルーマーダーの2枚目でヴォーカルを執ったケリー・キーリング(Kelly Keeling,vo,key)に代わっています。それとトム・リリー(Tom Lilly,b)、ゲイリー・ファーガソン(Gary Ferguson,ds)というラインナップです。これもよくできたアルバムです。ここまではいいのです。

 

さらに1996年『Worlds Away(ワールズ・アウェイ)』、1999年『Slipped into Tomorrow(スリップド・イントゥ・トゥモロウ)』と続きます。

 

前者はケリー・キーリングとピーター・バルテスに元AC/DCサイモン・ライト(Simon Wright,ds)が加わっています。ヘヴィーな暗めの曲が多いです。

後者はステファン・ロディン(Stefan Rodin,b)トーマス・ブラウン(Thomas Broman,ds)のトリオ編成です。ヴォーカルはジョン・ノーラムです。シン・リジィのカバーがあります。前作でヘヴィーなグランジもどきになったようなアルバムでしたが、これもあまり変わり映えしません。楽曲が今ひとつです。ヴォーカルも・・・

 

その後、2002年に再びドッケンに加入し、さらに2003年にはヨーロッパに復帰します。それぞれアルバムに参加しています。ソロアルバムも並行して2005年に『Optimus』をリリースしています。

 

 残念ながらこの辺は未購入です。

 

2010年には『Play Yard Blues』をリリースしています。

これはブルースをやっているそうです。興味ありで聴いてみたいのですが、今のところ入手出来ていません。なんとか見つけたいですが。

 


John Norum - Face The Truth


JOHN NORUM-In Your Eyes


John Norum - glenn hughes -Time will find the answer


John Norum, Joey Tempest - We Will be Strong

 

それでは今日はこの辺で。