今日の「聴き比べ」は『鈴懸の径(すずかけのみち)』です。
この曲は1942年に灰田勝彦が歌った曲です。
当然、当時のことを知るはずもありません。灰田勝彦も「ナツメロ」番組で観たことがある程度です。作詩は佐伯孝夫、作曲が灰田勝彦の兄の灰田有紀彦です。
この曲を選んだのは、元歌が誰かも知らなかったのですが、どこかで聞いたことがあるメロディーが懐かしく、倍賞千恵子さんのアルバムでようやくその全貌を知り、改めていい曲だなという感想を持ちました。
戦争中にもかかわらず、戦時色を感じさせない曲だということでヒットしたようです。この歌のモデルになった「鈴懸の径」が灰田勝彦の母校の立教大学のキャンパスに記念碑と共に残っているそうです。
鈴懸の径
作詞:佐伯孝夫
作曲:灰田有紀彦
友と語らん 鈴懸の径
通いなれたる 学舎(まなびや)の街
やさしの小鈴 葉陰に鳴れば
夢はかえるよ 鈴懸の径
やさしの小鈴 葉陰に鳴れば
夢はかえるよ 鈴懸の径
灰田 勝彦 ♪鈴懸の徑♪ 1942年 78rpm record , Columbia . G - 241 phonograph
この曲を戦後の1954年に鈴木章治がジャズアレンジして彼のバンドリズムエースが録音してヒットしました。さらにベニー・グッドマン楽団のピーナッツ・ハッコーが鈴木章治とリズムエースに参加してTBSホールで録音したものを放送したところ大反響を呼びレコード化されました。このバージョンもしびれます。
鈴懸の径 / 鈴木章治とリズム・エース&ピーナッツ・ハッコー
ザ・ピーナッツもジャズ・アレンジで歌っていました。
この曲をまともに聴いたのは倍賞千恵子さんの歌唱によってでした。
最近、日本の抒情歌なるものが心に響くようになりました。間違いなく年のせいでしょう。これからもいくつか取り上げてみたいと思います。
それでは今日はこの辺で。