今年最初のキネ旬シアターは『アーニャは、きっと来る』でした。
監督:ベン・クックソン
原作:マイケル・モーパーゴ
出演:ノア・シュナップ、トーマス・クレッチマン、ジャン・レノ
製作:2020年 イギリス・ベルギー
この映画はマイケル・モーパーゴの同名小説の映画化作品です。ナチス占領下のフランスの小さな村での出来事です。
第二次世界大戦中、ナチス占領下のフランス。スペインとの国境近くのピレネー山脈の麓の村レスカン。そこに住む少年ジョー・ラランドは兵役に出ている父親の代わりに羊飼いをして暮らしています。
ある日、ジョーはベンジャミンという男と知り合います。彼はユダヤ人でナチスの迫害から逃げてきており、義理の母オルカーダと共に隠れるように、生き別れになっている娘・アーニャを待っていたのでした。
別の日、ジョーはベンジャミンの納屋に忍び込むと、ユダヤ人の女の子・ノアが隠れていることを発見しました。ジョーはオルカーダに見つかりますが、彼らがユダヤ人の子供たちをスペインに逃がす計画を立てていることを知り、秘密は守ると約束します。
やがてレスカンの村にもナチスの手が伸びて警戒が厳しくなってきました。ジョーは祖父のアンリがオルカーダと知り合いで、彼女たちに協力していることを知り、自分も食料品の買い出しなどを協力することにしました。
そんな中、父親がドイツの労働収容所から帰国します。彼は捕虜となって4年もの間、強制労働を強いられていたのでした。心も荒んでいました。そしてジョーがナチスの兵隊ホフマンと仲良くしていることを知り怒り出すのです。ホフマンはナチスの人間ですが、ジョーは彼に親しみを覚えていたのでした。
泣き出すジョーを見かねた祖父のアンリがユダヤ人救出作戦をジョーの両親に打ち明けました。すると両親ともに作戦に協力すると約束したのです。しかし、警戒はますます厳しくなり、脱出は無理かと思えました。するとジョーの母親がある作戦を思いつきます。
その作戦とは子供たちを羊飼いに化けさせて移牧をすることでした。山では夏の暑い時に涼しい山の上に羊を移動させる習慣があるのです。ジョーたちは村人の協力を得て、作戦を開始しました。子供たちは羊飼いに化けて歩きました。ナチスも気づきません。
そして子供たちは無事スペインに逃げることが出来ました。ところがベンジャミンは捕まってしまいました。ベンジャミンは子供たちを逃がしてから、村に戻りアーニャを待つつもりでした。ところがノアがベンジャミンから離れなかったのです。ノアを抱いて戻るところを見つかってしまったのです。二人はどこかに連れ去られました。
やがてドイツの敗戦が報じられ、ナチスは村を去りました。1年が経って、ジョーはアンリとオルカーダの家にいます。そこに電報が届きます。それはアーニャからでした。外に出ると少女が歩いてきます。ジョーはアーニャの元へ走っていくのでした。
ナチスのフランス占領時代、南仏ではユダヤ人のスペインへの 逃亡を村人たちが手助けし、多くのユダヤ人が救われました。その史実に基づいた映画でした。
ただ、ベンジャミンは愛娘アーニャには会えなかったのでしょうね。その点がなんとも悔しいです。
ピレネーの山越えに映し出される風景の壮大さには圧倒されます。
また、主役を演じたノア・シュナップは16歳だそうで、目を見張るような美少年です。
原作者のマイケル・モーパーゴは代表作に『戦火の馬』がありますが、こちらは2011年にスピルバーグ監督で映画化されています。
それでは今日はこの辺で。