Flying Skynyrdのブログ

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聴き比べ 『あざみの歌』

今日の「聴き比べ」はまたしても懐メロです。伊藤久男が歌った『あざみの歌』です。

 

最近、歳のせいかこのような抒情歌が胸に沁みるのです。

この曲は作詞家の横井弘が昭和20年に復員して来た時に、東京の家は全焼しており、知人を頼って長野県下諏訪に転居。そこで湖畔や山を巡り詩作に勤しみました。その中でできた詩のなかで一番気に入ったのが『あざみの歌』でした。八島ケ原湿原で作った詩で、現在も湿原入り口には歌碑が立っているそうです。横井弘はこの後も「哀愁列車」や「川は流れる」「下町の太陽」「虹色の湖」など多くのヒット曲を出しました。

この詩に曲を付けたのが八洲秀章でした。八洲秀章はこのブログでも紹介した「さくら貝の歌」や「山のけむり」さらにはあがた森魚の「赤色エレジー」などを作曲した人物です。

この曲がNHKのラジオ番組で取り上げられました。この時は八洲自ら歌っていました。これが「NHKのど自慢」で人気曲となり、伊藤久男の歌でレコーディングされ、昭和26年(1951年)に発売されました。

以後、この曲は数えきれないくらいの歌手にカバーされ、昭和のスタンダード抒情歌となりました。

伊藤久男は「イヨマンテの夜」や「山のけむり」、また軍歌を歌ったことで有名ですが、NHKの朝ドラ「エール」で山崎育三郎が彼の役を演じて話題になりました。

 

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あざみの歌

作詞:横井弘

作曲:八洲秀章

 

山には山の 愁いあり

海には海の 悲しみや

ましてこころの 花ぞのに

咲きしあざみの 花ならば

 

高嶺の百合の それよりも

秘めたる夢を ひとすじに

くれない燃ゆる その姿

あざみに深き わが想い

 

いとしき花よ 汝はあざみ

こころの花よ 汝はあざみ

さだめの径は 涯てなくも

かおれよせめて わが胸に

 

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カバー曲は数えきれませんが、お気に入りのみ。

 

まずはなんといっても倍賞千恵子さんでしょう。抒情歌の名人です。

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三橋美智也さんです。これは懐かしい。母親が大ファンでした。

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芹洋子さんです。この人の抒情歌も素晴らしい。

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ダークダックスです。

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それでは今日はこの辺で。