Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『パリタクシー』を観る

先日のキネ旬シアターは『パリタクシー』でした。

 

監督:クリスチャン・カリオン

脚本:シリル・ジェリー

出演:リーヌ・ルノーダニー・ブーン

製作:2022年 フランス

 

パリの不愛想なタクシー運転手がある女性を乗せたことでその人生に巻込まれていく姿を描いたヒューマン・ドラマです。

 

パリでタクシー運転手をしているシャルルは人生最大の危機を迎えていました。金なし、休みなし、免停寸前。このままでは家族も離れてしまう。そんな彼にある日92歳のマドレーヌをパリの反対側まで運んでほしいという仕事が舞い込みました。彼女は既に老人ホームに入居することを決めており、シャルルに寄り道をして欲しいと依頼します。そしてその通りに寄り道をするたびに彼女の壮絶な過去が明らかになってゆくのです。そして運転手の人生も節目を迎えます。

彼女は16歳の時に初恋をしました。相手は米軍の軍人でした。やがて子供が出来ました。男の子です。しかし相手は帰国してしまい、以来連絡がありません。何通もの手紙を出した末の連絡は彼には妻子があるとのことでした。彼女は一人で子供を育てる決心をします。しばらくして新たな恋人ができます。そして結婚。しかし、その夫は暴力男でした。毎日のように彼女を殴るのです。そしてとうとう息子にまで暴力を振るうようになりました。彼女はそんな夫を許せず、或る手段に訴えるのですが・・・。

 

 

92歳の彼女の若い時代、1950年代ではフランスでも簡単には離婚ができなかったようです。さらにDVなどという言葉はもちろん、夫の妻に対する暴力など大したことでもなく犯罪になどならなかったようです。そんな中で彼女がとった行動はやむを得なかったのかもしれません。

 

おおよその結末は想定できましたが、それでも最後はホロッときました。涙腺が弱くなって困ります。

マドレーヌの言葉「ひとつ怒れば、ひとつ老ける。ひとつ笑えば、ひとつ若返る」。深いですね。

パリの名所を辿るロードムービーの趣で、風景を見ているだけでパリにいるような気分になります。音楽もよかったです。

今日はいつになく大勢の観客でした。それほど評判の映画だったのでしょうか。ちっとも知りませんでした。

 

www.youtube.com

 

それでは今日はこの辺で。