Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『港に灯がともる』を観る

先日のキネ旬シアターは『港に灯がともる』でした。

 

監督:安達もじり

出演:富田望生伊藤万理華、青木柚、甲本雅裕麻生祐未

製作:2025年 日本

 

阪神淡路大震災の翌月に神戸に生まれた在日韓国人3世の女性を主人公に、高校卒業から12年間にわたる葛藤と模索の日々をつづったドラマです。

 

在日韓国人3世の灯(あかり)は1995年の大震災の発生直後、神戸市長田区で生まれました。被災の記憶はなく、在日という意識も薄い灯は震災や家族・国籍について悩んでいました。

震災で仕事を失った父親・一雄はいつも機嫌が悪く、子供たちにはいつも説教ばかりしていて、家庭にはいつも冷たい空気が流れています。灯は震災の記憶もなく、在日の意識も薄いため父親の話に納得がいかず、言い争いが耐えません。

そんな父親はとうとう家族と別居してしまいます。そんな時に姉の美悠は結婚のため日本への帰化を進めようと考え始めます。その事が父親と家族の分裂は決定的になります。

灯は高校卒業後、造船工場に就職します。しかし、自分が何者かわからなくなり、やがて心を病んでしまい、会社も辞めます。病院で薬を処方されるも一向に改善しません。そんな時、友達からとある診療所を紹介され、そこにか通ううちに徐々に気持ちが落ち着いてきたのでした。

そして、再就職もなかなか決まりませんでしたが、ある建築設計事務所に採用されたのです。その事務所でかつてアルコール依存症だった所長と共に寂れた長田の商店街の復興に力を注ぎ、少しずつ自分というものを受け入れられるようになっていくのです。

 

父親から散々聞かされた大震災とその後の大変さ。在日2世の苦労。しかし灯にはその実感がありません。いったい自分というものは何者なんだ、と悩み続け、精神を病んでいきます。

自分を理解しろ、と家族に要求する父親。受け入れられない家族。在日2世と3世の埋めようのない意識のギャップ。アイデンティティーに悩む娘。そんな家族を通して、偏見や差別に対して一つの問題提起をした作品でした。

 

www.youtube.com

 

それでは今日はこの辺で。