アメイジング・リズム・エイセス(以下、A.R.A)といっても憶えておられる方は少ないかもしれません。1990年代に再結成し2000年代まで活動していたのでご存じの方もおられるかもしれません。
1970年ごろに結成されたアメリカ・テネシー州のローカルバンドで、デビューが1975年でした。メンバーは、
ラッセル・スミス(Russell Smith,vo,g,harm)
バリー・”バード”・バートン(Barry"Byrd"Burton,g,dobro,mando,vo)
ビリー・イヤーハート(Billy Earheart,key)
ブッチ・マクデイド(Butch McDade,ds)
ジェイムス・フッカー(James Hooker,p)
ジェフ・デイヴィス(Jeff Davis,b)
です。
バンド結成のきっかけとなったのが、ラッセルとブッチの出会いです。二人は元々別のバンドで活動していました。そこで意気投合します。さらにブッチとジェフが出会います。そしてラッセルに紹介します。そしてギタリストを加えたバンドを結成しますが、間もなく解散。その後、ブッチはジェシ・ウィンチェスター(Jesse Winchester)のツアーに誘われジェシ・ウィンチェスター&リズム・エイセスという名前で活動、そこにジェフも加わります。
一方ラッセルはビリーと知り合い、曲作りをしていて、ブッチがその曲の一部をジェシ・ウィンチェスター(Jesse Winchester)に紹介します。ジェシはひどく気に入り、彼の3枚目のアルバムで2曲も取り上げます。
ラッセルはギタリスト・ジム・カーショウを加えバンド結成を準備しますが、そこにブッチとジェフが加わり、バンドが結成されます。さらにジム・カーショウが辞めたためバリーが替わり加入、ピアニストのジェイムスも加入してARAはようやく結成されました。
そして1975年に待望のファーストアルバム『Stacked Deck』が発表されました(現在入手困難のようです)。
A -side
1.Third Rate Romance
2.The 'Ella B"
3.Life's Railway to Heaven
4.The Beautiful Lie
5.Hit the Nail on the Head
6.Who Will the Next Fool Be
B-side
1.Amazing Grace(Used to Be Her Favorite Song)
2.Anything You Want
3.My Tears Still Flow
4.Emma-Jean
5.Why Can't I Be Satisfied
6.King of the Cowboys
A-1はジェシ・ウィンチェスターが『Learn To Love It』の中で取り上げた「Third Rate Romance」です。ジェシとはまた違った雰囲気でラッセルの独特の唱法で生かされ れています。
A-3はブルーグラス。
A-4はなんとも美しいバラード.です。
A-5はロックンロール調ナンバー。
A-6はチャーリー・リッチの曲。
B-1はご存じアメージング・グレイス、「彼女の一番好きだった曲」として歌っています。全く別曲です。カントリーフレーバーあふれた曲。
B-3はソウル。
B-4ではかつてのギタリスト。ジム・カーショウが弾いています。カントリーです。
B-5は珍しくマイナー調の曲です。ギターがいい。
B-6は最後にふさわしくスローカントリーで締めくくります。
このアルバムはカントリーチャートで12位を記録し、シングルのA-1はカナダのカントリーチャートの1位になりました。
翌年、A.R.Aはセカンドアルバム『Too Stuffed to Jump』を発表します(これも入手困難のようです)。