今日の「この人の、この1枚」はヤングブラッズ(The Youngbloods)のファースト・アルバム『ヤングブラッズ(The Youngbloods)』です。このアルバムは後に『ゲット・トゥゲザー(Get Together)』というタイトルで再発売されました。
ヤングブラッズは1960年代後半にラヴィン・スプーンフル(Loving Spoonfull)などと並んでイースト・コーストで人気を博した洒落たバンドでした。
1965年にそれまでソロで活動していたシンガー、ジェシ・コリン・ヤング(Jesse Colin Young)がジェリー・コービット(Jerry Corbitt) と出会うことから始まります。ジェシはそれまでにアルバムを2枚出していました。彼らは共に活動することになり、それまでの単なる弾き語りフォークではなくバンドを組もうということになって、メンバーを探し始めました。そして参加したのがジャズ・ドラマー志望のジョー・バウワー(Joe Bauer)とその友人のバナナ(Lowell "Banana" Levinger)でした。
集まった4人はさっそく練習を開始、翌年にはステージデビューを飾り、レコード会社との契約も成立しました。バンド名はジェシの2枚目のソロアルバム『Youngblood』からヤングブラッズと命名しました。
そして1967年にファースト・アルバム『The Youngbloods』がリリースされたのです。
Side A
1.Grizzly Bea
2.All Over the World
3.Statesboro Blues
4.Get Together
5.One Note Man
Side B
1.The Other Side of This Life
2.Tears Are Falling
3.Four in the Morning
4.Foolin' Around
5.Ain't That Lovin' You
6.C.C. Rider
メンバーは
ジェシ・コリン・ヤング(Jesse Colin Young) – bass, lead vocals, rhythm guitar
ジェリー・コービット(Jerry Corbitt) – rhythm guitar, backing vocals
バナナ(Lowell "Banana" Levinger) – lead guitar, electric piano
ジョー・バウワー(Joe Bauer)– drums, percussion
プロデュースはあのフェリックス・パパラルディ(Felix Pappalardi)です。
ヤングブラッズの特徴はフォーク、ロック、ブルース、ジャズ、カントリー、ブルーグラスなどあらゆる要素を取り込んだ音楽で、それを独特の料理法でまとめていくという感じです。この辺りはラヴィン・スプーンフルにも共通したものが見られます。
A3やB5、B6はブルース・ナンバーです。
B1はフレッド・ニールの曲。
そしてなんといっても大ヒットしたのがA4の「ゲット・トゥゲザー」です。これはクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスのディノ・ヴァレンティの曲です。発売当初はさほどでもありませんでしたが、2年後に再発された時には全米で5位になり、100万枚以上売れました。この曲はジェファーソン・エアプレインをはじめ多くのミュージシャンもカバーしましたが、ヤングブラッズ・バージョンが一番売れました。
しかし、アルバムのほうはパッとしませんでした。続くセカンド・アルバム『Earth Music』も立て続けに発売されましたが、これも売り上げは今一つでした。これら、アルバムの売り上げが今一つだったので、メンバーはシングルの「ゲット・トゥゲザー」の再発を希望し、これが当たったという訳です。
ここで、ジェリー・コービットが退団し、メンバー間の不協和音が立ち始めました。
1969年に3人体制でアルバム『Elephant Mountain』をリリースしました。プロデュースはチャーリー・ダニエルズでした。
この頃からバンドの本拠地も西海岸に移しました。
その後はレコード会社をワーナーに移し、2枚のライヴ・アルバムと2枚のスタジオ・アルバムをリリースして1972年に解散しました。メンバー間の軋轢は極致に達していました。
最終アルバムの『High On A Ridge Top』の発売前にはジェシはバンドを去っていました。
その後、ジェシはソロ活動で成功をおさめます。1977年には来日も果たしました。当然観に行きました。
1984年にヤングブラッズは再結成ツアーを行いました。この時にはジョー・バウワーは亡くなっていました。1982年でした。
2014年にはジェリー・コービットが亡くなっています。
ジェシ・コリン・ヤングは健在です。
The Youngbloods - Get Together (Audio)
Grizzly Bear - The Youngbloods, 1966
The Youngbloods - "Statesboro Blues" - Stereo LP - HQ
The Youngbloods - "The Other Side of This Life" - Stereo LP - HQ
それでは今日はこの辺で。