初期の頃のカントリーロックのコンピレーション・アルバムです。1966年から1974年までの録音を集めたものです。全て既発ですので特に珍しいこともありませんが、昔のカントリーロックを手っ取り早く聴くのにはもってこいの編集になっています。2006年の発売でした。
『Country & West Coast The Birth Of Country Rock』
01. Im On My Way Home Again – The Everly Brothers
02. Beware Of Time – The Corvettes
03. Time Between – The Byrds
04. Why Not Your Baby – Dillard & Clark
05. Luxury Liner – The International Submarine Band
06. Your Gentle Ways Of Loving Me – Guilbeau & Parsons
07. Sugar Babe – The Youngbloods
08. Georgia – The Gosdin Brothers
09. One Hundred Years From Now – The Byrds
10. Tears – Pure Prairie League
11. Nobody Knows – The Dillards
12. Sin City – The Flying Burrito Brothers
13. Willin - Johnny Darrell
14. Nine Times Blue – Michael Nesmith & The First National Band
15. Ooh Las Vegas – Gram Parsons
16. April Anne – John Phillips
17. Hong Kong Hillbilly - Clarence White
18. Time - Blackburn & Snow
19. You Better Think Twice – Poco
20. Tried So Hard – Gene Clark
21. Take Care Of Business – Ian & Sylvia
22. Make Up Your Mind – The Spencers
23. Butchies Tune – The LovinSpoonful
24. Shell Game – Jerry Jeff Walker
エヴァリー・ブラザースはサイモン&ガーファンクルでもヒットした「バイ・バイ・ラヴ」のヒットで有名なドンとフィルのエヴァリー兄弟デュオです。この曲は1969年のシングル。いかにもカントリーロックという曲です。
コルベッツはカレイドスコープやニッティ・グリッティ・ダート・バンドのクリス・ダーロウが作ったバンドで、リンダ・ロンシュタッドのバックバンドとしても活動しました。この曲は1969年のシングルです。
バーズは説明不要のフォークロック、カントリーロックのビッグ・ネーム。この曲はクリス・ヒルマン作で4枚目のアルバム『昨日より若く』から。まだグラム・パーソンズは加入していませんが、カントリーロックの要素は十分にありました。クリス・ヒルマンはカントリー出身ですから当然ですが。もう1曲はグラム・パーソンズ加入後の名作『ロデオの恋人』から、グラムの曲。当然以前に取り上げました。
ディラード&クラークはバーズを辞めたジーン・クラークがダグ・ディラードと作ったバンド。曲は1969年のシングル。ジーン・クラークのヴォーカルは素晴らしいし曲も最高。ジーン・クラークのもう1曲は1967年のソロアルバム『Echoes』から。ジーン・クラークについても既に書いています。
インターナショナル・サブマリン・バンドはグラム・パーソンズがバーズに加入する前に結成したバンド。アルバム『Safe At Home』から。エミルー・ハリスもアルバムタイトルにして取り上げています。グラム・パーソンズも当然ながら以前に書いています。
ギルボ―&パーソンズは共にナッシュビル・ウェストのメンバーです。ギブ・ギルボーは後にフライング・バリット・ブラザースに参加し来日しました。観に行きました。ジーン・パーソンズはグラム・パーソンズがバーズを去った後、同じくナッシュビル・ウェストのギタリスト、クラレンス・ホワイトと共にバーズに加入、解散後はフライング・バリットに参加します。
ヤングブラッズはジェシ・コリン・ヤングが率いるバンド。曲はアントニオーニの映画『砂丘』で使われた曲です。ヤングブラッズはラヴィン・スプーンフルと比較されたニューヨークの人気バンドでした。ジェシはその後ソロとなって活躍しました。以前このブログでも取り上げました。
ゴスディン・ブラザースはジーン・クラークのファーストソロアルバムで一緒にレコーディングした兄弟デュオです。この曲はこれが初出かもしれません。独自に1枚アルバムを出しています。その後はヴァ―ン・ゴスディンがソロアルバムをリリースしています。
ピュア・プレイリー・リーグはクレイグ・フラーなども参加したカントリー・ロックバンド。結成は1969年でした。アメリカでは人気バンドでした。曲は1972年のファーストアルバムから。
ディラーズはダグ・ディラードが結成したバンド。ハーブ・ペダーソンやバイロン・バーラインなどが在籍していました。ダグ・ディラードはこのバンドを去って、先ほどのディラード&クラークに参加しました。曲は1968年の4枚目のアルバム『Wheatstraw Suite』から。
フライング・バリット・ブラザースは説明の必要なし、というくらいにカントリーロック界では欠かせない存在。グラム・パーソンズ、クリス・ヒルマン、スヌーキー・ピート、クリス・エスリッジが創設メンバー。曲はファーストの『黄金の城』からの名曲。FBBも何度もこのブログには登場しています。
ジョニー・ダレルはアメリカのカントリー・シンガーです。1997年に亡くなっています。57歳でした。この曲はリトル・フィートのロウエル・ジョージの名曲です。
マイケル・ネスミス&ファースト・ナショナル・バンドはモンキーズのマイク・ネスミスがモンキーズを去った後に結成したロックバンド。モンキーズに飽き足らなくなったマイク・ネスミスは1968年にバンドを去りファーストソロアルバムを発表します。これはその中のオープニング曲です。シングル「シルバー・ムーン」がヒットしました。
グラム・パーソンズはカントリーロックにとっては最重要人物です。僅か26歳での死が惜しまれます。前述のインターナショナル・サブマリン・バンド、バーズ、フライング・バリット・ブラザース、ソロとカントリーロック界の牽引者でした。ローリング・ストーンズとの交流も有名です。曲はセカンドソロアルバム『Grievous Angel』から。エミルー・ハリスとのデュオ。
ジョン・フィリップスはママス&パパスのメンバーというかリーダーです。「カリフォルニア・ドリーミング」や「マンデー・マンデー」で有名。曲は1969年のソロあるアム『John Phillips』から。2001年に65歳で亡くなっています。
クラレンス・ホワイトも最重要人物。ケンタッキー・カーネルズ、先ほどのジーン・パーソンズとのナッシュビル・ウェスト、そしてバーズに参加。その後、ミュール・スキナーと渡り歩きました。特にバーズでのギタリストとしての力量はバーズがようやくライブが出来るようになったことでも証明されます。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」でも41位に選ばれています。しかし、1973年酔っ払い運転の車に巻き込まれ死亡しました。29歳でした。曲はナッシュビル・ウェスト時代の曲です。
ブラックバーン&スノーはジェフ・バックバーンとシェリー・スノーのフォークロックのデュオです。結成は1964年です。1967年には解散しています。解散後、ブラックバーンはモビー・グレイプに参加。この二人はジェファーソン・エアプレインやクイックシルバーの連中やデヴィッド・クロスビーなど西海岸のミュージシャンとの交流もよく知られています。
ポコはバッファロー・スプリングフィールド解散後にリッチー・ヒューレイとジム・メッシーナが設立したバンド。1969年には名作『Pickin' Up The Pieces』を発表。この曲はセカンドアルバム『Poco』より。カントリーロック界には欠かせない存在です。リッチーはポコ脱退後、サウザー・ヒルマン・ヒューレイ・バンド。ジム・メッシーナはロギンス&メッシーナを結成。以前このブログでも取り上げました。
イアン&シルヴィアはイアン・タイソンとシルヴィア・タイソンの夫婦デュオ。1964年に結婚し、1975年に離婚し解散。ピーター・ポール&マリーやブラザース・フォーと並んでフォークブームを巻き起こしました。曲は1968年の『ナッシュビル』から。
スペンサーズのことはよくわかりません。デイヴ・スペンサーとルー・スペンサーという二人がいたということぐらいです。1968年の録音。
ラヴィン・スプーンフルはジョン・セバスチャン率いる洒落たバンド。ザル・ヤノフスキー、スティーヴ・ブーン、ジョー・バトラーの4人。『魔法を信じるかい』が大ヒット。その後次々ヒットを飛ばすも1968年には解散します。以前このブログでも取り上げました。この曲は2作目の『Daydream』から。
ジェリー・ジェフ・ウォーカーは「ミスター・ボー・ジャングル」で一躍有名人に。この曲は3枚目のアルバム『Driftin' Way of Life』から。以前にこのブログでも取り上げました。
選曲は別としても、取り上げているミュージシャンはなかなかよろしいのではないでしょうか。CD1枚にまとめるにはやはり限界があります。
私的に難点を言えば、もう少しそれぞれのミュージシャンの代表曲を入れて欲しかったというところでしょうか。ぜいたくを言っても仕方ありませんが。
International Submarine Band-"Luxury Liner" from "Safe at Home"
THE FLYING BURRITO BROTHERS /// 2. Sin City - (The Gilded Palace Of Sin) - (1969)
それでは今日はこの辺で。