アメリカはペンシルヴェニア州出身のマルチロックミュージシャン、『トッド・ラングレン(Todd Rundgren)』。生まれは1948年ですから現在69歳です。
トッドはミュージシャンとしても有名ですが、プロデュースやミキシングでも数多くのアーティストを手掛けてきました。ザ・バンド、ジェシ・ウィンチェスター、グランド・ファンク、バッド・フィンガー、ホール&オーツ、バターフィールド・B.B、フェリックス・キャバリエ、ミート・ローフ、リック・デリンジャー、チープ・トリック、XTCなどなど、ざっと挙げただけでもこれだけの名前が出て来ます。さらにプレイヤーとしての参加も数多くあります。カヴァーされた楽曲も数え切れないくらい程です。とにかくマルチナプレイヤーとして知られています。
トッドは1967年に『ナッズ(The Nazz)』を結成します。当時流行っていたサイケデリック・ロックでアルバムを立て続けに3枚出して注目を集めました。しかし、1970年にはナッズを解散します。
そして1970年にソロになってのファーストアルバム『Runt(ラント)』がリリースされます。
とにかくトッドの声は甘く切なく、ポップチューンを歌うのにピッタリです。このアルバムでも早くも甘いポップ感覚が花開きつつあります。
そして翌年、セカンドアルバム『Runt: The Ballad of Todd Rundgren』をリリースします。
なんとも不気味なジャケットですが、中身は前作の延長線上にありますが、タイトル通りバラードが多くなっています。ロック色も強くなっています。
そして1972年に今日の一枚『Something/Anyting?』がリリースされます。2枚組でした。
Side A
1.I Saw the Light
2.It Wouldn't Have Made Any Difference
4.Cold Morning Light
5.It Takes Two to Tango (This Is for the Girls)
6.Sweeter Memories
Side B
1.Intro
2.Breathless
3.The Night the Carousel Burnt Down
4.Saving Grace
5.Marlene
6.Song of the Viking
7.I Went to the Mirror
Side C
1.Black Maria
2.One More Day (No Word)
3.Couldn't I Just Tell You
4.Torch Song
5.Little Red Lights
Side D
1.Overture–My Roots
2.Dust in the Wind
3.Piss Aaron
4.Hello It's Me
5.Some Folks Is Even Whiter Than Me
6.You Left Me Sore
7.Slut
ギターでリック・デリンジャー、エイモス・ギャレット、ベン・キースが参加しています。2枚目の途中までは全てトッドによるレコーディングです。
1枚目のオープニングは大ヒット曲「I Saw the Light」です。まずこれでやられます。1枚目は全体的にこれまで通りポップな曲を揃えています。
2枚目になるとハードロック的なものや、プログレッシブ的なものまでロック色が強く出ており、トッドの音楽性の幅広さが伺えます。Side Dの4も彼の代表曲になったポップな曲です。
翌1973年には4枚目のアルバム『A Wizard, a True Star』を、さらに1974年には『Todd』をそれぞれリリースします。
これまでのポップロックから前作の2枚目で魅せた音楽の多様性を引き継いでいます。かなり実験的な曲も含まれています。
この後、トッドは自身のバンドユートピアを結成します。以後はトッド・ラングレンズ・ユートピアとして活動することになります。アメリカ版プログレッシブロックです。
トッドは有り余る才能を、どんどん広げて、ロックだけに収まり切れないところまで行ってしまったようです。日本人アーティストのプロデュースなども手掛けていたようです。
近年の動向は不明ですが、彼のことですからまたとんでもないことをやっているのではないでしょうか。
Todd Rundgren - I Saw The Light (1972)
Todd Rundgren - Hello It's Me (1972)
それでは今日はこの辺で。