ブルース、ジャズ、フュージョン、ロックと幅広いジャンルをこなすギタリスト、ロベン・フォード(Robben Ford)です。
1951年、アメリカカリフォルニア州生まれです。10歳でサックスを始め、13歳でギターを始めます。彼は2人の兄弟と共にチャールズ・フォード・ブルース・バンドを結成します。チャールズはギタリストである父親の名前です。すぐにチャーリー・マッセルホワイトに雇われ活動を共にしました。バンド自体もアルバムをリリースしています。
その後、ロベン・フォードはジミー・ウィザースプーンやフュージョンのトム・スコット、ジョニ・ミッチェルのレコーディングなどに参加します。
そして1976年にファーストアルバム『Schizophonic』でソロデビューします。
そして1979年にはロベン・フォードの最高傑作との呼び声高い『The Inside Story』がリリースされます。
スティーヴ・クロッパーのプロデュースによる本作は、彼のフュージョンの始まりです。
その後もソロアルバム自身のバンドの結成、マイルス・デイヴィスや渡辺貞夫との競演などジャズ、フュージョンへも積極的に関わっていきました。
そんな彼の数多くあるアルバムの中から、私の好きな3枚をピックアップします。
まずは1988年にリリースされた『Talk to Your Daughter』です。
01.Talk to Your Daughter
02.Wild About You (Can't Hold Out Much Longer)
03.Help the Poor
04.I Ain't Got Nothin' but the Blues
05.Born Under a Bad Sign
06.I Got Over It
07.Revelation
08.Getaway
09.Can't Let Her Go
パーソナルは
ロベン・フォード(Robben Ford,g,vo)
ロスコ・ベック(Roscoe Beck,b)
ヴィニー・コライウタ(Vinnie Colaiuta,ds)
ラッセル・フェランテ(Russel Ferrante,key)
プロデュースはスコット・ファーガソン(Scott Ferguson)とロベン・フォードです。
このアルバムリリースの前までマイルス・デイヴィスとの共演などがあり、ジャズ・フュージョンに傾倒していたロベンですが、ブルースに戻ってきました。
オリジナルは2曲で、あとはブルースとジャズナンバーのカバーです。1曲メンバーのフェランテが描いています。
やはりロベン・フォードはブルースが似合います。といっても、いわゆるそれまでのブルースとは違い、ジャズ・フュージョンからのブルースへの接近とでもいいますか、ジャズ・ブルースとでもいいますか、新しいブルースの解釈だと思います。
続いては2002年リリースの『Blue Moon』です。
01.Up the Line
02.Hard to Please
03.Don't Deny Your Love
04.Make Me Your Only One
05.Indianola
06.My Everything
07.Way You Treated Me (You're Gonna Be Sorry)
08.Sometime Love
09.Good to Love
10.Something for the Pain
11.It Don't Make Sense (You Can't Make Peace)
12.Don't Deny Your Love
13.The Toddle
パーソナルは
ロベン・フォード(Robben Ford,g,vo)
ロスコ・ベック(Roscoe Beck,b)
ヴィニー・コライウタ(Vinnie Colaiuta,ds)
ラッセル・フェランテ(Russel Ferrante,key)
その他に
ニール・ラーセン(Neil Larsen,key)
チャーリー・マッセルホワイト(Charlie Musselwhite,harmonica on 13)
などです。
プロデュースはウォルター・ニュー(Walter New)とロベン・フォードです。
ニール・ラーセンが参加ということでフュージョンも強くなっていますが、ロベンの流れるようなブルースギターがたまらないです。特にオープニングのギターにはノックアウトです。このアルバムが私の中では最高傑作だと思います。
最後はロベン・フォードが尊敬して止まないマイク・ブルームフィールドの捧げたアルバム『In Memory of Michael Bloomfield』です。
01.Interview
02.Killing My Love
03.59th Street Bridge Song
04.Stop
05.Next Time You See Me
06.Interview
07.I Got a Mind to Give Up Living
08.Interview
09.Groovin' Is Easy
10.Peter's Trip
11.The Ones I Loved Are Gone
12.It's About Time
13.Jimi the Fox
14.Mary Ann
15.Interview
16.Blues With a Feeling
17.Interview
18.Blues for MB
アルバム名義はロベン・フォード・ブルース・バンドです。
メンバーは
ロベン・フォード(Robben Ford,g,vo)
パトリック・フォード(Patrick Ford,ds)
クリス・ケイン(Chris Cain,g)
ヴォルカー・ストライフラー(Volker Strifler,g,vo)
デュエイン・ペイト(Dewayne Pate,b)
アンディ・ジャスト(Andy Just,harmonica,vo)
その他参加ミュージシャンもいます。
ジョン・リー・サンダース(John Lee Sanders,sax,vo)
ジョン・R・バー(John R. Burr,key)
プロデュースはパトリック・フォード(ロベンの兄)です。
この前の年に『A Tribute to Paul Butterfield』というアルバムを出していますが、マイクに対する思い入れは相当なものだったのでしょう。
『In Memory of Michael Bloomfield』ではマイクの5つのインタビューが挿入されています。
ロベンは03,07,12,14の4曲でヴォーカルとギターを担当しています。中でも聴きものは07のポール・バターフィールド・ブルース・バンドの『East-West』に収められていた07の『I Got a Mind to Give Up Living(絶望の人生)』でしょう。オリジナルを超える出来です。
そのほかのギターはクリスとヴォルカーです。ヴォーカルはクリスが02と11、ジョン・リーが09、ヴォルカーが05、アンディが16となっています。
アル・クーパーとの『フィルモアの奇跡』からも何曲か取り上げられています。嬉しい限りです。
ロベン・フォード、現在67歳ですがまだまだ元気いっぱいのようです。
Robben Ford - Talk To Your Daughter
Robben Ford & Chris Cain - I Got A Mind To Give Up Living
それでは今日はこの辺で。