昨日のキネ旬シアターは『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて』でした。
監督：クリス・フォギン
主演：ダニエル・メイズ、デヴィッド・ヘイマン、ジェームズ・ピュアフォイ
製作：２０１９年 イギリス
イギリスの音楽チャートを賑わせた漁師バンド、フィッシャーマンズ・フレンズの実話の映画化です。
舞台はイギリス南西部のコーンウォール地方の港町ポート・アイザック。風光明媚な観光地です。この地を旅した音楽マネージャーのダニー達４人は、偶然港で舟歌を歌う漁師たちを見かけます。ダニーの上司はダニーにからかい半分で彼らと契約を結べと言い残し、ロンドンへ帰ってしまいます。
彼らは「フィッシャーマンズ・フレンズ」と名乗っています。港町に残されたダニーはバンドのリーダー・ジムの娘で民宿を経営するシングルマザーのオーウェンを通じてバンドに近づこうとしますが、ちょっとした失言で彼女に嫌われてしまいます。それでもダニーの音楽に対する情熱に押され協力するようになります。
バンドのメンバーたちの音楽に対する純粋さや人柄に惚れ込んだダニーはようやく契約を結ぶことに成功し、全英デビューに向けて動き出します。ところが言い出しっぺの上司は「あれは冗談だ」と言うのでした。ダニーは会社を辞め、ライバル会社に売り込みをします。そこで運よく若いスタッフの目に留まり、テレビ出演が実現するのです。
そのテレビ番組は女王の誕生日の特別番組でした。彼らは国家を歌うはずでしたが、実際に歌ったのはなんとコーンウォール賛歌でした。頭を抱えるダニー。ところがこの歌声が全英で評判となり、ＣＤデビューが実現したのです。そしてなんといきなり全英９位になったのです。
一方で村の憩いの場であるゴールデン・ライオン・パブが経営難に陥り売却されることになってしまいました。この件にもダニーは関わって村の連中から顰蹙を買います。しかし、これもダニーがロンドンの自宅を売って、買い戻すことに成功します。そしてダニーとオーウェンもめでたく結ばれます。
絵にかいたようなサクセスストーリーです。途中涙を誘う場面もありますが、心温まる映画でした。
私もこのバンドの存在は知りませんでした。イギリスのチャートで初登場９位というのは凄いです。今でもメンバーの入れ替えはあるものの現在も活動を続けているようです。
彼らの歌う漁師歌はまさにトラディショナル・フォークです。スティーライ・スパンやリンディスファーンが取り上げそうな歌です。パブで客みんなが声を揃えて歌う様子はいかにもイギリスらしい光景です。
主役のダニー役のダニエル・メイズは『シンクロ・ダンディーズ！』にも出演していました。そういえばこの映画もサクセスストーリーでした。
恋人オーウェン役のタペンス・ミドルトンは実に魅力的な女優でした。
歌あり、笑いあり、涙ありの楽しい一時でした。
映画『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて』予告
それでは今日はこの辺で。
