ジミ・ヘンドリックスに憑りつかれた男、ロビン・トロワー(Robin Trower)はイギリスはロンドンに1945年に生まれました。
小さい頃からB.Bキングやオーティス・ラッシュなどのブルース・ギタリストに憧れていました。
1963年にゲイリー・ブルッカー達とパラマウンツ(The Paramounts)を結成します。しかしR&Bのバンドとしての評判は良かったもののなかなかヒット曲が生まれず1966年には解散します。
その後ゲイリー・ブルッカーはプロコル・ハルム(Procol Harum)を結成、いきなりシングル「青い影」が大ヒットします。しかし、アルバムレコーディン中にギタリストとドラマーが脱退。ゲイリーはパラマウンツで一緒だったロビン・トロワーを誘い、加入させました。
これがロビン・トロワーのメジャーなスタートとなりました。
しかし、現実はロビン・トロワーが考えていたものとはちょっと違いました。トロワーはプロコル・ハルムのブルース・フィーリング溢れる演奏を望んだのですが、プロコルはどちらかというとクラシック寄りの曲を多く手掛けていました。それでも中にはハードロック色の強い曲もあり、トロワーはバンドに残りました。
そして1970年にジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスと競演する機会を得ました。そこでジミ・ヘンドリックスのギタープレイを聴いて大きなショックを受けました。と同時に新たな自分の方向性を見つけたのです。
ジミ・ヘンドリックスが亡くなった後、1971年にプロコル・ハルムの第5作としてリリースされた『Broken Barricades』の中で「Song For Dreamer」をジミ・ヘンドリックスに捧げるとして発表しました。このアルバムはロビン・トロワーが前面に出たハードロックアルバムになりました。しかし、彼はバンドの進む方向性との違いを感じ、プロコル・ハルムを脱退しました。1971年でした。
その後、ストーン・ザ・クロウズ(Stone The Crows)のベーシスト・ヴォーカリストのジェイムス・デュワー(James Dewar,b,vo)とジェスロ・タルのドラマー、クライヴ・バンカーとJudeというバンドを結成しますが、短期間で解散します。
そして今度はジェイムス・デュワーとレグ・イシドア(Reg Isidore,ds)を誘いロビン・トロワー・バンドとしてスタートすることになりました。
そして1973年クリサリス・レコードからファーストアルバム『Twice Removed from Yesterday』をリリースします。
プロデュースは一足先にプロコル・ハルムを脱退したマシュー・フィッシャー(Mathew Fisher)が担当しました。 このアルバムはジミヘンの影響が随所に見られましたが、商業的には成功しませんでした。
翌1974年にセカンドアルバム『Bridge of Sighs』がリリースされます。
Side A
1.Day of the Eagle
2.Bridge of Sighs
3.In This Place
4.The Fool and Me
Side B
1.Too Rolling Stoned
2.About to Begin
3.Lady Love
4.Little Bit of Sympathy
プロデュースは前作に引き続きマシュー・フィッシャーです。
前作ではジェイムス・デュワーの曲もしくは共作がほとんどでしたが、このアルバムではほとんどがロビン・トロワーの曲になっています。
A-1はアップテンポのロックンロールナンバー。
A-2はスローテンポのジミヘンを思わせるギターが炸裂。
A-3は静かな、しかし重いロックナンバー。ジェームス・デュワーの声はポール・ロジャースにちょっと似てて、こういうギターにはピッタリです。
A-4はファンキーなロックンロール。
B-1もファンキーです。
B-2は叙情的なロビン・トロワーのギターが印象的。
B-3は正統派ロック。
B-4はファンキーなロックナンバー。ここでもギターが光ります。
前作に比べファンキーな曲が増えたように思います。もちろん前作のジミヘンばりのギターは健在です。
このアルバムは全米でも7位のゴールドディスクに輝くヒットとなりました。
この後も、ロビン・トロワーはコンスタントにアルバムを出し続けています。
1981年にはジャック・ブルースとのトリオを組み、2枚のアルバムを発表しています。
また1991年にはプロコル・ハルムの再結成にも参加しました。その後もブライアン・フェリーのレコーディングやツアーにも参加。ソロアルバムも制作と精力的に活動しています。現在73歳、まだまだ元気です。
Robin Trower - Bridge of Sighs - 01 - Day Of The Eagle
Robin Trower - Bridge Of Sighs - 08 - Little Bit Of Sympathy
Robin Trower - Bridge Of Sighs - 07 - Lady Love
ROBIN TROWER - Bridge Of Sighs (1974 UK TV Appearance) ~ HIGH QUALITY HQ ~
それでは今日はこの辺で。