今日の「この人の、この1枚」はタジ・マハール(Taj Mahal)の『The Real Thing』です。
タジ・マハールは黒人ブルースマンとしては珍しくニューヨーク・シティ生まれです。黒人ブルースマンというとシカゴやミシシッピ、テキサスなどの出身が多いのですが、ブルースにあまり馴染みのないニューヨーク生まれというのが彼のブルースに対する感覚が他のブルースマンとちょっと違っているところなのでしょう。
マサチューセッツ大学卒業後にロサンゼルスに移り住みます。そこでライ・クーダー(Ry Cooder)と知り合いグループを結成します。が、すぐに解散し、ソロ活動を始めます。この辺りにブルース一辺倒ではなく白人のロックにも通じる音楽性を持っていたのでしょう。
1968年にファースト・アルバム『Taj Mahal』をリリースします。ここにはライ・クーダー、ジェシ・エド・デイヴィス(Jesse Ed Davis)が参加しています。
立て続けにセカンド・アルバム『The Natch'l Blues』をリリースします。ここではアル・クーパー(Al Kooper)も参加しました。
1969年に3枚目のアルバム『Giant Step』をリリースします。これは2枚組アルバムでした。
そして1971年に発売されたのが『The Real Thing』です。これは1971年2月にフィルモア・イーストで3日連続で行われた行われたライヴの模様を収録したアルバムです。1971年と言えばフィルモア・イーストも絶頂期の頃でウエストと並んで多くのミュージシャンがライヴを行った場所です。
ブラス・セクションが4人揃っています。それも全員チューバを演奏するという珍しいバンド構成になっています。他にギターでオーリアンズのジョン・ホール、ピアノでジョン・サイモンらが参加しています。非常に珍しいブルース・アルバムになっています。
The Real Thing
Side A
1.Fishin' Blues
2.Ain't Gwine To Whistle Dixie (Any Mo')
3.Sweet Mama Janisse
4.Going Up To The Country, Paint My Mailbox Blue
5.Big Kneed Gal
6.You're Gonna Need Somebody On Your Bond
Side B
1.Tom And Sally Drake
2.Diving Duck Blues
3.John, Ain' It Hard
4.You Ain't No Street Walker Mama, Honey But I Do Love The Way You Strut Your Stuff
メンバーは
Taj Mahal – vo, harp,g,banjo
Howard Johnson – tuba , flugelhorn,sax
Bob Stewart – tuba, flugelhorn, trumpet
Joseph Daley – tuba, trombone
Earle McIntyre – tuba, trombone
Bill Rich – b
John Simon – p
John Hall – g
Greg Thomas – ds
Kwasi "Rocky" DziDzournu – congas
プロデュースは David Rubinsonです。
A-6はブラインド・ウィリー・ジョンソン。
B-2はスリーピー・ジョン・エスティス
B-4は18分超の長尺ブルース。
それでは今日はこの辺で。