Flying Skynyrdのブログ

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『グレイトフル・デッド(Grateful Dead)』 ’70年代前半編

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昨日の続きです。
昨日のグレイトフル・デッド(以下、デッド)は’60年代まででした。今回は’70年代の前半までについて書いてみたいと思います。

『Live Dead』までのデッドはサイケデリック・バンドというイメージが強かったですが、1970年発表の『Workingman's Dead』はあっと驚く大変身でした。

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トム・コンスタンテンがグループを離れます。音楽の方はカントリー・フォークロックです。初めてこれを聴いた時は、「なんじゃこりゃ、こんなのデッドじゃない」なんて思ってしばらく聴きませんでした。ところが何かのきっかけで、再び聴いた時に不思議な感動に襲われました。メロディーはきれいだし、ハーモニーがCSN&Yのように美しく、ガルシアのアコースティックギターも素晴らしい。もともとデッドはハードロックでもないし、むきになってロックを演奏するというタイプのバンドではなく、どちらかというとのんびり、だらだらと演奏を続けるタイプのバンドなので、こういうカントリーやフォークミュージックというのは合っているのだな、と納得してしまいました。

 

同じ年に発表された『American Beauty』は前作以上に、静かにその名の通り美しいメロディに包まれたアルバムに仕上がりました。

 

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 初めて聴いた時は、さすがにここまでくると、やりすぎだな、なんて思いましたが、聴いているうちに引き込まれるようになりました。1曲目のフィル・レッシュの曲から、「Sugar Magnolia」「Truckin'」などどれをとっても素晴らしい曲です。

 

1971年に2枚組のライブアルバム『Grateful Dead』を発表します。これは別名「Skull & Roses」と呼ばれました。

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ミッキー・ハートがバンドを離れます。フィルモア・イーストやウィンターランドなどでのライブ音源を集めたものです。軽いロックンロールのライヴアルバムです。『Live Dead』とは違って聴きやすいライブアルバムです。クリス・クリストファーソンの「Me And Bobby McGee」やチャック・ベリーの「Jonny B. Good」、マール・ハガードの「Mama Tried」など、おなじみの曲が並びます。レコードの2面はデッド得意の長尺インプロで1面を費やします。

 

翌1972年には、ヨーロッパツアーの模様をレコーディングした3枚組ライブ『Europe'72』が発売されます。

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このアルバムからキース・ゴッドショー(Keith Godchaux,key)と奥方のドナ・ゴッドショー(Donna Godchaux,vo)が加わります。ゆるゆるデッド極まれり、です。のんびりしていいです。これまでのアルバムからと、未発の曲と半々ぐらいです。ボブ・ウェアのオリジナル「One More Saturday Night」が聴けます。

このツアーのあとピッグペンことロン・マッカーナンはアルコール中毒で亡くなります。26歳でした。

 

翌1973年、『Wake Of The Flood』を発表します。

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このレコードはデッドが新しく設立した「グレイトフル・デッド・レコード」から発売されました。ピッグペンがいませんが、これまでの路線を踏襲しています。

 

この後、1974年、1975年にそれぞれ『From The Mars Hotel』と『Blues For Allah』を「グレイトフル・デッド・レコード 」からリリースします。

From the Mars Hotel    Blues for Allah

 『From The Mars Hotel』にはダグ・ザムが参加しています。『Blues For Allah』からミッキー・ハートが復帰しています。前々作あたりからジャズ的な雰囲気が出てきましたが、『Blues For Allah』の1曲目の「Help On The Way / Slipknot!」ちょっと神秘的な、そしてジャズ風味を醸し出す名曲です。

 

’70年代の前半には、デッド得意のライヴを集めた編集盤が何枚か出ています。

1966年のサフランシスコの「Avalon Ballroom」でのライブ、『VINTAGE DEAD』が出されています。レコードデビュー以前のライブです。CD化はされていないようです。ボブ・ディランの「It's All Over Now Baby Blue」をカバーしています。また18分に及ぶインプロもあります。

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ライブデータは不明ですが「Good Morning Little School Girl」などを収めた『Historic Dead』もありました。

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裏ジャケットを見ると5人組なのでレコードデビュー前でしょう。これもCD化はされていないようです。

これらのアルバムは学生時代に、中古レコード屋を渡り歩き、探し求めたものです。正式なアルバムでもなく、かといって海賊版でもなく、何か変だなと思いながらも買ってしまったという思い出があります。

 

ということで、デッドの’70年代前半をあっさりと見てきましたが、やはりうまく書けません。ジェリー・ガルシアのことも全然書けていません。といって書き出したらどのくらいの量になるのか見当もつきません。

 

この続きはまたの機会にということにします。

 


Grateful Dead - Uncle John's Band (Studio Version)


The Grateful Dead - Casey Jones (Studio Version)


 


Grateful Dead - "Me & Bobby McGee" - Grateful Dead 'Skull & Roses' (1971)

 

それでは今日はこの辺で。