映画俳優が続いたところで今日もやってしまいます。今日は女優です。
梶芽衣子は本名の太田雅子で日活の清純派女優として18歳でデビューでしましたが、いまいち人気が出ませんでした。私はファンでした。きりっとした顔が好きでした。本人はこの時代は不遇の時代と言っています。怨みノートをつけていたようです。
吉永小百合や石原裕次郎、小林旭とも共演しています。太田博之とのW太田で売り出しますがパットしませんでした。それで当時の日活には不良少女がいなかったため、自分がその役をやろうと決心したようです。
1969年にマキノ雅弘監督の『日本残侠伝』に出演した際、監督から改名を勧められ「梶芽衣子」に改名します。
これが成功の始まりでした。翌年からの『野良猫ロックシリーズ』でがらりとイメージチェンジを図り人気を得ました。
しかし、1971年に日活が経営不振でロマンポルノ路線に移行したため、日活を退社し、東映に入社。1972年に『銀蝶シリーズ』で主役、また『女囚さそりシリーズ』でも主役で大ヒットとなります。
その後も『仁義なき戦い 広島死闘編』に出演しますが、東映と揉めて退社。
1978年には増村保造監督で宇崎竜童との共演『曽根崎心中』に出演、1980年には松本清張原作の松竹映画『わるいやつら』にも藤島チセ役で出演しました。
そんな梶芽衣子が映画『女囚さそり』の主題歌「怨み節」が大ヒットします。その後も映画の主題歌を中心に数々のレコードを出してきました。彼女は歌手としてもそんじょそこらの歌手には引けを取りません。歌唱力は抜群です。
01. 怨み節 ~ 東映映画「さそり」シリーズ主題歌
02. 女の呪文 ~ 東映映画「さそり」シリーズ主題歌
04. やどかり
05. ジーンズぶるうす ~ 東映映画「明日なき無頼派」テーマ
06. 因果花
07. 銀蝶渡り鳥 ~ 東映映画「銀蝶渡り鳥」主題歌
08. おんな願い唄
09. 別にどうって事でもないし
10. 酒季の歌
11. あかね雲
12. 残り火
13. 命日
14. 海ほおずき
15. 舟にゆられて
16. 別れ話なんか
17. 雨の夜あなたは
18. 南風
19. 晩夏
20. 芽衣子の夢は夜ひらく
どの曲も素晴らしいです。「怨み節」は超有名曲です。映画を思い出します。
「修羅の花」も映画『修羅雪姫』から。和服の梶芽衣子が美しい。
「ジーンズぶるうす」は『ジーンズブルース 明日なき無頼派』の主題歌です。渡瀬恒彦との共演。井上忠夫作曲。
4の「やどかり」は阿久悠の作詞。
12の「残り火」は宇崎竜童、阿木燿子のコンビ。
16,17はかまやつひろしの作曲、なかにしれいの作詞。かまやつひろしが17の「雨の夜あなたは」のようなムーディーな曲を書くとは思いませんでした。うっとりしてしまいます。
19の「晩夏」は杉本眞人の作曲ですが、最高です。まさに名曲です。このアルバムの中でも特に気に入っています。
20はあの「夢は夜ひらく」の梶芽衣子版です。
怨み歌あり、演歌あり、ポップスありであっという間の70分です。何がいいと言ってもやっぱり声でしょうか。いい声しています。
『女囚さそり』を撮っている頃には婚約者もいて、結婚して引退の予定でしたが、『さそりシリーズ』をなんとか続けて欲しい東映に懇願され1本だけという約束で続けましたが、婚約者はDV男で暴力を振るうようになり、結局破断に。独身を通しました。
夏目雅子主演で注目された映画
彼女のモットー、「媚びない、めげない、挫けない」は彼女の目ヂカラの強さにも現れているようです。
アメリカの映画監督クエンティン・タランティーノは梶芽衣子の大ファンで来日時には対談もしており、自身の映画『キル・ビル』では彼女の「怨み節」と「修羅の花」を挿入歌として使っています。
最近は映画でもめっきり見なくなりました。テレビでもほとんど観る機会がありません。たまに懐かしの歌番組出演して「怨み節」を歌うのを観るぐらいです。だいぶ前になりますがテレビドラマ『相棒』に出演していました。たまには映画で観てみたいですね。
修羅雪姫 (1973) Lady Snowblood - 梶 芽衣子 Meiko Kaji - 修羅の花 Shura no Hana
Meiko Kaji - Ame no yoru no anata wa (雨の夜のあなたは)
それでは今日はこの辺で。