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映画『お隣さんはヒトラー?』を観る ネタバレ

先日のキネ旬シアターは『お隣さんはヒトラー?』でした。

 

監督:レオン・プルドフスキー

脚本:レオン・プルドフスキー、ドミトリー・マリンスキー

出演:ウド・キア 、 オリヴィア・シルハヴィ

製作:2022年  イスラエルポーランド

 

1960年代の南米コロンビアを舞台として、ホロコーストを生き延びたポーランドユダヤ人と彼がアドルフ・ヒトラーだと疑う隣のドイツ人との交流を描くドラマです。

 

1960年5月、ホロコーストから生還したポーランド系のユダヤ人ポルスキーはコロンビアの片田舎に住み黒バラのガーデニングを楽しみに静かに暮らしています。ポルスキーはホロコーストによって家族を全員殺されていました。

世間ではアドルフ・アイヒマンが拘束された事件が話題になっていた頃、隣にドイツ人のハルツォーグが引っ越してきます。ポルスキーはハルツォーグが一見して死んだはずの憎きアドルフ・ヒトラーに間違いないと確信し、通報しますが相手にされません。そこでポルスキーは自分でその証拠を見つけるとハルツォーグに接触を図ります。

 

まずはカメラを買って姿を隠し撮りしますが、彼はなかなかサングラスを外しません。さらに買い集めたヒトラーの関連本からヒトラーが左利きだったことや、絵画が得意だったことなどを調べ上げ、日常生活を観察します。

ある日、ポルスキーが大事に育てていた黒バラがハルツォーグの愛犬に荒らされていたのです。ポルスキーは怒り狂い怒鳴り込みますが相手にされません。挙げ句の果てに黒バラが植わっていた場所はポルスキーの土地ではなくハルツォーグの家の土地だったのです。結果、境界線が引直され黒バラはハルツォーグのものになってしまいました。

また、別な日。二人ともにチェスが好きなことがわかりお互いの家を行き来するようになりました。ポルスキーはハルツォーグの屋敷の中を歩きまわり、ヒトラーであることの証拠を探しますが見つかりません。そしてとうとうナチスの金庫を見つけますが鍵がかかって開けられません。

 

ハルツォーグはポルスキーに肖像画を描いてあげるといい、ポルスキーは出来上がった肖像画を持ち帰り、ヒトラーの描いた絵と比べ、ヒトラーに間違いないと確信します。そして再びその絵をもって役所に通報します。が、またも相手にされず追い返されます。

ハルツォーグはポルスキーの家にある家族の写真を見て、ホロコーストに遭ったことを知り、自宅に呼びます。そしてナチスの金庫を開け、一枚の写真を見せるのです。それはヒトラーの影武者6人が写った写真でした。自分はヒトラーに顔が似ていたために無理矢理影武者に仕立て上げられた。そして今は逃げ回っているのだと告白したのです。

別の日、市役所の人間が来て肖像画を鑑定したところあの絵はヒトラーが描いたものの可能性が高い、よってハルツォーグをこの家で観察させてほしいと言ってきたのです。驚いたポルスキーはそれを断り、慌ててハルツォーグの元へ駆けつけ、疑っていたことを謝罪し、早く逃げるように注目するのです。翌日、ハルツォーグはポルスキーから受け取った黒バラをもって去っていくのです。

 

ヒトラー生存説はまことしやかに囁かれていましたが、実際にも影武者は何人かいたのでしょう。ホロコーストによって殺された家族の憎しみはいかばかりか。そんな被害者と加害者かもしれないが、お互いに心に傷を負った老人たちの心の触れ合い。ラストに救われます。

 

今、中東ではイスラエルによるホロコーストが行われているのです。ネタニヤフの残虐さ、非情さは、まるでヒトラーのようです。1日も早く戦争を終わらせるべきです。

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それでは今日はこの辺で。