Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

『Frogwings』 たった1枚のジャムバンド

今日は『Frogwings』の1枚だけ発売されたアルバムを紹介します。タイトルは「Croakin At Toad's」です。2000年の発売になります。

このバンドのメンバーは以下の通りです。

Kofi Burbridge        keybord & flute(Aquarium Rescue Unit 、デレク・トラックス・                バンド、テデスキ・トラックス・バンド)

Oteil Burbridge       bass(Aquarium Rescue Unit 、オールマン・ブラザース、テデス

                                       キ・トラックス・バンド)

Jimmy Herring        guitar(ジャズ・イズ・デッド、Aquarium Rescue Unit 、オールマ            ン・ブラザース、ワイドスプレッド・パニック)

John Popper           harp & vocals(ブルース・トラベラー)

Marc Quinones       percussion(オールマン・ブラザース)

Butch Trucks          drums(オールマン・ブラザース)

Derek Trucks          slide guitar(オールマン・ブラザース、デレク・トラックス・バン                                                   ド、テデスキ・トラックス・バンド)

 

このメンバーを見てください。オールマンやデッドの周辺の連中はいつもこうやって集まってはジャムっているのでしょうね。

75分のアルバムに8曲ですから想像がつきます。長尺曲を延々と演奏しています。実に楽しそうです。

このころ、オールマン、デッド周辺のAquarium Rescue Unit 、ジャズ・イズ・デッド、フィッシュなどなど、数々のジャムバンドが生まれました。もともとオールマンやデッドもジャムバンドのようなものでしたから、その仲間の連中が次々とバンドを結成するのもよくわかります。同じくオールマンにいたウォーレン・へインズのガヴァメント・ミュールもこの類です。

しかし、この連中の腕は達者です。ジミー・へリングやデレク・トラックスの演奏を聴いているとゆったりとした気分になれます。

このアルバムはこのメンバーによるたった1枚の貴重な演奏です。

元祖のオールマンやデッドのライブアルバムは数え切れないくらいに出ています。私も途中まで追いかけましたが、遂に息切れして止めました。それでもマニアは買い続けているのでしょうね。

 

それでは今日はこの辺で。

『ロキシー・ブルー(Roxy Blue)』 いいね!

眠れるレコード・CD発掘の旅、今回出てきたのは『ロキシー・ブルー』です。アルバムはこの1枚です。確か1枚で解散したと思います。

メンバーはトッド・ポール(Todd Poole,vo,acog)、シド・フレッチャー(Sid "Boogie"Flercher,g)、スコッティ・T(Scotty T,ds)、ジョッシュ・ワイル(Josh Weil,b)のテネシー出身の4人組です。発掘したのは、ドッケンやテスラ、ガンズを送り出したゲフィンのトム・ズータウで、マネジメントがモトリー・クルーのダグ・セイラー、プロデュースがガンズのアルバムをプロデュースしたマイク・クリンクといいますから期待の大きさが窺えます。

内容の方はというと「どうして解散したの?」と疑問に思うくらいに、いい出来です。骨太のハードロックあり、ロックンロールあり、3曲目、10曲目のドラマティックなメロディアスナンバーありと全然飽きません。ザ・フーの「Squeeze Box」もカバーしています。

この後ライブアルバムが出たようですが、その後解散したようです。詳しいことは何もわかりませんがメンバー間のトラブルなどという噂もあります。

クワイアーボーイズの記事でも少し書きましたが、1990年以降という、時代的なものが有るのかもしれません。私などは今聴いても違和感なく聴けますが、当時はグランジブームの加熱で世間的にはハードロック・ヘヴィメタルはちょっと時代遅れという受け止めをされたのかもしれません。私のように時代に関係なく昔から愚直にハードロックを聴き続けている人間にはそのようなことは無いのですが、残念です。

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ロキシー・ブルーはいかにもアメリカ的で、クワイアーよりは少しメタルティックです。


Roxy Blue Times Are Changin' HQ

このようにいいものを持ったバンドでも時代性というものには勝てない部分があるのでしょう。「生まれた、時が、悪いのか、それとも、俺が、悪いのか・・・・」ですか。

また、レコード・CD棚、掘り起こしの旅、続けます。

 

それでは今日はこの辺で。

『ブルース・カンパニー(Blues Company)』 再発見

例によって、レコード・CD棚を漁っていると見つけました。『ブルース・カンパニ―』です。これらを買ったのは確か2000年頃だったと思います。

   

 

当時、ブルース・カンパニ―は日本ではほとんど無名で、入手困難でした。たぶん Amozonで購入したのだと思います。

なぜそんなバンドに興味を持ったかというと、『Blues,Ballads & Assorted Love』というアルバムにスタン・ウェブ(Stan Web,(Chicken Shack))がゲスト出演しているという情報を雑誌か何かで読んで、「これは買わねばならん」となって、購入したのだと思います。

ブルース・カンパニーは4人組でユーゴスラヴィアカリブ海域、あとドイツ人2人です。メンバーはTodor'Toscho'Todorovic(g,vo)、Mike Titre(g,harp,b)、Martin Schmachtenberg(vo,ds)、Olli Gee(b.org)です。

肝心なスタン・ウェブはアルバムの中の1曲のみ、ギターで参加しているだけでした。

「な~んだ、がっかり」と思いながら聴いてみると、これが豈図らんや、実にいいんです。まさにブルース、ブルースロックです。特にスタン・ウェブが参加している3曲目の「Silent Night」、それに5曲目の「Cold Rain」、7曲目の「Crippled Mind」などのバラード、9曲目のスローマイナーブルース「I Just Can't Keep From Cryin'」など、捨て曲なしの16曲の嬉しいボリュームです。

調子に乗って次作の『Invitation To The Blues』も早速購入しました。当時手に入るのがこの2枚だけだったと思います。このアルバムも前作同様素晴らしい出来です。やや前作よりもブルースよりになっています。スローブルースが程よく織り交ぜられて心地よいです。ドン・ニックスの「Goin' Down」もカバーしています。

その後、レコード屋も散々探しましたが1枚も見つけることが出来ませんでした。そうしているうち段々と棚の奥に入り込んでしまったようです。

ブルース・カンパニーの近況を調べてみると、現在もなお活動中で、アルバムも出し続けているようです。最近でもレコード屋では見かけたこともないし、Amozonでもそれほど種類が多くありません。どうしてこうも人気が出ないのでしょうか。やはりブルースは日本では受けが悪いようです。

引き続き地道に捜し歩きます。

それでは今日はこの辺で。

 

 

『ブルース・ピルズ(blues Pills)』 遂にセカンドを入手!

今日は、先日紹介しました『ブルース・ピルス』のセカンドを入手しましたので紹介します。しかも、安価で入手できました。これだからCD漁りは止められません。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

アルバムのタイトルは『レディー・イン・ゴールド』です。

今作からドラマーがアンドレ・クヴァ―ンストロームに替わりました。

10曲入りで1曲を除きあとは全てオリジナルです。その1曲はトニー・ジョー・ホワイトのアルバム『...Continued』に入っている「Elements And Things」という名曲ですが、ブルース・ピルスに係るとこんなふうになっちゃうんだという感じです。

 

前作から引き続き、サイケデリック・ブルース・ロック全開です。が、前作に比べると荒々しさが若干影を潜め、洗練された感じになっています。私個人的にはその点が若干物足りなさを感じますが、それでも十分満足です。エリン・ラーソーンのヴォーカルは相変わらず迫力があり聴かせます。4曲目の「I Felt A Change」や5曲目の「Gone So Long」などはもはや70年代そのものです。9曲目の「Rejection」は名曲に挙げられます。

カバー曲とエリン・ラーソン単独の曲を除き、全曲がエリン・ラーソンとベースのザック・アンダーソンの共作となっています。なかなかのコンビです。

実はこのCDはCDのみなのですが、DVD付きもあるようです。それとは別にさらにライブCDを加えた3枚組もあるそうです。どうりで安いわけです。そのライブというのは2015年のドイツ公演時の模様らしいです。それでこのライブアルバムは単独でも発売されているようです。いろいろやってくれちゃいます。

今回は安値で購入出来たので、致し方ありませんが、このライブ盤をまた探さなければいけません。どうなることやら。

 ジャケットは今回も素晴らしいですが、前作と同じ人物の作品です。

ビデオを1本載せます。


BLUES PILLS - No Hope Left For Me (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

 

それでは今日はこの辺で。

凄いブルース・ロック・シンガー『ミーナ(Meena)』

今日は凄い、ブルースロックの女性シンガーを紹介します。彼女は本名ミーナ・クライル(Meena Cryle)。1977年生まれ、オーストリア出身です。これが意外でした。ヨーロッパの雰囲気は全くありません。

3歳から人前で歌い、7歳では曲作りも始めたというから驚きです。ジミヘンなどのサイケデリック・ロックに影響され、21歳でバンドを結成。旅行で訪れたシカゴでブルースやR&Bに魅了され、歌手の道を目指します。2010年にRUFレコードと契約を結びデビューを果たします。

デビューアルバムは『Try Me』です。

 

トライ・ミー

トライ・ミー

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私がこのアルバムを購入したのは2013年くらいだったと思います。ですからデビューからはだいぶ経ってしまっていました。

1曲目がジェイムス・ブラウンの名曲でタイトル名にもなっている「Try Me」です。聴いた瞬間、これは凄い!と、なりました。とにかく抜群に歌が上手いです。声質も太く、ブルースを歌うのにぴったりです。ジャニス・ジョップリンにも通じるものがあります。ほとんどがオリジナルですが、ラストにルーサー・アリソンのブルースナンバーを取り入れています。それとチッキン・シャックもエタ・ジェイムスもロッド・スチュワートもB.B キングもポール・ウェーラーも演っていた「I'd Rather Go Blind」もカバーしています。

ゲスト・ミュージシャンにはエリック・サーディナス、ジョアン・ショウ・テイラー、そして先日の記事でも紹介したココ・モントーヤなど豪華メンバーです。

lynyrdburitto.hatenablog.com

その後 2012年、2014年とアルバムを出していますが買えていません。

常にCD漁りの時にはチェックしていますが見つかりません。見つければ即買いです。値段によりますが。その時はまた報告させていただきます。

 

フィール・ミー

フィール・ミー

Amazon

 

 

 

それと最新ライブアルバムが今年になって発売されています。これは前作からクリス・フィルモア・バンドとの共作名義になっていて、このライブもその延長のようです。

 

In Concert

In Concert

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 なかなか追いつきません。

 

今回、初めての試みでYouTubeを埋め込んでみたいと思います。上手くいくといいのですが。なにしろ素人なもんで。

2番目はミーナとクリス・フィルモア・バンドのアット・ホームなスタジオ・ライブです。3番目はココ・モントーヤが参加してのライブ。音は悪いです。


MEENA CRYLE- Rather Go Blind (Video Clip)


Meena Cryle and The Chris Fillmore band - It makes me scream - live for Bluesmoose radio


Coco Montoya & Meena Cryle & The Chris Fillmore Band

 

こういうのを聴いているとますますCDが欲しくなります。

それでは今日はこの辺で。

 

レコードジャケット、お気に入り 第11弾

レコードジャケットシリーズも11回目になってしまいました。しつこいです。

今日はフェスティバル形式のライブアルバムやサウンドトラックでお気に入りをちょっと集めてみました。今日も又、ボケと帯が邪魔で見づらいかもしれませんがご容赦願います。それでは。

 

まずはウッド・ストックから。これは前に中写真だけ載せたことがありますが、今回はウッド・ストックⅠ、Ⅱすべて掲載です。

まず、Ⅰの表と中、3枚組です。

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続いて、Ⅱの表と中です。どうやっても帯が外れません。ご容赦。

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次はアトランタ・ポップ・フェスティバルとワイト島のコンサートライブの合体という変なレコード。3枚組。1枚目がアトランタ、2,3枚目がワイト島。

アトランタはオールマン、ポコ、ジョニー・ウィンター、マウンテンなど。

ワイト島はジミヘン、プロコル・ハルム、カクタス、テン・イヤーズ・アフターマイルス・デイヴィス、スライ、ブロンバーグ、レナード・コーエンクリス・クリストファーソンなど。

ワイト島はテイストやジミヘン、ジェスロ・タルザ・フーなどが単独のCDやDVDを出しています。

表と中

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ワイト島のCDとDVDが後年発売されました。

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CDついでにモントレーのCDとDVDも。CDのほうはCDが出始めの頃のものでちょっといかがわしい。こんなジャケット今ではもうないでしょう。5枚組です。DVDは3枚組で豪華なブックレット付です。

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次は『Big Sur Festival』です。これはもともとフォークフェスティバルなのでフォークの人が多いですが。ジョーン・バエズクリス・クリストファーソン。そこにBS&Tとタージ・マハールが出演しているところが面白いです。

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次が『ウディ・ガスリー・メモリアル・コンサート』です。これは凄いです。ディラン、ピート・シーガー、アロー・ガスリー、ジュディ・コリンズなど。帯邪魔。

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次が『キャプリコーン・ライブ』です。キャプリコーン所属の連中によるライブ。

オールマン、マーシャル・タッカー、ウェット・ウィーリー、シーレヴェル、ボニー・ブラムレットなど。帯邪魔。

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次は『No Nukes』です。ノー原子力コンサートです。このメンバーの凄いこと。ドゥービー、ジャクソン・ブラウン、CSN&Y、スプリングスティーン、ポコ、ジェイムス・テイラーカーリー・サイモントム・ペティ、ニコレッタ・ラーソンなど、なるほどと思わせるメンバーです。

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続いて『Volunteer Jam』です。チャーリー・ダニエル、シーレヴェル、マーシャル・タッカー、ディッキー・ベッツなどサザン・ロック集会。表裏で。

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次は、あの「レインボーホール」のさよならコンサートの模様です。プロコル・ハルムが「グランド・ホテル」を演奏。リチャード&リンダ・トンプソンも出ています。表裏

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次は映画化された2作品。『バングラディッシュのコンサート』とバンドの『ラスト・ワルツ』です。曲目などは映画と少し違っています。『ウッド・ストック』も『フィルモア最后のコンサート』もそうでしたが、あとでレコードで聴いて、あれっ、と思うことがたくさんあります。レコードに入っているのに映画にはない、またその逆も。

どちらもそれぞれジョージ・ハリソンザ・バンドが主役ですがゲストがたまらないですね。ディラン、クラプトン、レオン・ラッセルニール・ヤングなど多数。

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次はサウンド・トラックです。

まずは『いちご白書』から。CSN&Y、ニール・ヤングバフィー・セント・メリー、サンダークラップ・ニューマンなど。

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次がアントニーニ監督作品の『欲望』と『砂丘』です。ハービー・ハンコックヤード・バーズグレイトフル・デッドピンク・フロイド、ヤングブラッズ、ジョン・ファフィなどなど。

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続いて『ギミーシェルター』と『ローズ』です。ストーンズベッド・ミドラー

『ギミー・シェルター』には前座でフライング・バリットが出ていたような記憶があるのですが勘違いでしょうか。ジェリー・ガルシアが「マーティ(ベイリン・ジェファーソン・エアプレイン)がやられた」と言ったのはこの映画じゃなかったかな。記憶があやふやです。『ローズ』はジャニス・ジョプリンの伝記。だったよな、自信なくなってきました。

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次は『エルビス・オン・ステージ』です。エルヴィスの復活ドキュメント。感動しました。従兄に言わせると昔のプレスリーには到底及ばないと。でもカッコいい。

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次は私にとっては貴重なサントラ盤です。

まず『Revolution』です。たぶん日本公開はなかったと思います。私の好きなクイックシルバーとスティーヴ・ミラー、それにマザー・アースです。どんな映画だったのでしょう。表と裏で。

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次は『Medicine Ball Caravan』です。これも多分日本未公開だと思います。アリス・クーパー、B.B キング、ヤングブラッズ、デラニ&ボニー、ストーン・グラウンド、ダグ・カーショウです。悪いわけはありません。表裏で。

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次は『Steel Yard Blues』です。映画は知りません。多分未公開だと思いますが。

音楽がなんとニック・グレイヴナイツ、マイク・ブルームフィールド、ポール・バターフィールド、マリア・マルダーです。これを見つけた時は感激でした。

主演はジェーン・フォンダドナルド・サザーランドです。観てみたい。

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あと、CDですが『ドアーズ』です。映画のサントラ盤です。

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きりが無くなってきました。

最後にこれで締めて終わりにします。ライラ・マッキャン。

 

それでは今日はこの辺で。

 

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名女優 『ジャンヌ・モロー』 逝く!

今朝、ジャンヌ・モローの訃報が届きました。89歳でした。老衰とのことです。

フランス映画のみならず世界の大女優・名女優として数多くの作品に出演して、我々を魅了し続けたジャンヌ・モローの死を心から悼みます。

私もジャンヌ・モローの映画は随分観たような気がします。あこがれの女優でもありました。そこでジャンヌ・モローを偲ぶつもりで、自分が観た映画を振り返ってみたいと思います。

彼女ほど名監督たちに重用された女優はいないのではないかと思います。ということで、ちょっと変則ですが監督ごとに出演作品を見てみたいと思います。

 

ルイ・マル

監督別で行くとこの監督の作品が1番多いのではないでしょうか。もっとも当時は交際していたらしいのでフランス映画界では当然かもしれません。25歳で長編デビュー。

1957年 死刑台のエレベーター始まりの緊張感をマイルス・デイヴィスのトラ      ンペットが助長します。傑作。マルのデビュー作。

1958年 『恋人たち』ルイ・マルの2作目。不倫話。

1963年 『鬼火』ジャンヌ・モローの退廃ぶりがいい。

1966年 ビバ!マリアブリジット・バルドーと競演。英国アカデミー主演女優      賞獲得

   

 

フランソワ・トリュフォー

ご存じ、フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手。この監督の作品にも2作品出演しています。

1962年 突然炎のごとくヌーヴェル・ヴァーグの代表作。自由奔放なモロー。      歌手としても素晴らしさを披露。

1968年 黒衣の花嫁殺人鬼モロー。サスペンス・ミステリー。

 

 

 ジャン・リュック・ゴダール

これもまた、フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手。と、いうか天才・鬼才。

1961年 『女は女である』ゴダールのミュージカル。妻のアンナ・カリーナとの結      婚後第1作。ジャン・ポール・ベルモンドも出演。音楽はミシェル・ルグ      ラン。アンナ・カリーナが歌ってます。

 

ミケランジェロ・アントニーニ

私も大好きな監督。『太陽はひとりぼっち』『情事』『赤い砂漠』と並び「愛の不毛4部作」の中の1本。

1961年 『夜』アントニオーニと懇意だったモニカ・ヴィッティマルチェロ・       マストロヤンニとの競演。愛は不毛でしょうか。イタリア・フランス合作

 

オーソン・ウェルズ

映画『市民ケーン』の監督、俳優としては『第三の男』など多数出演。

1963年 『審判』カフカの小説の映画化。ウェルズが監督兼出演。アンソニー・       ホプキンスとの競演。ロミー・シュナイダーも出演。不条理の世界。

1965年 オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』ウェルズの監督・主演。シェー      クスピアの戯曲を脚色化、歴史劇。

 

 

 ジャック・ベッケル

ヌーヴェルヴァーグの監督たちが尊敬して止まない、ジャック・ベッケル

1954年 現金に手を出すなジャン・ギャバン主演のフィルム・ノワールの代表      作。盟友のリノ・バンチュラも出演。

 

ロジェ・ヴァディム

マルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』を映画化した監督。ブリジット・バルドーの最初の夫。カトリーヌ・ドヌーヴとの間に子供を作る。ドヌーヴは『悪徳の栄え』に出演。子供は後に俳優としてヴァディムの作品に出演。ジェーン・フォンダと結婚。そして離婚。

1959年 危険な関係男女・夫婦のドロドロ。でもうまい。モローも美しい。音      楽はセロニアス・モンクジェラール・フィリップジャン・ルイ・トラ      ンティニアン、そして当時の妻、アネット・ヴァディムも出演。ヴァディ      ムは凄い。

 

ジョセフ・ロージー

『召使』『唇からナイフ』『暗殺者のメロディー』などで有名なアメリカの監督。70年の『恋』でパルム・ドール賞。赤狩りでイギリスに亡命。イギリス・フランスで活動。

1962年 エヴァの匂い悪女モローを好演。音楽はミシェル・ルグラン

1976年 『パリの灯は遠くアラン・ドロンとの競演。ユダヤ人の悲劇。やっぱり      アラン・ドロンはいい。

 

 

ジャック・ドゥミ

シェルブールの雨傘』「ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』などで知られるフランスの監督。

1963年 『天使の入り江』ジャック・ドゥミミシェル・ルグランのコンビ。隠れ      た名作。

 

ルイス・ブニュエル

やっと出ました。大好きなルイス・ブニュエル。スペイン出身ですがメキシコに帰化

『アンダルシアの犬』『黄金時代』『忘れられた人々』などのシュールレアリスムと『昼顔』『哀しみのトリスターナ』などの耽美的映画と幅広い作品で知られます。『アンダルシアの犬』を始めてみた時の衝撃は忘れられません。

1964年 『小間使いの日記』耽美映画。ジャンヌ・モローの妖艶なる色気が匂い立      つ。

 

エリア・カザン

言わずと知れた『欲望という名の電車』『波止場』『エデンの東』などで有名なアメリカの監督。

1976年 『ラスト・タイクーンロバート・デ・ニーロジャック・ニコルソンと      の競演。F.S フィッツジェラルド原作の映画化。

 

ピーター・ブルック

イギリスの監督。演劇の方でも有名。

1961年 『雨のしのび逢いジャン・ポール・ベルモンドとの競演。ジャンヌ・モ      ローはこの映画でカンヌ映画祭主演女優賞獲得。とにかく美しい。

 

以上、ざっとジャンヌ・モローの出演作品をみてきましたが、この多彩な作品群を振り返って見て、彼女の演技力と妖艶さと美しさそして歌唱力、すべてにおいて偉大な女優だったなと改めて感じさせられました。

もちろんこの他にもたくさんの出演作品がありますが、残念ながら見逃した作品も多いので、それらについてはコメントは避けさせてもらいます。

また一人偉大なる女優を失いました。あらためて心よりご冥福をお祈りします。合掌。