Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

ゴジラよ永遠に!

昨日は例によってキネ旬シアターで『ゴジラ』を観ました。ご存じゴジラの記念すべき第1作です。なぜ今頃第1作の上映なのかというと、おそらく『シン・ゴジラ』の上映に併せてだと思われます。『シン・ゴジラ』は昨年のロードショウ公開時に既に観ていたので昨日はパスして『ゴジラ』のみを観ました。

この『ゴジラ』が公開されたのが1954年で、当然私は生では観ておらず、大分後になってビデオで何回か観ました。私が初めてゴジラを生で観たのは1962年公開の『キングコング対ゴジラ』です。確か小学校2,3年生だったと思います。誰に連れて行ってもらったか記憶が定かではありませんが、おそらく近所のお姉さんだったような気がします。

それはさておき、はじめてゴジラを観た時の衝撃はそれはすごいものでした。恐怖で夜も眠れないほどで、今にも実際に屋根の上から顔を出すんじゃないかと恐れていたほどです。その後何作もゴジラ作品を観るうちに恐怖心はなくなり、親近感が湧くようにさえなりました。

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このゴジラ、初めは当然悪役で嫌われものでした。ところがキングギドラという極悪宇宙怪獣が登場すると正義の味方に変わっていくのです。その後はちょっとコミカルになったりして、そのころには私も中学生になって怪獣映画に対する興味も薄れたことから、ゴジラからは離れるようになって、映画会社の方も1975年でゴジラ映画の製作は一旦取りやめたました。

その後1984年に再びゴジラ映画の製作が始まり、パワーアップしたゴジラの再登場になるわけです。

私は再登場ゴジラはほとんどビデオで見ているのですが、アメリカ版の『GODZILLAゴジラ』から劇場で観るようになりました。

さて第1作の『ゴジラ』ですが、これははっきり言って大傑作です。もちろんセットや映像はさすがに陳腐に見えますが、そのストーリーに強い社会批判を含んだメッセージが込められており、一級の社会派映画だと改めて認識させられました。

アメリカの水爆実験はジュラ紀の生物・ゴジラを目覚めさせ、ゴジラは東京を襲い広島・長崎同様の惨状をもたらしますが、国はなすすべがありません。しかし、ある科学者が開発したあらゆる生物を死滅させる原水爆以上の化学兵器が存在することがわかります。科学者はその兵器の使用を懇願されますが拒否します。しかし、東京の惨状を目の当たりにして、1度だけその使用を認めます。ただしその設計図等は焼却し、自分も死を覚悟します。この兵器を絶対に為政者に渡してはならないという強い信念に基づいた決心でした。その結果ゴジラは死滅します。そして科学者も死にます。

最後に主役の動物学者が「水爆実験が続く限り、第2のゴジラが現れるかもしれない」とつぶやいて映画は終わります。

それにしてもこの科学者の悩みは、原爆の父と呼ばれたオッペンハイマーの後年の後悔を思い起こさせます。こうしてみるとこの映画は子供向けではなく大人向けの映画だったんだと気づかされました。ビデオで見ているときはそれほど感じなかったものが、劇場で観るとやはり違うんですね。映画はやっぱり劇場で観るのが一番です。

ということで『シン・ゴジラ』をもういちど観ようかな。この映画も原発に対する批判が込められていましたから。