昔昔、ハミングバードというバンドがありました。
第2期ジェフ・ベック・グループを解散させたジェフ・ベックですが、残ったメンバーは「別にベックがいなくてもいいじゃん」といった感じで、新しくバンドを立ち上げまっした。それが『ハミングバード』です。1973年のことでした。
当初のメンバーは
マックス・ミドルトン(Max Middleton,key)
ボブ・テンチ(Bob Tench,vo,g)
クライブ・チャーマン(Clive Chaman,b)
のジェフ・ベック・グル-プのメンバーに
コンラッド・イサドア(ds)とバーニー・ホランド(g)が加わって結成されました。
1975年にファーストアルバムを発表した後、ドラマーのコンラッド・イサドアが脱退、替わりに大物バーナード・パーディ(Bernard Purdie,ds)が加入、1976年のセカンドアルバム後にバーニー・ホランドが脱退、替わりにロバート・アーワイ(Robert Ahwry,g)が加入します。
そして1977年にラストアルバムとなる『Diamond Nights』を発表します。
『ハミングバード』といえば当然セカンドアルバムの『We Cant Go on Meeting Like This (密会)』が名盤として有名ですが、ここはあえてラストアルバムにしました。
Side A
1.Got My "Led Boots" On
2.Spirit
3.Cryin' For Love
4.She Is My Lady
5.You Can't Hide Love
Side B
1.Anaconda
2.Madatcha
3.Losing You (Ain't No Doubt About You)
4.Spread Your Wings
5.Anna's Song
A-1はジェフ・ベックがすでに『Wired』で発表済みの、マックス・ミドルトンの曲です。これにブライアン・ショートが詩をつけて見事なソウルナンバーに仕上がっています。ここでのボブ・テンチのヴォーカルはソウルフルでスティーヴィー・ワンダーを思わせます。
A-2になるとガラッと変わってバラードナンバー。女性コーラスをふんだんに。
A-3はファンキーなナンバー。
A-4もバラードナンバー。こういう曲のボブ・テンチも素晴らしい。
A-5はスキップ・スカボローの曲で、アース・ウィンド&ファイアーがヒットさせています。
B-1はクロスオーバー風ナンバー。
B-2はファンキーなソウルナンバー。
B-3は再びバラードナンバー。ボブ・テンチはうまい。
B-4はクロスオーバー、フュージョンです。
B-5は静かな美しい曲で締めくくります。
ロック、ソウル、ジャズ、ファンクなんでもありで、第2期ジェフベックグループにその芽があったようです。インストナンバーが半分に減って2曲だけになりました。
このころ『スタッフ』をはじめフュージョン・バンドが数多く出て来ました。『ハミングバード』もそれに近い音楽をやっていましたが、結局3枚のアルバムを残し解散してしまいます。このアルバムが発売されたときには、まだまだバンドは続くようなことが書いてありましたが、当初の予想どうり短命に終わりました。一つのバンドを長続きさせるというのはやはり至難の業なのでしょう。
なお、『ハミングバード』のファーストとセカンドは次の通りです。
Hummingbird - Got My "Led Boots" On
それでは今日はこの辺で。