伝統的なブリティッシュ・ハードロックを継承してきた『サンダー』が1999年に解散を表明した後、ヴォーカリストのダニー・ボウズ(Daniel Don Bowes)とリードギターのルーク・モーリー(Luke Morley)が2002年にデュオを結成しアルバム『Moving Swiftly Along』をリリースします。
ルーク・モーリーはこの前にも自身のソロアルバムをリリースしていますが、やはりヴォーカルにはダニー・ボウズが必要とデュオを組んだようです。
このアルバムではダニーのソウルフルな素晴らしいヴォーカルが堪能できます。『サンダー』の時のハードロックとは違って、R&B、ソウル的なアルバムになっています。
ダニーのお影響を受けたアーティストとして、ポール・ロジャース、スティーヴィー・ワンダー、ボニー・レイットなどをあげていますが、やはりブルースやソウル、R&Bがその根底にあるようです。私などはついボズ・スキャッグスを思い浮かべてしまいます。
曲作りは大半がルークです。9曲目の「Change」はルークと「ヨーロッパ」のジョーイ・テンペストの共作となっています。全体を通してルークはこういう曲を作りたかったんだ、ということがよくわかります。ダニーもこういう曲を歌いたかったんだということもよくわかります。
この後、ダニーが「MONSTERS OF ROCK」の復活を提案したところ、逆にプロモーターから「サンダー」の再結成が条件だと言われ、ダニーがメンバーに連絡すると、全員快諾し再結成が決まります。
2003年には『サンダー』の再結成アルバム『Shooting at the Sun』がリリースされます。
『ボウズ&モーリー』と『サンダー』の並行活動になります。
そして、2004年にはセカンドアルバム『Mo's Barbeque』をリリースします。
このアルバムでは、ダニーが尊敬するスティーヴィー・ワンダーとポール・ロジャース(フリー時代)の曲がカバーされています。
前作同様、R&B、ソウル路線です。前作では若干『サンダー』の影響も見られましたが、本作は完全に独立したバンド然としています。
特にフリーの『Come Together In the Morning』は私の大好きな曲で、この曲のために購入したといってもいいくらいなのですが、ダニーの歌い方は気負わずに自然な歌い方でとてもいいし、ルークのギターもポール・コゾフとはまた違った泣きのギターで大満足です。
ジャジーな3曲目「On A Day Like Today」、バラード風な「Illogical」も素晴らしいです。エンディングはアン・ピープルズの「I Can't Stand The Rain」です。ソウルナンバーでしっとりと、やがて盛り上がり、エンディングにふさわしいナンバーになっています。
結局、 『ボウズ&モーリー』としてのアルバムは、今のところこれが最後となっています。是非、新録を期待しています。
『サンダー』の方は最近のアルバムは聴けていません。
『サンダー』と言えば私にとっては『Backstreet Symphony』、『Laughing on Judgement Day 』、『Behind Closed Doors』の3枚でしょうか。
3枚とも見事にブリティッシュ・ハードロックを継承しています。ダニーのヴォーカルもここではハードロック用です。
Bowes & Morley - Come Together In The Morning
On A Day Like Today - Bowes & Morley
それでは今日はこの辺で。