1971年、スピリット(Spirit)を脱退したジェイ・ファーガソン(Jay Ferguson,vo,key)とマーク・アンデス(Mark Andes,b,vo)はマシュー・アンデス(Mattew Andes,g,vo)とカーリー・スミス(Curley Smith,ds,vo)を誘ってジョ・ジョ・ガン(Jo Jo Gunne)を結成しました。
1972年、彼等は当時新興レーベルのアサイラムからデビューアルバム『Jo Jo Gunne』を発表しました。
Side A
1.Run Run Run
2.Shake that Fat
3.Babylon
4.I Make Love
5.Barstow Blue Eyes
Side B
1.99 Days
2.Academy Award
3.Take it Easy
4.Flying Home
セルフプロデュースです。
全曲、ジェイ・ファーガソン単独とマシュー・アンデスとの共作です。
A-1の"Run Run Run"がヒットし、彼らの名は知られるようになりました。
ロックン・ロールにブギ。スライドギターにピアノ。当時のウェストコーストサウンドとは一線を画していました。今聴くとさすがに古臭さを感じますが、歯切れよいリズムは今でも十分聴くに値します。
その後ベースのマーク・アンデスは脱退し、リック・ロバーツらとファイアーフォール(Firefall)結成へと向かいます。
代わりにジミー・ランドール(Jimmie Randall)を迎え1973年、セカンドアルバム『Bite Down Hard』とサードアルバム『Jumpin' the Gunne』を発表します。
しかし売行きは伸びず、1974年に4枚目のアルバム『So...Where's The Show?』を発表してあえなく解散します。
ちょっと話は逸れますが、彼等のサードアルバムのジャケットは以前『ジャケットシリーズ』で紹介しましたが、すごいです。今の時代ではNGかもしれません。
中表紙の方は紹介していませんでしたが、これも強烈です。
バンド解散後、ジェイ・ファーガソンはソロに転向しソロ第2作の『Thunder Island』の中の同名曲がが大ヒットします。ここにはゲストとしてジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)も参加しています。プロデュースはジョ・ジョ・ガンのセカンドとサードをプロデュースした、イーグルス(Eagles)などでもおなじみのビル・シムジク(Bill Szymczyk)です。ウェストコーストサウンドがいっぱいです。
その後、ファーガソンは1982年にソロアルバムとしては最後の作品を発表して映画音楽の世界に転向します。
なお、ジョ・ジョ・ガンは御多分に漏れず2005年に再結成アルバムを出しています。
幸いにして彼らのアルバムはすべてCD化されているようです。
ちなみにジョ・ジョ・ガンの前身バンド、スピリットは1967年に結成されたバンドで、ランディ・カリフォルニアとエド・キャシディが在籍していたバンドで、おそらくジャズ・ロック、プログレッシブ・ロック、サイケデリック・ロックの奔りだったのではないでしょうか。エド・キャシディはもともとジャズドラマーでキャノンボール・アダレイやセロニアス・モンクなどとも共演していました。ランディ・カリフォルニアはジミ・ヘンドリックスと旧知のギタリストです。マーク・アンデスはこの前にキャンド・ヒートにも在籍していました。
レッド・ツェッペリンの「天国への階段(Stairway To Heaven)」はスピリットのファーストに収録されている「Taurus」の盗作だと訴えられたことでも有名になりました。結局はツェッペリン側の勝訴になったようですが。
とにかく一歩進んだバンドでした。
ファーストとサードをカップリングした珍しい2枚組コンピレーションアルバムがあります。
1970年にジェイ・ファーガソンとマーク・アンデスが脱退した後、1973年に解散しました。しかしその後も、メンバーチェンジ、再結成を繰り返しながら、2000年ぐらいまで活動を続けていたようです。但し、ランディ―もエドも既に亡くなっています。
Jo Jo Gunne - Shake That Fat (1972)
それでは今日はこの辺で。