アメリカのハードロック・バンド『ジェイムス・ギャング(James Gang)』の結成は古く、1966年オハイオ州クリーブランドで結成されました。メンバーチェンジが激しく、1969年のファーストアルバム『Yer' Album』をリリースしたときには、ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh,g,vo,key)、トム・クリス(Tom Kriss,b)、ジム・フォックス(Jim Fox,ds,key)の3人になっていました。
プロデュースはあのビル・シムジク(Bill Szymczyk)です。このアルバムは好評でしたが、再びメンバーの入れ替えが起こります。トム・クリスが脱退し、代わりにデイル・ピータース(Dale Peters)が加入します。
そして1970年にセカンドアルバム『Rides Again』がリリースされます。
ゲストミュージシャンとしてポコのラスティ・ヤングが参加しています。
プロデュースはビル・シムジクです。ストリングスのアレンジはジャック・ニッチェです。
このアルバムから「Funk#49」がヒットしたこともあって、前作以上のヒットとなり、有名バンドの仲間入りを果たしました。そしてザ・フーなど、多くのメジャーバンドとの競演をしました。
そして1971年に3枚目のアルバム『Thirds』をリリースします。
このアルバムから「Walk Away」と「Midnight Man」がヒットし、アルバムはゴールドディスクを獲得しジェイムス・ギャングの名声は確実なものとなりました。同年にはカーネギーホールでのライブアルバムも発表されました。
スタート時こそメンバーチェンジなどでゴタゴタが続きましたが、ここにきてようやく日の目を見ることが出来ました。
ところがこともあろうに、リーダー格のジョー・ウォルシュが脱退を表明したのです。
おまけにレコード会社ともトラブルを起こし、契約を一時中断されてしまったのです。
バンドは新たにドミニク・トロイアーノ(Domenic Troiano,g)とロイ・ケナー(Roy Kenner,vo)を加入させ、バンドを続行します。
そして1972年にはアルバム『Straight Shooter』を発表します。
しかし、翌年ドミニク・トロイアーノもゲス・フーに参加のためバンドを去ります。
代わりは後にディープ・パープルに参加するトミー・ボーリン(Tommy Bolin)でした。
そして3枚のアルバムを出して、遂に解散しました。後にジョー・ウォルシュらが再結成するのですが。
ジェイムス・ギャングというと私などはやはりジョー・ウォルシュが在籍していたころに尽きると思っています。ウォルシュのブルースをベースにしたギターとヴォーカルで成り立っていたようなところがありますから。今聴くとハードロックと呼べるほどでもありませんが、当時としては十分ハードでした。
一方のソロになったジョー・ウォルシュは1972年にアルバム『Barnstom』をリリースします。
これはアルバムタイトル名でもありますが、ジョー・ウォルシュはバンド名にしたかったようです。その辺でレコード会社とももめていたようです。
メンバーはジョー・ヴィターレ(Joe Vitale,ds,key,flute)とケニー・パサレリ(Kenny Passarelli,b)です。その他にチャック・レイニー、アル・パーキンス、ポール・ハリスがゲスト参加しています。プロデュースはビル・シムジクです。
ここから名曲「Turn To Stone」が生まれました。
その後2枚のソロアルバムを出します。『The Smoker You Drink, the Player You Get』と『So What 』です。『So What』にはイーグルスのメンバーが参加しています。
そして1975年にイーグルス(Eagles)への加入が発表されます。それまでにもイーグルスのメンバーとの交流はありましたので、考えられなくもありませんでしたが、なにしろバーニー・レドンのファンであった私にとってはショックでした。
ましてバーニーでの来日を楽しみにしていた身としては何とも複雑でした。それよりなにより、ジョー・ウォルシュの粘っこいヴォーカルとブルージーなギターが爽やかなイーグルスに合うのかなと心配しました。個人的にはバーニーがいる頃の方が今でも好きですが。それでも日本公演で一番元気だったのはジョー・ウォルシュでした。
それはともかく、『ホテル・カリフォルニア』からイーグルスに参加したジョー・ウォルシュですがその後もソロアルバムは出し続けています。
一方でジョー・ウォルシュは1991年にジェイムス・ギャングを再結成します。メンバーはウォルシュとデイル・ピータース、ジミー・フォックスです。その後も時折再結集してはライブを行っているようです。現在70歳。ますます元気なようでよかったです。
Joe Walsh & The James Gang - Walk away (1971, HD)
それでは今日はこの辺で。