『ラストワルツ』、この映画を観てから、はや40年です。時期は夏だったように記憶しています。
友人のS.S君とN.S君と一緒に銀座の映画館で観たのでした。映画館を出てしばらくすると、S.S君が「財布が無い!」と騒ぎだしました。それはたぶん映画館だろうということになり、映画館へと向かいます。受付で聞いてみると、なんとその財布、届けられていました。こんなラッキーがあるなんて、やっぱり世の中捨てたもんじゃないです。その帰りのビールが旨かったこと。
さてサントラ盤です。この『ラストワルツ』は1976年11月25日にザ・バンドがサンフランシスコのウィンターランドで解散コンサートを行った時のライヴアルバムです。そして映画化されました。3枚組です。1978年リリース。発売と同時に買ったと思います。ザ・バンドはデビュー盤から買い続けていました。
Side A
1.Theme From The Last Waltz
2.Up On Cripple Creek
3.Who Do You Love - Ronnie Hawkins(vo)
4.Helpless - Neil Young(vo,g) Joni Mitchell(vo)
5.Stageflight
Side B
1.Coyote - Joni Mitchell(vo) Dr.John(congas)
2.Dry Your Eyes - Neil Diamond(vo,g)
3.It Makes No Difference
4.Such A Night - Dr.John(vo.piano)
Side C
1.The Night They Drove Old Dixie Down
2.Mystery Train - Paul Butterfield(vo,harmonica)
3.Mannish Boy - Muddy Waters(vo) Paul Butterfield(vo,harmonica)
4.Further On Up The Road - Eric Clapton(vo,g)
Side D
1.Sape I'm In
2.Down South In New Orleans - Bobby Charles(vo) Dr.John(vo.g)
3.Ophelia
4.Tura Lura Lural (That's An Irish Lullaby) - Van Morrison(vo) John Simon(p)
5.Caravan - Van Morrison(vo)
Side E
1.Life Is A Carnival
2.Baby Let Me Follow You Down
3.I Don't Believe You
4.Forever Young
5..Baby Let Me Follow You Down - Bob Dylan(vo,g)
6.I Shall Be Released - Bob Dylan(vo) Ronnie Hawkins,Neil Young,Joni Mitchel,Neil Diamond,Dr.John, Paul Butterfield,Bobby Charles(backing vo) Ron Wood(g) Ringo Starr(ds)
Side F
1.The Well
2.Evangeline - Emmylou Harris(vo,g)
4.The Weight
5.The Last Waltz Refrain
6.Theme From The Last Waltz (With Orchestra)
ザ・バンドの演奏の他に、各ゲストがザ・バンドをバックに歌います。豪華ゲスト陣です。
映画ではアンコール曲の「Don't Do It」で始まりますが、レコードでは 「ラストワルツのテーマ」で始まります。映画についてはさすがに40年前のことで記憶が定かではありませんので、間違っていましたらご容赦願います。
そしてA-2は「クリップル・クリーク」、セカンドアルバム『ザ・バンド』より。
A-3は彼らの育ての親、ザ・ホークスのロニー・ホーキンスを迎えます。おなじみの「フー・ドゥ・ユー・ラヴ」です。
A-4は同じカナダ出身のニール・ヤング登場。曲はこれもおなじみの「ヘルプレス」。バッキングで同じカナダ出身のジョニ・ミッチェルがおそらくステージの陰だと思いますが参加しています。
A-5は「ステージフライト」、3枚目の同名アルバムから。
B-1はジョニ・ミッチェル。アルバム『逃避行』から。
B-2はニール・ダイアモンド。「スイート・キャロライン」や「チェリーチェリー」でおなじみの大ヒットメーカー。ロビー・ロバートソンは彼のアルバム『ビューティフル・ノイズ』をプロデュースしている関係から招待したと思われます。この曲もそのアルバムからです。ただ、彼の出演はどうも違和感がありました。もちろんニール・ダイアモンドを嫌いな訳ではありませんが、このメンバー達の中に入るとちょっと似合わないような気がしました。
B-3は7枚目のアルバム『南十字星』からの名曲。このアルバムの中では一番好きな曲です。
B-4はドクター・ジョン。バンドとは切っても切り離せません。1973年のアルバム『イン・ザ・ライト・プレイス』より。
C-1はセカンドアルバム『ザ・バンド』より
C-2はポール・バターフィールド登場。ジュニア・パーカーのブルースナンバー。ポールのブルースハープがたっぷり。ポールとレヴォン・ヘルムのヴォーカル。
C-3はマディー・ウォーターズです。メンバーも嬉しそうです。ハープはポールです。
C-4はエリック・クラプトンです。得意のブルースナンバー。クラプトンとロバートソンのギターの掛け合いが聴きどころです。
D-1は3枚目の同名アルバム『ステージフライト』より。
D-2はウッドストックの仲間、ボビー・チャールズとドクター・ジョンです。バンドの得意とするところ。映画には映っていなかったような。
D-3はアルバム『南十字星』より。
D-4,5はリチャード・マニュエルとヴァン・モリソンのヴォーカル。D-4は映画には無かったと思います。
D-5はそのヴァン・モリソン。アルバム『ムーンダンス』より。熱唱です。踊りが滑稽でした。
E-1は4枚目のアルバム『カフーツ』より。これも映画では映っていなかったと思います。
E-2からはいよいよボブ・ディランの登場。ディランのファーストアルバム『ボブ・ディラン』から「連れてってよ」です。こんな曲になってしまいます。
続いて「アイ・ドント・ビリーブ・ユー」。4枚目のアルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』より。
続いて14枚目のアルバム『プラネット・ウェイヴ』より「いつまでも若く」です。このアルバムでディランとバンドのコンビが復活しました。映画はここから映っていたと思います。
続いて再び「連れてってよ」の後にボブ・ディランとリチャード・マニュエルのヴォーカルに各参加者がバックボーカルで加わり「アイ・シャルビー・リリースト」の合唱です。リンゴ・スターもロン・ウッドも参加しています。
Side Fは「ラストワルツ組曲」と名付けられたスタジオ録音です。ロビー・ロバートソンの書下ろしが含まれています。
F-1はリチャード・マニュエルのヴォーカル。
F-2はエミルー・ハリスがヴォーカルとギターで参加しています。この頃、彼女の姿が映像で観れたのが嬉しかった。映画では途中で挿入されたように記憶しています。リック・ダンコがフィドル、レヴォン・ヘルムがマンドリン、ガース・ハドソンがアコーディオン、リチャード・マニュエルがドラム、ロビー・ロバートソンがギターだったと思います。
F-3は珍しくロビー・ロバートソンがヴォーカルを執っています。映画には無かったような気が。
F-4はステイプルズを迎えての「ザ・ウェイト」の新録音です。これも映画では途中で挿入されていたと思います。
F-5は「ラストワルツを再び」です。そしてF-6で「テーマ曲」で終わります。
実際の演奏順とはかなり違っているようです。曲数も全然少ないです。サントラ盤ですから致し方ないでしょうが。映画ともだいぶ違っていたように記憶しています。
2002年には完全盤が出ていますが、これも正確に言うと完全盤ではありません。曲順も違っており、ザ・バンドの演奏が抜けている部分があるようです。
映画の方は
監督:マーティン・スコセッシ
プロデュース:ロビー・ロバートソン
制作:1978年 アメリカ
実はこの解散はロビー・ロバートソンが勝手に決めたもので、しかも解散とは言及せずに、ライブ活動は止めてレコーディングに専念したいというのが本心でした。しかし、他のメンバーはそれに反対し、結局は解散ということになってしまいました。
したがって、この後もロビー・ロバートソンと他のメンバーの間には亀裂が生まれ、再結成の時にもロバートソンは参加しませんでした。この映画もどちらかというとロバートソン中心に描かれています。
ザ・バンドのメンバーはリチャード・マニュエルが1986年に自殺、1999年にリック・ダンコが死去、レヴォン・ヘルムは2012年癌のため死去しました。
現在生きているのはロビー・ロバートソンとガース・ハドソンの2人になってしまいました。
幸いにもリック・ダンコとレヴォン・ヘルムの来日公演は観られました。しかし5人揃っての演奏が生で聴きたかったです。 ロビー・ロバートソンは単独でも観たかった。
They say everything can be replaced,
Yet every distance is not near.
So I remember every face
Of every man who put me here.
I see my light come shining
From the west onto the east.
Any day now, any day how,
I shall be released.
The Band - Up On Cripple Creek (The Last Waltz) HD
The Band, It makes no difference
The Band & Neil Young Helpless
Eric Clapton The Last Waltz - Further on up the Road -
The Band: I Shall Be Released (The Last Waltz)
それでは今日はこの辺で。