ザ・バンドの解散コンサート『ラストワルツ』から30年を記念して出された、ザ・バンド・トリビュートアルバムです。
ザ・バンドの名曲がゾロゾロ出て来ます。2007年の発売です。発売当時は参加ミュージシャンも知らない人たちも多く、ちょっと迷いましたが正解でした。
ザ・バンド・トリビュートというよりはそれぞれのミュージシャンがザ・バンドの曲を独自に料理しているという感じです。
『エンドレス・ハイウェイ(Endless Highway: The Music of The Band)』
Disc I
01.This Wheel's on Fire - Guster
02. King Harvest - Bruce Hornsby & the Noisemakers
03. It Makes No Difference - My Morning Jacket
04. I Shall Be Released - Jack Johnson/ALO
05. The Weight - Lee Ann Womack
06. Chest Fever - Widespread Panic
07. Up on Cripple Creek - Gomez
08. The Night They Drove Old Dixie Down - The Allman Brothers Band
09. Stage Fright - Steve Reynolds
10. Rag Mama Rag - Blues Traveler
11. Whispering Pines - Jakob Dylan
12. Acadian Driftwood - The Roches
13. The Unfaithful Servant - Rosanne Cash
14. When I Paint My Masterpiece - Josh Turner
15. Life Is a Carnival - Trevor Hall
16. Look Out Cleveland - Jackie Greene
17. Rockin' Chair - Death Cab for Cutie
Disc 2
01.The Shape I'm In - Gov't Mule
02.Ain’t No More Cane –John Hiatt
03.Ophelia - Animal Liberation Orchestra
04.Bessie Smith - Joe Henry
Disc 2は日本盤のボーナス・ディスクです。実はこのボーナス・ディスクのガヴァメント・ミュールが一番のお目当てでした。ですから是が非でも日本盤をと思っていました。
Disc 1の01はガスターというバンド。このバンドはこの時初めて知りました。1991年に結成されたアコースティック・バンドです。曲はボブ・ディランとの『ザ・ベースメント・テープス』より「火の車」です。文句なしの出来だと思います。アコースティック・ギターもハーモニーも決まっています。
02はセカンドアルバム『ザ・バンド』より。ブルース・ホーンスビーにより新しい「キング・ハーヴェスト」が生まれました。
03はアルバム『南十字星』からの名曲。ここでのマイ・モーニング・ジャケットは素晴らしい。オリジナルに忠実に演奏していますが、ジム・ジェイムスのヴォーカルもリック・ダンコに劣らず、ギターも泣かせます。
04はおなじみボブ・ディランの「アイ・シャル・ビー・リリースト」です。ファーストアルバムの『ミュージック・フロム・ビッグピンク』より。ジャック・ジョンソンのギター・ヴォーカルにバックが彼と交流の深いALOです。ちょっと軽めですがオリジナルに忠実に演奏されています。リチャード・マニュエルの声が懐かしくなります。
05はバンドの代表曲「ザ・ウェイト」です。『ミュージック・フロム・ビッグピンク』より。リー・アン・ウーマックの歌唱は文句なしです。この曲は何度聴いて飽きない、まさに名曲です。
06はワイドスプレッド・パニックの「チェストフィーバー」、これも『ミュージック・フロム・ビッグピンク』から。ガース・ハドソンのオルガンの代わりにジョン・ハーマンのキーボード。力強い曲になっています。サザンロック風に仕上げています。
07は「クリップル・クリーク」、セカンドアルバム『ザ・バンド』から。演奏はゴメス。イギリスのバンドで、この時初めて知りました。レヴォン・ヘルムのヴォーカルが耳に沁み込んでいるのでちょっと物足りない。
08はオールマン・ブラザース・バンドのライブで「オールド・デキシ―・ダウン」。これもセカンドアルバムから。グレッグ・オールマンのヴォーカルにウォーレン・ヘインズとデレク・トラックスのギターです。グレッグ・オールマンももういません。
09はサードアルバム『ステージ・フライト』からのタイトル曲。好きな曲です。演じるはスティーヴ・レイノルズ。この人もこの時に知りました。アコースティック・ギターとチェロで静かに歌います。
10はブルース・トラヴェラーの「ラグ・ママ・ラグ」、これもセカンドアルバムからトラヴェラーズにピッタリの選曲です。ジョン・ポッパーのヴォーカルとハープがいい味を出しています。
11はジェイコブ・ディランとリズ・ライトの「ウィスパリング・パインズ」、これもセカンドアルバムから。ジェイコブはボブ・ディランの息子。ザ・ウォール・フラワーズのリーダーでもあります。リズ・ライトはこの時初めて知りました。曲はリチャード・マニュエルの名曲。ジェイコブは静かに静かに歌い上げます。ゾクッとします。
12は「アケイディアの流木」、アルバム『南十字星』から。歌うはザ・ローチェス。女性3人の美しいハーモニーでカントリータッチです。
13はジョニー・キャッシュの娘、ロザンヌ・キャッシュが歌う「アンフェイスフル・サーヴァント」です。この曲もセカンドアルバムからの選曲です。ロザンヌはカントリー系のシンガーソングライターです。ここでもカントリータッチにしっとりと歌い上げています。
14はボブ・ディランの曲でザ・バンドの4作目『カフーツ』に収められている「マスターピース」です。歌うはジョシュ・テイラーです。彼はカントリーシンガーで、ここでも低音でカントリータッチで軽快に歌っています。
15はこれも『カフーツ』からの「カーニヴァル」です。歌っているのはトレヴァー・ホールです。当時19歳のシンガー。知りませんでした。原曲とはかなり違ったアレンジをしています。
16はセカンドアルバムから「ルック・アウト・クリープランド」です。歌っているのはジャッキー・グリーン。アメリカのシンガーソングライターですが後にブラック・クロウズに参加します。この当時はまだ27歳でした。ソウルフルに歌っています。
17もセカンドアルバムから「ロッキン・チェアー」です。デス・キャブ・フォー・キューティの演奏です。このバンドは1998年の結成。アメリカの人気バンドです。この名前はボンゾ・ドッグ・バンドの曲名からきています。
Disc 2の01はお目当てのガヴァメント・ミュール。曲はアルバム『ステージ・フライト』から「シェイプ・アイム・イン」です。ウォーレン・ヘインズのワウワウギターとヴォーカルが決まってます。ウォーレンらしいアレンジはお見事です。
02はボブ・ディランとの『ベースメント・テープス』から「エイント・ノー・モア・ケイン」です。ジョン・ハイアットが歌っています。ジョンはアメリカの大物シンガーソングライターです。その音楽性は幅広く、ここではややカントリー風なアレンジになっています。
03はアルバム『南十字星』から「オフェリア」です。演奏はアニマル・リベレーション・オーケストラ(ALO)です。1998年に結成されたバンド。これで初めて知りました。この曲はやっぱりレヴォン・ヘルムでしょうか。
04はこれも『ベースメント・テープス』から「ベッシー・スミス」。歌うは奇人ジョー・ヘンリーです。ここにジョー・ヘンリーが入っているのも意外でしたが、なんのなんのいい感じです。ジョー・ヘンリー節満載です。
こうして聴いてくると、バンドには名曲がたくさんあったことを再確認させられました。特にファースト、セカンドからの選曲が多いというのも頷けます。この2枚はバンドには欠かせません。それから個人的には『ベースメント・テープス』と『南十字星』も大好きです。ザ・バンドよ永遠に。
Jakob Dylan - Whispering Pines - Endless Highway: The Music of The Band
My Morning Jacket - It Makes No Difference - Endless Highway: The Music of The Band
Lee Ann Womack - The Weight - Endless Highway: The Music of The Band
Jack Johnson featuring ALO - I Shall Be Released - Endless Highway: The Music of The Band
それでは今日はこの辺で。