その後は?、といっても何のその後なのでしょう。
一応、クイックシルバー・メッセンジャー・サービス(Quicksilver Messenger Service)(以下QMS)のリードギタリスト、ジョン・シポリナ(John Cipollina)がQMSを辞めた後どうなったのでしょうということなのですが、興味の無い人にはどうでもいいことです、はい。
ということで、勝手に彼のその後を書いてみます。といっても、情報が無いので詳しいことはほとんどわかりません。持っているレコードやCDを頼りに想像を交えながら書いてみます。間違っていてもご容赦願います。
1970年のQMSの5枚目のアルバム『What About Me』を最後にバンドを去ったシポリナは、QMSの設立メンバーだった、ジム・マレイ(Jim Murray)と新たなバンドを作る相談をします。メンバーはゲイリー・フィリップト(Gary Philippet,vo,g.bottle neck,organ)、ジム・マクファーソン(Jim McPherson,vo,p,b,perc)、ピート・シアーズ(Pete Sears,b)、デヴィッド・ウェーバー(David Weber,ds,perc)が集まりましたが、ジム・マレイはすぐに辞めてしまいます。さらにピート・シアーズはジェファーソン・スターシップに参加するため、バンドを離れてしまいます。後任に後にボニー・レイットのバンドに行くハッチ・ハッチソン(Hutch Hutchinson,b,vo)が加わってコパーヘッド(Copperhead)というバンドが結成されました。
そして1973年にファーストアルバム『Copperhead』がリリースされました。
一聴してジョン・シポリナだとすぐわかるサイケデリックなギターが炸裂します。
しかしこのアルバムは売行きは悪く、コロムビアからは契約を打ち切られ、解散になりました。
続いて1975年、イギリスのバンド、マン(Man)がサンフランシスコのウィンターランドで演奏したときに、シポリナは彼らと会いイギリスのツアーに同行しました。その時の模様がライヴレコ―ディングされ発表されました。『Maximum Darkness』です。
QMSの曲も収録されていて、ここでもすぐジョン・シポリナだとわかります。
このあとQMSの再結成の話が持ち上がり、シポリナも参加します。そして出来上がったのが『Solid Silver』です。
これは今でも大好きなアルバムです。
しかしこの1枚で再び解散します。
このあとしばらく私の元には音沙汰がありませんでした。
再び名前を目にしたのが1980年のアルバム『Raven』でした。
これがアルバム名なのかバンド名なのかも分かりません。
ただし、メンバーにはQMS時代のメンバー、ニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins,p)も参加しています。さらにコパーヘッド時代のハッチ・ハッチソンとデヴィッド・ウェーバーが参加しています。その他、グレッグ・ダグラス(Greg Douglass,g)、スキップ・オルソン(Skip Olson,b,vo)、アンドリュー・キルビー(Andrew Kirby,ds,vo)も加わっています。
レコード記録を見ると1976年ですから、QMSの再解散後の録音だと思います。
次に姿を現すのが『テリー&ザ・パイレーツ(Terry & The Pirates)』です。
このバンドはテリー・ドラン(Terry Dolan)が中心でシポリナの他、ニッキー・ホプキンス、グレッグ・ダグラス、という『Raven』の時のメンバーが参加しています。さらにスティーヴ・ミラー・バンドのロニー・ターナー(Ronnie Turner,b)も参加しています。
このバンドでは5枚ほどアルバムをリリースしていますが未購入です。
買ったのは
これまた訳の分からないプライベート盤です。しかも2枚組です。ドラムがグレッグ・エルモア(Greg Elmore、元QMS)になっています。どうなっているのやら。
2007年にはこのバンドの2枚組CDが発売されました。ジョン・シポリナの生前の未発表曲とライブ音源を収録したアルバムです。『Return To Silverado』です。
次にジョン・シポリナの名前を目にするのが『ダイナソー(Dinosaurs)』というバンドでした。
1988年、サンフランシスコでのライブレコーディングとされています。おそらくプライベート盤です。
このバンドのメンバーがとにかく凄いです。
バリー・メルトン(Barry Melton,g,vo) カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ
ピーター・アルビン(Peter Albin,b,vo) ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー
スペンサー・ドライデン(Spencer Dryden,ds) ジェファーソン・エアプレイン
マール・サンダース(Merl Saunders.key,vo) ジェリー・ガルシアとのコンビ
ロバート・ハンター(Robert Hunter,vo) グレイトフル・デッドの作詞家
サンフランシスコの雰囲気が伝わってきていいのですが、如何せん音が悪すぎます。
正規のスタジオ盤も出ています。
その他にもニック・グレイヴナイツとの競演盤も何枚か出ていますが、未購入です。
ジョン・シポリナは1989年、肺疾患によって45歳で死亡します。最後は車椅子状態だったようです。
QMS以降はQMS時代ほどの成功は収められませんでしたが、彼の人気は絶大で、彼の死後もニッキー・ホプキンスやデヴィッド・フライバーグ、ピート・シアーズなどが追悼コンサートを開きました。また、彼のギブソンSGとエフェクトペダルはアンプスタックと共にロックンロール殿堂博物館に展示されました。
2003年のローリンストーン誌の選ぶ「偉大なギタリスト100人」の23位になりました。
どこからでもジョン・シポリナのギターだとわかる音と奏法はこれからも聴き続けられることでしょう。
John Cipollina - Dinosaurs - Love Machine
Who Do You Love - Cobra - Mona (1980) Cipollina-Graventies Band
John Cipollina / Nick Gravenites Band. Pride of Man
Terry & The Pirates - I put a spell on you
それでは今日はこの辺で。