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女性ブルース・ギタリスト集合!『Blues Guitar Women』

 もう何年か前に、女性のブルース・ギタリストを集めたコンピレーションがラフ・レコードから発売されたというので、早速買ってみました。知らないアーティストがたくさんいて、面白そうだなと思ったのがきっかけですが、その後通して聴いたかどうか思い出せないほど、棚の奥深く入り込んでしまいました。

棚を整理していたら、久しぶりにこのジャケットを見つけました。相変わらず知らないミュージシャンが多いです。さっぱり進歩していません。ということでこのアルバムを紹介したいと思います。なかなかいいのです。

 

 『Blues Guitar Women』

 

Disc: 1

 01. Can't Quit The Blues - Lara Price Band

 02. Takin' It All To Vegas - Debbie Davies

 03. The Man's So Good - Alice Stuart

 04. Mediterranean Breakfast - Sue Foley

 05. The River Wild - Deborah Coleman

 06. Living On The Road - Joanna Connor

 07. Navajo Moon - Ana Popovic

 08. Judgement Day Blues - Carolyn Wonderland

 09. Lonely Lonely Nights - Eve Monsees

 10. It's A Blessing - Maria Muldaur & Bonnie Raitt

 11. Dreamland Blues - Erja Lyytinen

 12. Lynn's Blues - Barbara Lynn

 13. Goin' Down - Tracy Conover

 14. Baghdad Blues - Beverly 'Guitar' Watkins

 15. Woke Up This Mornin' - Ruthie Foster

 

Disc: 2

 01. Fool Me Good - Precious Bryant

 02. Going Down This Road - Algia Mae Hinton

 03. Doggie Treats - Sue Foley

 04. Fixin' To Die - Rory Block

 05. Dead End Street - Ellen McIlwaine

 06. Rather Be The Devil - Alice Stuart

 07. Streamline Train - Jessie Mae Hemphill

 08. Nothing's Changed - Gaye Adegbalola

 09. One Dime Blues - Etta Baker

 10. Ain't Nothing In Ramblin' - JoAnn Kelly

 11. Down The Big Road Blues - Mattie Delaney

 12. Motherless Child Blues - Elvie Thomas

 13. Skinny Legs Blues - Geeshie Wiley

 14. In My Girlish Days - Memphis Minnie

 

Lara Price Bandはララ・プライスとローラ・チャベスのバンド。ローラがギタリストでララがヴォーカリストです。迫力満点でカッコいい。曲はバディ・ガイのカバーで彼女たちのファーストアルバム『Faces of the Blues』から。

Debbie Daviesはこのブログでも紹介したブルース・ギタリスト。曲は8枚目のジョン・メイオールに捧げたアルバム『Key To Love』から。ノリノリのブギロック

Alice Stuartは2曲。1960年代のデビューで、フランク・ザッパのマザースのメンバーでした。しかしマザースのデビューアルバム前にバンドを去りソロに。2000年代になって戻ってきました。曲は2002年のアルバム『Can't Find No Heaven』から。

Sue Foleyも2曲。スー・フォーリーももはやベテランになりました。私も何枚か持っています。Disk 1の04はブルースではなくアコースティックのメロディアスなインストナンバー。アルバム『Love Comin' Down』から。

Deborah Colemanもベテランになりました。曲はデボラ・コールマンの2004年のアルバム『What About Love? 』から。インストナンバーです。

Joanna Connorは1989年のデビュー。スライドギターのジョアナ・コナーの2枚目のアルバム『Fight』から。

Ana Popovicセルビアのブルース・ウーマン。現在はアメリカ在住。曲は2003年の3枚目のアルバム『Comfort to the Soul』からのインストナンバー。サンタナばりのギターを聴かせます。

Carolyn Wonderlandは男ばりのギターとヴォーカル。ここでは激しいブルースが聴けます。曲はアルバム『Bloodless Revolution』から。

Eve Monsees。この人のことは知りませんでした。勉強不足です。35歳と言いますからまだ若手ですね。ここではオーソドックスなブルースナンバーです。

Maria Muldaur & Bonnie Raitt。まさかマリア・マルダーとボニー・レイットがここで出てくるとは意外でした。もっともマリアとボニーは再三競演しているし、2人ともブルースに対する造詣はかなりなものです。曲はマリアのソロでも取り上げているミシシッピ・フレッド・マクダエルの曲。ボニーのスライドのみです。

Erja Lyytinen。残念ながらこの人のことも知りませんでした。フィンランドのブルース・ウーマン。既にアルバムを10枚も出していました。勉強不足です。

Barbara Lynnは大ベテランのブルース、R&B歌手兼ギタリスト。「You're Lose a Thing」は彼女のヒット曲。一時期シーンを去っていましたが80年代に復帰。曲は2000年のアルバム『Hot Night Tonight』から。

Tracy Conover。この人も知りませんでした。曲はドン・ニックスの「ゴーイング・ダウン」。なかなか良し。

Beverly 'Guitar' Watkinsは大ベテランのブルース・ギタリスト。B.B.キングジェイムス・ブラウンなどとも競演しています。2004年のアルバム『Feelings of Beverly "Guitar" Watkins』から。

Ruthie Fosterはブルースのみならずゴスペル、ジャズ、ソウルまで幅広いジャンルをこなします。曲は2002年の3枚目のアルバム『Runaway Soul』から。

Precious Bryantは2013年に71歳で亡くなったブルース・ウーマン。アルバムデビューは2002年。アルバムは僅かに2枚です。そのデビューアルバムから同名曲。

Algia Mae Hinton。この人も知りませんでした。アフリカ系のアメリカ人。今年88歳で亡くなりました。アコースティックのテキサスブルースです。

Rory Blockも いつの間にやら69歳になりました。子育てで一時期引退しましたがその後カムバック。まだまだ現役バリバリ。曲はブッカ・ホワイトのカバー。

Ellen McIlwaineは73歳のベテラン。スライド・ギタリスト。曲は2001年のアルバム『Spontaneous Combustion』に収録。

Jessie Mae Hemphillは2006年82歳で亡くなりました。曲は1987年の『Feelin' Good』に収録。

Gaye Adegbalolaは現在74歳。知りませんでした。この曲はアルバム『Bitter Sweet Blues』からでロリー・ブロックがプロデュースをしています。

Etta Bakerは2006年に93歳で亡くなりました。彼女は伝説的なピードモント・ブルース奏者。

JoAnn Kellyはブリティッシュ・ブルースの黎明期のブルース・ウーマン。1990年に46歳で亡くなっています。兄弟のデイヴ・ケリーやT.S.マクフィーらと活動していました。

Mattie Delaneyは1930年代に活躍したブルース・ウーマン。残した録音は僅かに2曲。その中の1曲がこれです。

Elvie Thomasは1891年生まれで1979年、87歳で亡くなっています。生前の2曲の録音のうちの1曲がこれです。「 Motherless Child Blues 」ブルースの名曲となり、ロックミュージシャンも多数カバーしています。

Geeshie Wileyは1908年生まれで、1950年に亡くなっています。ヴォーカルとギターでの録音は2曲、その他前出の「 Motherless Child Blues 」ではギターを弾きました。これも貴重な音源です。

Memphis Minnieは1897年生まれで1973年に76歳で亡くなりました。彼女の録音は多数残っています。編集アルバムも数多くあります。

 

ラストのほうでは貴重な音源も聴くことが出来ました。戦前のブルースを若干ながら堪能しました。レコード棚整理が功を奏しました。

 

コンピレーション・アルバムというのは良し悪しですが、私は嫌いではありません。手っ取り早く色々なアーティストを聴きたくなった時に便利です。

自分でもオリジナルのCDを作ったり、USBにベストソングを入れたりして楽しんでいます。便利な世に中になったものです。ウォークマンが登場した時にはびっくりしましたが、それから比べても隔世の感があります。

 

これからもお気に入りのコンピレーションを紹介できればと思いますが、数が多くてなかなか思い切れません。

 


Lara Price Band - Can't quit the blues


Carolyn Wonderland "Judgement Day Blues"


Tracy Conover at Antone's "Goin' Down"


The Man's So Good

 

それでは今日はこの辺で。