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この人の、この1枚『ティーボーン・ウォーカー(T-Bone Walker)/モダン・ブルース・ギターの父』

今日の「この人の、この1枚」はティーボーン・ウォーカー(T-Bone Walker)『モダン・ブルース・ギターの父』です。

 

あのB.B.キングが大先生と慕って止まないブルース・ギタリスト、それがティーボーン・ウォーカー(T-Bone Walker)です。

今、現在のブルースに限らずロックのギタリストは多かれ少なかれ、彼のお陰でギタリストとして存在できているのです。というのもエレクトリック・ギターによる単弦ギター奏法を確立したのは誰あろうTボーンその人です。それまでのブルース・ギターはコード奏法が中心でした。単弦でも歌のメロディを追うようなものが多く、歌とは別のフレーズを単弦で演奏することによって、ジャズ・ギターにも通じる新しいブルースが生まれたのです。この奏法を後のブルース・ギタリストやロックのギタリストが受け継いで今日のギター奏法が出来上がっているのです。エレクトリック・ギターをブルースに持ち込んだのも大きな革命でした。

 

そんな彼も1970年当時、日本ではほとんど無名でした。彼のレコードはほとんど入手不可能だったのです。それが70年代のブルース・ブームでようやく日の目を見ることになりました。それが今日紹介するアルバム『モダン・ブルース・ギターの父』です。正式なタイトルは『The Great Blues Vocals And Guitar Of T-Bone Walker: His Original 1942-1947 Performances』という長ったらしいタイトルが付いています。

このアルバム・ジャケットは1963年にアメリカでリリースされたコンピレーションですが、内容は違っています。『モダン・ブルース…』の方は日本独自の編集で、一番脂の乗りきっていたと言われるブラック&ホワイト・レーベル時代の録音から選りすぐられた14曲が収録されています。もちろん「ストーミー・マンディ」や「ティーボーン・シャッフル」も収録されています。

このレコードはブルース・レコードにしては驚くほど売れたようです。

Tボーンはこの後インペリアルに移籍しますが、インペリアル時代の録音はTボーンの第2弾として発売されましたので別の機会に紹介します。

 

簡単にTボーンの略歴を紹介します。

1910年、テキサス州リンデンの生まれ。幼少時に両親が離婚。ダラスに住む祖父母に引き取られます。祖父が偉大なブルースマン、ブラインド・レモン・ジェファーソンと友人で一緒に歌ったこともあるといいます。

13歳の時に母が再婚。新しい父親がギタリストでした。その父にバンジョーマンドリンウクレレ、ピアノを教わりました。そして父のバンドに加わり、演奏するようになりました。

1929年、初めてのレコーディングをします。本格的にレコーディングが始まったのは1940年以降のことになります。ブラック&ホワイト・レーベルへの録音は1946年から48年でした。この間、約35曲の録音をしています。その中からの選曲が本アルバムです。1950年代はインペリアルへの録音が3年間に50曲に及びます。その後はモダーンやブルーズウェイへも録音しています。アルバムも1975年に亡くなるまでに数多くリリースしています。

 

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A1 Got A Break Baby

A2 Mean Old World

A3 No Worry Blues

A4 Don't Leave Me Baby

A5 I'm In An Awful Mood

A6 I Know Your Wig Is Gone

A7 T-Bone Jumps Again

 

B1 Call It Stormy Monday But Tuesday Is Just As Bad

B2 You're My Best Poker Hand

B3 First Love Blues

B4 She's My Old Time Used To Be

B5 T-Bone Shuffle

B6 That Old Feeling Is Gone

B7 Plain Old Down Home Blues

 


Roots of Blues -- T-Bone Walker „I Got A Break Baby"


Mean Old World


T-Bone Walker - Call It Stormy Monday But Tuesday Is Just As Bad (1948)


T-Bone Walker - T-Bone Shuffle (1949)

 

Tボーンとジャズ・ギターの第1人者、チャーリー・クリスチャンと友人同士だったということも何かの因縁かもしれません。

 

 それでは今日はこの辺で。