今日の「懐かしのヘヴィメタ・シリーズ(懐メタ)」はNWOBHMを代表するバンド、プレイング・マンティス(Praying Mantis)です。
イギリスでは珍しく叙情派バンドで、本国よりもむしろ日本で人気が高かったと思います。
結成は1974年のロンドンでティノ・トロイ(Tino Troy,g,vo)とクリス・トロイ(Chris Troy,b,vo)の兄弟が中心メンバーでした。
1980年にアイアン・メイデンのボブ・アンジェロ(g)とミック・ラムサム(ds)が参加してマイナーレーベルからミニLP『Praying Mantis』をリリースします。
さらに、ボブとミックに代えてスティーヴ・キャロル(Steve Caroll,g)とデイヴ・ポッツ(Dave Potts,ds)を加えて初めてのフルレングス・アルバム『Time Tells No Lies』をアリスタからリリースします。1981年でした。
このアルバムのそれまでのヘヴィメタと違って、メロディアスでドラマティックなところが評判となり人気が高まりました。
しかし、マネジメント面が上手くいかず、アリスタとの契約も解消され、JETレコードと契約しますがシングル1枚をリリースしただけで、再び契約を解除されます。そしてほぼ活動休止状態になりました。
1990年、日本でのNWOBHM10周年記念コンサートで復活したのです。トロイ兄弟に加えて元アイアン・メイデンのデニス・ストラットン(Dennis Stratton,g,vo)とブルース・ビスランド(Bruce Bisland,ds)というメンバーで、ニューアルバム『Predator In Disguise』を1991年にリリースします。
このアルバムでプレイング・マンティスは見事に復活しました。
そして1993年に傑作アルバム『A Cry for the New World』が誕生します。
01. Rise Up Again
02.A Cry for the New World
03.A Moment in Life
04.Letting Go
05.One Chance
06.Dangerous
07.Fight to Be Free
08.Open Your Heart
09.Dream on
10.Journeyman
11.The Final Eclipse
プロデュースはゲイリー・フラウンダース(Gary Flounders)とティノ・トロイです。
新たにコリン・ピール(Collin Peel,vo)が加わりました。
このアルバムはまさに日本人ぴったり。哀愁メロディ、そしてドラマティック。言うことありません。これぞプレイング・マンティスの3作目にして最高傑作でしょう。ブリティッシュ・ハードというよりは北欧メタルです。コリン・ピールのヴォーカルもちょっと寂しげで、曲にぴったり合っています。
コリン・ピールはこの後脱退します。代わりは元マイケル・シェンカー・グループのゲイリー・バーデン(Gary Barden,vo)です。
そして1995年に4作目『To The Power Of Ten』をリリースします。
ヴォーカルの変更はやはり痛手でした。
ゲイリー・バーデンは早くも脱退、代わりに元ONSLAUGHTのトニー・オホーラ(Tony O'Hora,vo)が加入します。
そして、5枚目のスタジオアルバム『Forever In Time』をリリースします。
このヴォーカル交代が成功でした。『A Cry for the New World』と並ぶほどの傑作が生まれました。
次のアルバム『Nowhere To Hide』リリース後、トニー・オホーラはバンドを去ります。
この後は、メンバーチェンジが続き、結局初期メンバーはトロイ兄弟だけになりました。現在も活動を続けています。
Praying Mantis - Rise Up Again
Praying Mantis-A Cry For The New World
Praying Mantis - Letting Go (Studio Version)
それでは今日はこの辺で。