もう随分前になりますが、アングラ(Angra)の記事を書きました。ところがそのアングラのヴォーカリスト、アンドレ・マトスが以前に在籍していたヴァイパー(Viper)については書いていないことに気付きました。順番が逆になってしまいました。なにしろその場の思い付きで書いているものですから、全く脈絡がありません。ということで遅ればせながらヴァイーパーを書いてみたいと思います。
アンドレ・マトスは残念ながら先日亡くなってしまいました。ご冥福をお祈りします。
ヴァイパーは1985年、サンパウロでの結成です。当時のブラジルにはまだまだヘヴィメタ・バンドなど数少なく、セパルテュラ(Sepultura)が頑張っていたくらいでしょう。
メンバーは
ピット・パシャレル(Pit Passarell,b)
イヴ・パシャレル(Ives Passarell,g)
フェリペ・マチャド(Felipe Marchado,g)
アンドレ・マトス(Andre Matos,vo)
でした。
1987年には早くもファーストアルバム『Soldiers of Sunrise』がリリースされます。
このアルバムはアイアン・メイデンやハロウィンのようなヘヴィメタで、ブラジルでも高い評価を得ました。アンドレ・マトス、この時若干15歳。そのハイトーン・ヴォイスが光ります。
ここでメンバーチェンジがあります。カシオ・アウディが脱退して、グィルヘルム・マーティン(Guilherme Martin,ds)が加入。しかし、すぐにレナート・グラッシア(Renato Graccia,ds)に替わります。
1989年にセカンドアルバム『Theatre of Fate』をリリースします。
このアルバムが日本のデビューアルバムになります。クラシックの要素を多分に取り入れメロディアスなスピード・メタルが完成しました。しかし、このアルバムが日本で発売された1991年には既にアンドレ・マトスはバンドを去っていました。
代わりのヴォーカリストは入れずに、ピット・パシャレルがヴォーカルを兼任します。
1992年にサードアルバム『Evolution』を4人編成で発表します。
クラシックの要素が抜けて、ヘヴィメタ然としたアルバムになりました。アンドレ・マトスが抜けた影響を危惧しましたが、どっこいピットのヴォーカルもなかなかイケます。
1995年に4枚目のスタジオアルバム『Coma Rage』、1996年にはポルトガル語の『Tem Pra Todo Mundo』をそれぞれ発表します。
両アルバムとも日本での発売は見送られました。すでにセカンドアルバムのような日本人受けするメロディック・スピードメタルではありませんでした。
これをもってヴァイパーは活動を停止しました。
その後、2001年に活動を再開します。2012年にはアンドレ・マトスも復帰します。現在もパシャレル兄弟とアンドレのオリジナルメンバー3人を中心に活動中です。
1980年代後半のヴァイパーの築いたブラジルのメロディック・パワーメタルの基礎は、アンドレ・マトスが結成したアングラに引き継がれたのでした。
それでは今日はこの辺で。